実家
「実家」とは、自分が生まれ育った家のことである。自分が生まれた家ではないが実父母が暮らしている家を「実家」と呼ぶ場合もある。
自分の生まれ育った家で現在も暮らしているという場合、その家は普通は「実家」とは呼ばない。「実家」は、進学、就職、結婚などによって生まれた家から離れて暮らしている状況で用いられる表現といえる。
自分が生まれ育った家が、人手に渡って他の者の住む家になっていた場合、その家は「実家」とは呼ばない。ただし「生家」と呼ぶことはできる。その生家(元実家)から父母が別の住居に移り住んでいる場合は、父母が移り住んで居住している住まいが「実家」となる。
配偶者の実家(配偶者の父母が暮らしている住居)は「義実家(ぎじっか)」と呼ばれることがある。
実家に帰ることを「帰省」という。「帰郷」ともいう。配偶者の帰省に帯同して義実家を訪ねることも「帰省」と呼ばれる。義実家への帰省に気乗りしない心境は、俗に「帰省ブルー」と呼ばれることがある。
「実家」と「自宅」の違い
「実家」は「自分の生まれ育った家」のことであり、「自宅」は「自分がいま暮らしている家」のことである。「実家」は、その家から出て生活拠点を移した立場から「自分が生まれた家」を指す言葉である。
実家にあたる家が今でも生活の拠点である場合には、その家が「自宅」である。その家を「実家」と呼ぶ機会は少ない。
実家を現在の生活の拠点としていない場合、その家を「自宅」とは呼ばない。
「実家」と「里」の違い
「里(さと)」という言葉にも「実家」「生家」「郷里」を指す意味がある。「里(さと)」は「郷(さと)」に通じ、都会と対比される「田舎」、および、「故郷」を指す意味で用いられる。さらに実家や生家を指す意味合いでも用いられる。
「実家」の類語
「実家」の類語は、自分が生まれ育った親の家という意味の場合であれば、「主家」「里」「里方」「生家」「親元」「田舎」「地元」「故郷」「生国」「古巣」などを挙げることができる。また、自分の家という意味に絞るのであれば「我が家」「私宅」「拙宅」「居宅」「マイホーム」などが該当する。じっ‐か【実家】
実家
実家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 01:22 UTC 版)
概要
その人が生まれ育った家。(通常は)その人の実父母の家[1]ということになる(だが例外はある)。生家(せいか)ともいう[1](文脈にもよる)。偉人の伝記などでは実家ではなく生家と表記する。
旧民法では「実家」は婚姻や養子縁組によって他家に入った人の生家を意味した[1](その後「家」という概念(日本流の共同体概念)が使われなくなっていったので、現在の民法では使われない)。
現在でも日常生活では、大人になり両親の家を出て別の家に住むようになった人が、自分が生まれ育った家を「実家」と言うことは普通に行われている。「今年の夏、実家に帰省しました。」などと使う。
なお生まれ育った家(両親の家)を出た後に、両親が引っ越して新たな家に住み始めた場合、伝記などでは、ともかく生まれ育った家であればたとえ所有者が変わっても「生家」(あるいは「生まれ育った家」)と表記する(そして、しばしばその写真を掲載する。たとえ所有者が変わっても掲載する)。だが日常生活では、両親が引っ越した後、所有者が両親以外の別人になってしまった家のことを「実家」とはあまり言わない(つまり「実家」には、単純に物体としての住宅の意味に加えて、共同体的な意味も少し混入している)。
なお英語には「実家」に相当する語が無い。英語ではfamily(人の集まり。共同体)とhouse(住宅。物体としての家)を区別する。アメリカやイギリスには、日本で江戸時代や明治時代に使われていた「家」という概念(同じ家屋に居住することや血縁関係を基礎とする運命共同体システムという概念)が無い。したがって日本人が「今年の夏、実家に帰省した。」などという内容を英語話者に伝えたい場合は「my parents' house」と言うのが妥当な表現となる。こう表現すれば、正しく理解してもらえる。英語話者も、両親にひさしぶりに会いにゆくとか、孫の成長を見せに両親の家に行くということは普通に行っているので、そうしたことを続けて説明すれば、共感をもって理解してもらえる。
