ウラノス
ウーラノス
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ウーラノス Οὐρανός |
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カルル・フリードリッヒ・シンケルの絵画『ウーラノスと踊る星々』(1834年) ベルリン工科大学建築美術館所蔵 |
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住処 | 天空 |
配偶神 | ガイア |
親 | ガイア |
子供 | クロノス, オーケアノス, コイオス, クレイオス, ヒュペリーオーン, イーアペトス, テイア, レアー, テミス, ムネーモシュネー, ポイベー, テーテュース, キュクロープス, ヘカトンケイル, ギガース, メリアス, アプロディーテー, エリーニュス |
ローマ神話 | ウーラヌス, カイルス |
ギリシア神話 |
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主な原典 |
イーリアス - オデュッセイア 神統記 - 仕事と日 イソップ寓話 - ギリシア悲劇 ビブリオテーケー - 変身物語 |
主な内容 |
ティーターノマキアー ギガントマキアー アルゴナウタイ テーバイ圏 - トロイア圏 |
オリュンポス十二神 |
ゼウス - ヘーラー アテーナー - アポローン アプロディーテー - アレース アルテミス - デーメーテール ヘーパイストス - ヘルメース ポセイドーン - ヘスティアー (ディオニューソス) 一覧 |
その他の神々 |
カオス - ガイア - エロース ウーラノス - ティーターン ヘカトンケイル - キュクロープス ギガンテス - タルタロス ハーデース - ペルセポネー ヘーラクレース - プロメーテウス ムーサ - アキレウス |
主な神殿・史跡 |
パルテノン神殿 ディオニューソス劇場 エピダウロス古代劇場 アポロ・エピクリオス神殿 |
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ウーラノス(古代ギリシア語: Οὐρανός、古代ギリシア語ラテン翻字: Ouranós)は、ギリシア神話に登場する天空神である。全宇宙を最初に統べた原初の神々の王とされる。ウーラノスとはギリシア語で 「天」 の意味で、天そのものの神格化である。日本語では長母音を省略してウラノスとも表記する。
ローマ神話にも取り入れられカイルス(Caelus)と呼ばれる[1]。
概説

ガイアの息子であると同時に夫でもあり、ガイアとの間にクロノスらティーターン12神をもうける。
また、キュクロープスやヘカトンケイルもウーラノスとガイアとの間の子供だが、ウーラノスはその醜怪さを嫌い、彼らをタルタロスに幽閉してしまう。これに怒ったガイアは末子クロノスに命じて、刃が魔法の金属・アダマスで作られた鎌でウーラノスの男性器を切り落とさせた。この時流れた血からエリーニュスたちやギガースたち、メリアスたちが生まれた[1]。また、一説ではこの後、海に漂流していたウーラノスの陽物の周囲にできた泡から生まれたのがアプロディーテー女神である。
ギリシアでは、天は元来暗いものと考えられており、昼の光(ヘーメラー)は天の上のアイテール(清明な大気)にあるものとされていた。ウーラノスは「星ちりばめたる」という称号を持ち、全身に銀河を鏤めた宇宙の神と考えられていた。夜に暗くなるのは、彼がガイアと交わる為にニュクス(夜)を伴って大地に近づくためだという。
解釈
ガイアの息子にて夫であるウーラノスは星のきらめく空であり、ギリシアにおいて信仰の対象とはまったくされなかったようである。この空と大地の概念は原初的な二柱の神と考えられ、これは全てのインド=ヨーロッパ民族に共通する。すでにリグ・ヴェーダの中で空と大地は、「不滅の夫婦」、世界は二人の曾父母と呼ばれていた。[2]
派生
ドイツの法律家で同性愛者の活動家、カール・ハインリッヒ・ユルリクス(de)は、ウーラノスの逸話から男性同性愛を連想し、それを「ウールニング(Urning、ドイツ語で男性同性愛を意味する)」(en)と名付けた。また女性同性愛をレズビアンというのに対し男性同性愛の意で「ウラニズム(Uranism)」を、ゲイが一般化するまで使われていた。日本では1913年(大正2年)に翻訳刊行されたクラフト=エビング『変態性慾心理』(後年の「性の精神病理」と同じ)で知られるようになった。
脚注
- ^ a b 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店、1960年、60,95,104,287頁。
- ^ Girishia shinwa.. Guirand, Félix., Nakajima, Takeshi, 1931- Hon'yakuka., 中島, 健, 1931- 翻訳家. 青土社. (1991.11). ISBN 4791751442. OCLC 674720971
関連項目
ウラノス
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「とある飛空士への誓約」の記事における「ウラノス」の解説
