旅行記とは? わかりやすく解説

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りょこう‐き〔リヨカウ‐〕【旅行記】

読み方:りょこうき

旅行中見聞感想書き記した文章また、その書物紀行


旅行記

読み方:リョコウキ(ryokouki)

(1)紀行文記録など
(2)案内記


旅行記

作者バリー・ユアグロー

収載図書一人の男が飛行機から飛び降りる
出版社新潮社
刊行年月1996.7

収載図書一人の男が飛行機から飛び降りる
出版社新潮社
刊行年月1999.9
シリーズ名新潮文庫


旅行記

作者ジョーク山越

収載図書冗談
出版社ブイツーソリューション
刊行年月2005.5


紀行

(旅行記 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/11 07:53 UTC 版)

紀行(きこう)は、旅行の行程をたどるように、体験した内容を記した紀行文旅行記道中記トラベルライティングなどともいう[1]

歴史

古事記』『日本書紀』に主人公が旅をしていくモチーフや、『万葉集』に地名と感情を読み込んだ歌群がある他、平安初期の旅行記として円仁入唐求法巡礼行記』や円珍『行歴抄』、成尋参天台五台山記』がある。これらは紀行の前身と位置づけられる[2]

一般的に、日本の紀行は平安時代紀貫之土佐日記』に始まる。同時代の紀行的な内容を含む作品として、熊野参詣を含む増基いほぬし』のほか、『蜻蛉日記』『更級日記』にも紀行的な内容が含まれている。

鎌倉時代に入ると、社寺参詣の流行を背景にして、源通親『高倉院厳島御幸記』、藤原定家『後鳥羽院熊野御幸記』、鴨長明作と思われる『伊勢記』などの漢文体紀行が出現する[2]。また、京都と鎌倉を往復する文化人が増えたことで、『海道記』『東関紀行』といった和漢混淆体の紀行が出現する[2]。その後、南北朝時代室町時代に入ると、社寺参詣や歌枕を訪ねる風流漂泊の旅のほか、戦乱や地方大名の勃興による文化人の移動が盛んになり、50編近くの紀行が誕生する[2]

江戸時代に入ると、旅行が比較的容易になった影響で旅行者が増大し、おびただしい数の紀行が生まれた。江戸時代の紀行を専門とする板坂耀子によれば、江戸時代の紀行は2500点以上の作品が存在するが、そのほとんどがくずし字から活字になっていないとされる[3]。また板坂は、江戸時代の紀行文の特徴として、「旅行先の土地や旅の実態、見聞した事物とそれに関する知識、また旅によって変化する自己の内面を、できるだけ多く読者に伝えようとする姿勢」「感傷的にならず積極的に旅の困難に対処し、時には笑い飛ばす主人公の造形」「自己の内面も外部の風景も、常套句や共通の常識、既成の様式によりかからず、具体的で的確な語句を用いて確実に伝えようとする工夫」の3点を特徴として挙げている[3]。あわせて、江戸時代の紀行の代表作は、松尾芭蕉おくのほそ道』ではなく、貝原益軒『木曽路記』と橘南𧮾『東西遊記』と小津久足『陸奥日記』と述べている[3]

江戸時代以降、交通網の発達や中産階級の増大に伴い、膨大な数の紀行が生まれた。紀行の舞台となる場所も、日本だけでなく、世界各地に及んでいる。

日本の紀行文

古代

中世

近世

近代

現代

海外の紀行文の例

紀行の種類

紀行は内容により、緩やかではあるが、以下のように類型化ができる(紀行と旅行記は同義とされているが、ここでは区別。後述の「補足」も参照のこと)