なお英語話者は、両親の家、つまり所有者が自分ではなくすでに自分が日常的に住む場所でもない家を「実」の家と呼ぶ感覚は持っていない。(うっかりrealとかtrueなどという形容詞を使ってしまうと。英語話者は「え?? 「実」の家というものをあなたが持っているのなら、今あなたが所有して住んでいる家(と私が思っていた家)は虚構の(偽の)家なの?... え?...それって、どういうこと ... ?」などと反射的に考え始め、黙ったまま妙なことを考え始める(黙って邪推を始める)。
実家にまつわる課題
- 実家の空き家化
近年の日本は高齢化社会となったわけだが、離れて住む両親が亡くなって「実家」に住む人がいなくなり、空き家になってしまったという状況になる人が増えている[2]。そうなるまで対策を考えていなくて、いざその状況になってから対処法に悩む人も多い[2]。
- 法的な相続
両親が亡くなると実家の相続の問題も浮上する。兄弟姉妹が複数名いる場合(つまり両親に子が複数いる場合)、実家を誰が相続するのかという問題が浮上するのである。親が亡くなるとその住宅の法的な所有者がいなくなってしまった状態になり、登記簿上の所有者を一定期間のうちに別の人に書き換えなければならない。子が一人の場合は、その一人が相続するか、相続放棄するかの2択なのでさほど難しくないが、子が複数の場合は、兄弟のうち誰かがその家の新たな所有者として登記するのかとか、あるいは共同名義にしてしまうのかとか、不動産としての価値はどう評価するのかとか、誰がそこに住みたいのか住みたくないのかとか、また過去のひとりひとりの複雑ないきさつ(成人以降もそのまま実家で親と同居しつづけていた子だとか(そして、それを「親に甘えて、大人になっても優遇されていた」と見なすのか、逆に「歳をとったわがままな親の面倒を見るという、やっかいなことをしてくれていた」と見なすのかという、兄弟間の主観的で感情的な問題)とか、実家の家業を継承した子とか、独立して別の家に住んでいたが頻繁に介護のために帰っていた子とか、 等々)、各家庭や各人の個々の複雑な事情が絡み合う[3][4]。
その他
- 配偶者の父と母のことを義父、義母と呼ぶことから、パートナーの実家のことを義実家(ぎじっか)と呼ぶことがある。これは21世紀に入ってから生まれた新しめの呼び方であり、この語を採録する辞書もあるものの、違和感を持つ者も少なくない表現である[5]。
脚注
関連項目
外部リンク
(東京都墨田区八広)実家
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「清水一行」の記事における「(東京都墨田区八広)実家」の解説
父・忠助は栃木県南部の田沼町(現佐野市)の生まれで、東京の大工の棟梁に嫁いだ姉を頼って上京した。母・はなは信州小諸近くの滋野村(現東御市)の出身。忠助が大工仕事の出稼ぎにいったとき、2人は知り合った。忠助ははなの実家である清水家に婿入りし「迎えにくるからな」といい残して親方とともに東京に戻った。間もなくはなに子どもができているのがわかり、忠助を追って東京に出てきて一緒に長屋暮らしを始めた。1936年8月にはなは亡くなった。
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「実家」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女はもう26歳になっているが,まだ実家で暮らしている
- 今日久しぶりに大阪の実家に帰りました
- 彼が実家で猫を3匹飼っています
- トシは10万円の更新料が払えなかったのでアパートを引き払い実家に戻った。
- だから、私が実家に帰るのはとても久し振りだった。
- あなたはどれくらいのペースで実家に帰るのですか。
- お盆に、私は実家へ行くつもりです。
- この時期には、遠隔地にある実家に移動しお盆の行事に参加する人も多い。
- はやく実家に帰って、おいしいものを食べたいです。
- 実家に帰って、おいしいものを食べたいです。
- 今月半ばに夏休みを貰い実家へ帰って来ます。
- 私の実家は発電所からかなり離れています。
- 私は二週間青森の実家に帰る予定です。
- 私は京都の実家に帰郷しています。
- 私が通っている大学は実家から離れているため、私は一人暮らしをしています。
- 実家に孫を見せに行きます。
- 8月は実家に帰省します。
- 俺も実家に帰りたいなぁ。
- 私は、夏休みは実家でゆっくりと過ごしました。
- 私は、夏休みは実家でゆっくり過ごしました。
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