トロイアの滅亡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 05:55 UTC 版)
夜が明けると、トロイア人は、ギリシア人が消えうせ、後に木馬が残されていることに気がついた。ギリシア人が去って勝利がもたらされたと信じたトロイア人は、市内から出てきて木馬の周りに集まり、シノーンを発見した。トロイア人たちはシノーンを拷問し、ギリシア人の行方や木馬の作られたいきさつを問いただしたが、シノーンは正しいことを言わず、「ギリシア人は逃げ去った。木馬はアテーナーの怒りを鎮めるために作ったものだ。そして、なぜこれほど巨大なのかといえば、この木馬がイーリオス城内に入ると、この戦争にギリシア人が負けると予言者カルカースに予言されたためである」としてトロイア人を欺き通した。 欺かれたトロイア人たちは木馬を引いて市内に運び込んだ。ラーオコオーンとカッサンドラーが市民たちをいさめ、木馬に槍を投げつけた。その直後、海から2匹の大蛇が現れ、ラーオコオーンとその二人の息子をくびり殺したため、市民たちは考えを変えた。門は木馬を通すには狭かったので、壊して通した。そして、アテーナーの神殿に奉納した。トロイア人はその後、市を挙げて宴会を開き、人々が寝静まり、守衛さえも手薄になっていた。 それを好機と木馬からオデュッセウスたちが出てきた。そして計画どおり松明でテネドス島のギリシア勢に合図を送り、彼らを引き入れた。その後ギリシア勢はイーリオス市内をあばれまわった。酔って眠りこけていたトロイア人たちは反撃することができず、アイネイアースなどの例外を除いて討たれてしまった。トロイアの王プリアモスもネオプトレモスに殺され、ここにトロイアは滅亡した。
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