旅行記型
紀行の本流と言えるタイプ。主に著者自身の旅程中の出来事、現地の人々との交流といった「体験」を「時系列」に記述したもの。沢木耕太郎氏の「深夜特急」、森村桂氏の「天国にいちばん近い島」などが典型例。
テーマ型
旅行記型の一種。旅行記的要素に加え、ある特定の「テーマ」を切り口に訪れた国を概観する手法をとる紀行。歴史司馬遼太郎街道をゆく」)、食文化辺見庸「もの食う人びと」、渡辺満里奈「満里奈の旅ぶくれ -たわわ台湾-」)、芸術和辻哲郎「イタリア古寺巡礼」)、建築陣内秀信「南イタリアへ!―地中海都市と文化の旅」)、宿池波正太郎「良い匂いのする一夜」、稲葉なおと「まだ見ぬホテルへ」)をテーマにする作品が多い。古くは内田百閒をはじめ、宮脇俊三などの鉄道系紀行も多く存在するが、鉄道を交通手段の一つとしているものは旅行記型、鉄道に関する造詣の深い記述が多いものはテーマ型に含めても良い。
ガイド型
いわゆる、実用的なガイドブックとは異なり、その国、都市に対し深い造詣を持つ著者が特定の都市、街を紹介するタイプ。その都市、国と強く関わりを持つか、或いはその都市に在住経験のある著者によるものが多い。旅程の記述が主目的では無いものの、著者自ら観察し、体験したことを記述されることが多く、旅行記型の範疇とすることもできる。書店では「ガイドブック」のコーナーに配置されることが多い。
文学型
紀行自体、文学の一つのカテゴリとして位置づけられるが、本来的にはノンフィクションの領域である。しかし紀行の中にも文学的要素が強い書籍もある。このような紀行を「紀行文学」と表現する出版社もある。事実を表現する、その表現手法が文学的色彩が濃いという点に特徴がある。最も線引きが難しいタイプであるが、エリアス・カネッティの「マラケシュの声 - あの旅のあとの断想」などが典型例。
学術型
テーマ型の一種ではあるが、「観光的」要素が無いことでテーマ型と区別できる。主に「フィールドワーク」という学術的な「実地調査、研究」をテーマとしている。フィールドワークは様々な学問領域でとられるが、文化人類学民俗学言語学等をテーマとするものが多い。『悲しき熱帯』(クロード・レヴィ=ストロース)などが典型。

補足

いずれの紀行も特定の型におさめることは困難である。沢木耕太郎氏の「深夜特急」もエリアス・カネッティの「マラケシュの声 - あの旅のあとの断想」を意識をしたという発言もある(「coyote No.8/特集『深夜特急』ノート沢木耕太郎 旅がはじまる時」にて記載)。また紀行の多くは、上記の型を複合している。旅行記型+テーマ型テーマ型+ガイド型というパターンが比較的多い。

脚注

  1. ^ 舛谷, 鋭、マスタニ, サトシ、Satoshi, Masutani「トラベルライティングを考える」2019年3月、doi:10.14992/00017699 
  2. ^ a b c d 日本古典文学大辞典編集員会『日本古典文学大辞典 第2巻』岩波書店、1984年1月、122-123頁。 
  3. ^ a b c 板坂耀子『江戸の紀行文』中央公論新社、2011年1月。 
  4. ^ Schoff, Wilfred Harvey, ed. (1912), The Periplus of the Erythraean Sea: Travel and Trade in the Indian Ocean by a Merchant of the First Century, New York: Longmans, Green, & Co., ISBN 978-81-215-0699-1, http://depts.washington.edu/silkroad/texts/periplus/periplus.html  p.16

関連項目

外部リンク


旅行記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 05:31 UTC 版)

上温湯隆」の記事における「旅行記」の解説

2度目アフリカ旅行の、ロンドンから、メナカ、そしてラゴスまでの行程は、彼の残した日記手紙明瞭であるが、再出発後のラゴスから死亡時までの旅程はよく分かっていない。現地から知人家族へ何通か手紙送られているが、それを基にするしかない後半部旅の様子はっきりしない大きな理由は、上温湯日記紛失したためである。再出発前半部の日記メモ類は、東京実家送られていたが、後半部日記は、後記のように、ラクダ乗せてあり、そのまま紛失した見られている。 著作サハラ死す』は旅前半部の日記メモ、及び手紙母親の手記、時事通信社ラゴス特派員長沼節夫の回想記書かれている

※この「旅行記」の解説は、「上温湯隆」の解説の一部です。
「旅行記」を含む「上温湯隆」の記事については、「上温湯隆」の概要を参照ください。

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