超エディントン降着円盤の解析モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 17:21 UTC 版)
「降着円盤」の記事における「超エディントン降着円盤の解析モデル」の解説
エディントン限界を超えた降着率を持つ超エディントン降着円盤の理論は、1980年代に M. A. Abramowicz やボフダン・パチンスキらによって構築された。この理論での円盤は "Polish doughnuts" (ポンチキ) と呼ばれるが、この命名を行ったのはマーティン・リースである。Polish doughnuts は粘性が低く、光学的に厚く、放射圧によって支えられている降着円盤であり、移流によって冷却されている。この円盤は放射効率が非常に悪い。Polish doughnuts は太いトーラス (あるいはドーナツ状) の形状をしており、回転軸に沿って2つの細い漏斗状の構造を持つ。この漏斗状構造は放射をビーム状に集約し、このビームはエディントン光度を大きく超える明るさとなっている。 スリム円盤はエディントン限界をやや超えた降着率のみを持つ円盤であり、いくぶんか円盤状の形状をしており、ほぼ熱スペクトルの放射を示す。スリム円盤 (slim disk) という名称は A.Kol akowska によって名付けられたものである。この円盤は移流によって冷却し、放射効率は低い。スリム円盤の理論モデルは、1988年に Abramowicz らによって構築された。
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