実定法との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 23:42 UTC 版)
自然法と実定法との関係には主に2種類あり、ひとつは授権関係、ひとつは補完関係である。前者の場合、自然法は実定法に対する授権者となり、自然法に反する実定法は原則的に失効する。但し、正当な理由があるときには、この限りでない。正当な理由としては、堕落した人類は自然法上の義務を完遂できないことなどが挙げられる。他方で、後者の場合、自然法は実定法が欠缺している領域を補うことになり、その最も重要な適用領域は、国際関係とされていた。これは、特に近代において、国際関係を規律するルールが非常に多くの点で整備されていなかったからである。今日においては、非常に多数の国際条約が締結されており、必ずしもその限りではないが、学説上、自然法の復権を訴えるものも中には見られる。
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