ニナ・ヴィエント 「とある飛空士への恋歌#ニナ・ヴィエント」も参照 「創世神話に予言された救世主」「ウラノスを継ぐもの」「風呼びの少女」などと称される少女。実名はクレア・クルス。ウラノス王都プレアデスの外れにある山奥の「ラミア離宮」と呼ばれる王族専用の別荘に住む。肩で切り揃えた黒髪と、質素で清潔な服装で、上品な雰囲気を持つ。孤独に苛まれており、年の近い同性であるミオが世話役として派遣されることとなった。賢人会議のメンバーのひとり。かつて革命の象徴として一国の政体を壊滅に追い込み、聖泉でのウラノスとイスラとの戦いでウラノス艦隊を全滅させた過去を持つ『とある飛空士への恋歌』のヒロイン。 イグナシオ・アクシス 「とある飛空士への恋歌#イグナシオ・アクシス」も参照 ニナ・ヴイエントの護衛役。容姿端麗な美青年であり、ミオからも「一度どきんと胸が波打つような、美しい青年」と評されている。人当たりが非常に悪く、無愛想で無口。当初はミオのことをウラノス人と誤解し、警戒していた。後にミオと打ち解けていくが、その際に内面の優しさと口の悪さのギャップを「バルタザールに似ている」と評された。 前々作『とある飛空士への恋歌』から登場する。 ライサンダー・ケプラ ウラノス第九飛空要塞「カルキノス」司令官。統合作戦本部のやり方には批判的。しかし、オペレーション・ジュデッカの時は作戦に珍しく乗り気だった。シエラグリード沖海戦では劣勢を悟り早々に重要書類を焼却、地表面の市庁舎と中央司令部を爆破し直衛兵と地下司令部にこもった。セントヴォルト陸戦隊の上陸から一週間後、地下司令部に突入された際にカルキノス底部の推進装置と方向舵の自爆スイッチを押したのち、自らのこめかみへ拳銃の銃口を押し当て引き金を引き自決した。 カーナシオン アクメドと並び立つウラノスの超エース。機体に「黒豹」のエムブレムを描いている。酷い火傷を負って醜い顔になっており、包帯を巻いてそれを隠している。かつて、非戦闘員である清顕の姉を地上掃射で殺害した。カルステンを除けば、カルステン・ターンを会得している唯一の戦闘機パイロット。相手よりも高速を保つことが原則の空中戦に於いて、あえて低速域での空戦に持ち込むことで、敵機の後方を取り銃撃するなど、変則的な戦法を用いることもある。 戦場でイリア機と戦った際に、負けて機体から脱出した彼女の姿を見て、以前に機関誌で見かけたカルステンの娘だと気付く。この時に自分には無い美しい容姿を持つイリアに下卑た欲望を抱き、あえて見逃す事で自分を追って来させ、それを返り討ちにして更なる敗北感を刻んで屈服させてから自分のものにすると決めた。そのために、落下傘で降下する彼女の周囲をわざと風防をあけて自分の容貌を晒したまま飛び続け、飛空士として侮辱し屈辱を与えた。 昔、アクメドと戦って敗北した上、片足を失って酷い火傷を負わされたことからアクメドへの復讐を切望している。 イラストリアリ 教皇。ニナをウラノス王に担ぎ上げ、また引きずり下ろした本人。ウラノスの中で一番の有力者と言われる。賢人会議のメンバーのひとり。 デミストリ ウラノス第一王子、軍最高司令官。賢人会議のメンバーのひとり。本来はデミストリが王位を継承する予定だったため、ニナのことを憎んでいたが、憎悪をこじらせた末に妻にしたいと思うようになった。正妻の嫡男ながら頭の出来は悪く、実務能力は皆無と言われている。ウラノスの歴代王を全部まとめて2倍にしたほど性欲が強いと評されており、後宮に多数の愛人を抱え、日々性交に耽っている。 ゼノン・カヴァディス ハルモンディア皇国の外交官を名乗るが、正体はウラノス外務尚書省次官。一見温厚かつ友好的な人物であるが、実体は極めて狡猾で冷酷なサディスト。ミオの父イーサンを巧みに取り込み売国奴へと仕立て上げた張本人。権力者会議クロノ・マゴスを主催する。 『とある飛空士への恋歌』第5巻にも登場しており、イスラとの交渉で重要な役割を持っていた。本作ではその際に交渉相手となったアメリア・セルバンテスとの駆け引きをきっかけに彼女への本能的な欲求を覚え、いつか自分のモノにしたいという欲望を抱いていることが明かされている。彼にとって容姿も頭脳も高い将来性を感じさせるミオは育てあげればアメリアのようになりうる素材だと考えているが、その本心は育て上げたミオを本物のアメリアを手に入れるまでの代替物にするというもの。売国奴だったというセイラ家の闇を盾にミオもスパイに仕立て上げ、決して裏切れないように追い込んで苦しみと絶望を与えて心を折り、自分の望む姿へと変わっていくよう仕向けている一方、ミオの生き生きとした表情と聡明さを失わせないために、ラミア離宮に住むニナ・ヴィエントの世話役を命じた。 拘束されたセイラ家の身柄の回収に務めており、主催するクロノ・マゴスの協力と働きかけでミオの姉と2人の兄を救い出した。 パトリティオスという8名の優秀な工作員を手駒として擁しており、世界中に潜入させ、工作活動を行わせている。 キリアイ 序列第5位のパトリティオス構成員。パトリティオスの紅一点でもある。毒のスペシャリストであり、ニナ・ヴィエントを毒による暗殺から護衛するためにユリシス宮殿に派遣された。喋り方に特徴があるらしく、作中では関西弁で表現されている。
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