トロイア【Troia/Τροία】
読み方:とろいあ
トルコ西部にある古代都市の遺跡。小アジア半島(アナトリア)の北西端、エーゲ海から内陸へ約5キロメートル、ヒッサリクの丘に位置する。紀元前3000年頃から集落ができ、紀元前2500年から前2000年頃にかけて地中海交易の拠点として栄えたが、やがてトロイア戦争が起こり衰退。古代ギリシャ時代はイリオスまたはイリオン、もしくはトロイア、トロヤとよばれた。ドイツの考古学者シュリーマンが1870年代より発掘を開始し、同地がトロイアであると比定。引き続き行われた発掘調査により、最下層の第一市から最上層の第九市まで、異なる時代の九つの都市があったと考えられ、第一市の住居跡、第二市の道路、第六市の城壁や塔、第九市の劇場や神殿などの遺跡が残る。1998年に世界遺産(文化遺産)に登録された。トロイ。
トロイア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 00:52 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動トロイア (Troia)
- イリオスの別名 (Troia)。ギリシア神話に登場する古代都市。
- トローイア (Troia) - イタリアの町。
- トロイア半島 - ポルトガルの半島。
- 『ファイナルファンタジーIV』に登場する国。
註
- ^ “(3912) Troja = 1937 VJ = 1970 SZ = 1970 WK = 1977 RE9 = 1981 UC14 = 1985 XD = 1988 SG”. MPC. 2021年9月23日閲覧。
トロイア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:42 UTC 版)
「ハインリヒ・シュリーマン」の記事における「トロイア」の解説
自身の著作では、幼少のころにホメーロスの『イーリアス』に感動したのがトロイア発掘を志したきっかけであるとしているが、これは功名心の高かった彼による後付けの創作である可能性が高い。発掘当時は「トロイア戦争はホメーロスの創作」と言われ、トロイアの実在も疑問視されていた、というのもシュリーマンの著作に見られる記述であるが、実際には当時もトロイアの遺跡発掘は行われていた。 彼は発掘調査費を自弁するために、貿易などの事業に奔走しつつ、『イーリアス』の研究と語学にいそしんだと、自身の著作に何度も書き、講演でもそれを繰り返した。実際には発掘調査に必要な費用が用意できたので事業をたたんだのではなく、事業をたたんでから遺跡発掘を思いついたのである。 また彼は世界旅行に出て清(当時の中国)に続き、幕末・慶応元年(1865年)には日本を訪れ、自著 La Chine et le Japon au temps présent (石井和子訳『シュリーマン旅行記清国・日本』講談社学術文庫)にて、当時の東アジアを描写している。その書によれば日本に到着したのは6月1日で、日本を出発したのは7月4日である。横浜滞在中に特に興味深かったものに八王子へ向けての馬の旅を挙げており、6月18日にシュリーマンは横浜からイギリス人6人と馬丁7人で八王子に向かい、手織機をそなえた木造住宅、絹織物店がならぶ町並みを見て、大通りの井戸を観察した。 その後ソルボンヌ大学やロストック大学に学んだのち、ギリシアに移住して17歳のギリシア人女性ソフィアと再婚、トルコに発掘調査の旅に出た。発掘においてはオリンピア調査隊も協力に加わっていた。 1870年に無許可でこの丘の発掘に着手し、翌年正式な許可を得て発掘調査を開始した。1873年にいわゆる「プリアモスの財宝」を発見し、伝説のトロイアを発見したと喧伝した。この発見により、古代ギリシアの先史時代の研究は大いに進むこととなった。「プリアモスの財宝」はオスマン帝国政府に無断でシュリーマンによってギリシアのアテネに持ちだされ、1881年に「ベルリン名誉市民」の栄誉と引き換えにドイツに寄贈された。第二次世界大戦争中にモスクワのプーシキン美術館の地下倉庫に移送され、現在は同美術館で公開展示されているが、トルコ、ドイツ、ロシアがそれぞれ自国の所有権を主張し、決着がついていない。 彼は発掘の専門家ではなく、当時は現代的な意味での考古学は整備されておらず、発掘技術にも限界があった。発掘にあたって、シュリーマンはオスマン帝国政府との協定を無視し出土品を国外に持ち出したり私蔵するなどした。発見の重大性に気づいたオスマン帝国政府が発掘の中止を命じたのに対し、イスタンブールに駐在する西欧列強の外交官を動かして再度発掘許可を出させ、トロイアの発掘を続けた。こうした不適切な発掘作業のため遺跡にはかなりの損傷がみられ、これらは現在に至っても考古学者による再発掘・再考証を難しい物にしている。
※この「トロイア」の解説は、「ハインリヒ・シュリーマン」の解説の一部です。
「トロイア」を含む「ハインリヒ・シュリーマン」の記事については、「ハインリヒ・シュリーマン」の概要を参照ください。
「トロイア」の例文・使い方・用例・文例
トロイアと同じ種類の言葉
- トロイアのページへのリンク