ギアナ流刑地での生活
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 07:10 UTC 版)
「ルネ・ベルブノワ」の記事における「ギアナ流刑地での生活」の解説
ギアナ流刑地は、朝から晩まで囚人たちが獣のように酷使され死んでいく地獄のような場所だった。与えられる食事はとても少なく、体が弱った囚人たちの多くが大量の蚊やコウモリなどによって病気に感染し命を落としていった。囚人たちは常に脱獄を考えながら生きており、脱獄をするための金を稼ぐ手段を探していた。その方法は様々であった。衣服や靴など自分の身の回りの物を売る、囚人同士の間で行われている博打に参加する、コーヒーやタバコを売る...とりわけベルブノワが脱獄中に行ったのはジャングルの中で珍しいモルフォ蝶を捕まえて売ることだった(蝶はフランス語で”パピヨン”という)。実際に多くの囚人たちが脱獄を実行に移すのだが、そのほとんどは悲惨な結果に終わった。流刑地の四方は険しいジャングルと波の荒い海に囲まれており、近隣にはギアナの監獄行政と協力しフランスの脱獄囚たちを捕まえては流刑地に送り返す国が多かったため、それまで脱獄に成功した者はほんの一握りだけだった。ベルブノワも脱獄に執念を燃やしていた者のひとりだった。 ある時はジャガーなどの猛獣が生息し泥沼であふれる険しいジャングルの中を通り、またある時は鮫が漂い嵐が吹き荒れる海を小舟で渡り...彼は脱獄を四度試みたが全て失敗に終わり、その度に流刑地へ送り返され、残酷な刑罰によって幾度も死に際まで追い詰められた。大量の蚊が飛び交う息が詰まるような暑さの小屋で、足枷をはめられ永遠と続くような地獄の日々を過ごした。
※この「ギアナ流刑地での生活」の解説は、「ルネ・ベルブノワ」の解説の一部です。
「ギアナ流刑地での生活」を含む「ルネ・ベルブノワ」の記事については、「ルネ・ベルブノワ」の概要を参照ください。
- ギアナ流刑地での生活のページへのリンク