メルクリウスとは? わかりやすく解説

メルクリウス【(ラテン)Mercurius】

読み方:めるくりうす

ローマ神話で、商業の神。→ヘルメス


メルクリウス

水銀

メルクリウス

名前 Mercury

メルクリウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/22 04:02 UTC 版)

メルクリウス
メルクリウスの肖像がデザインされている500リラ紙幣

メルクリウス (Mercurius) はローマ神話デイ・コンセンテス (Dei Consentes) の一人であり、商人や旅人の守護神である[1]。英語読みでマーキュリー (Mercury) とも表記される。

概要

ギリシア神話の神々の伝令使ヘルメースと同化し、雄弁家、盗賊、商人、職人の庇護者とされた。ヘルメースと融合する前の元来の職能や性格は明瞭でないが、その名は merces (商品、財貨)に関係があるとも言われる商業の神である[2]ニュンペーラールンダとの間にラールたち(ラレース)をもうけた。

メルクリウスの神殿は紀元前496年アウェンティヌス丘の上に建てられたとされるが、これはローマの聖所ポメリウムの外にあったため、元からローマにいた神ではなく、外部から来た神と考えられている。

ローマ暦では、水曜日をメルクリウスの日 Diēs Mercuriī (ディエース・メルクリイー)としている。

タキトゥスは『ゲルマーニア』において、ゲルマン人が最も崇拝する神をメルクリウスと呼んだが、これはゲルマン神話の主神ウォーダンのことであったと考えられている。英語の Wednesday は「メルクリウスの日」を古英語で「ウォーデンの日」と翻訳したことに由来する。

別名をメルクリウスともエジプト人ヘルメスともいうヘルメス・トリスメギストスは、ヘルメス主義を象徴する神話的人物であるが、後世、ヨーロッパ中世およびルネサンス期において、錬金術の考案者にして諸学技芸の祖であると考えられた。

カール・グスタフ・ユングは「メルクリウス」について次のように述べる。

「メルクリウスは(錬金術でいうところの、すなわち、無意識の)作業(オプス)の始めに位置し、終りに位置する。

メルクリウスは原初の両性具有存在ヘルマプロディートスであり、一旦は二つに分れて古典的な兄-妹の対の形を取るが、最後に「結合」において再び一つに結びつき、「新しい光」、すなわち、「賢者の石」という形態をとって光り輝く。

メルクリウスは金属であるが同時に液体でもあり(「メルクリウス=水星」を象徴する金属は水銀)、物質でもあるが同時に霊でもあり、冷たいが同時に火と燃え、毒であるが同時に妙薬でもあり、『諸対立を一つに結びつける対立物の合一の象徴なのである。』」

「メルクリウス」の変容性と多様性は錬金術の根本表象であり、すなわち、「メルクリウス」は我々の無意識、心的世界の一つの表象といえる。

ライオンユニコーン」は共に、錬金術における「メルクリウス」の象徴であるとされる。他に、「鳩、鹿、鷲、龍」なども「メルクリウス」の同義語とされる。

脚註

  1. ^ スチュアート・ペローン 『ローマ神話』 中島健訳、青土社、1993年、p. 106, pp. 115-120.
  2. ^ 呉茂一 『ギリシア神話(上)』 新潮社〈新潮文庫〉、昭和54年、236頁。

関連項目


メルクリウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 05:03 UTC 版)

ウィザーズ・ブレイン」の記事における「メルクリウス」の解説

水銀変異同素体《論理回路》により疑似的生体情報付加されているため、ゴーストハックを受けるのに最も適した性質持っているが、〈騎士〉情報解体には弱いらしい。〈人形使い〉搭乗前提として建造され飛行艦艇[ウィリアム・シェイクスピア]の外装にも用いられている。

※この「メルクリウス」の解説は、「ウィザーズ・ブレイン」の解説の一部です。
「メルクリウス」を含む「ウィザーズ・ブレイン」の記事については、「ウィザーズ・ブレイン」の概要を参照ください。

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メルクリウス

出典:『Wiktionary』 (2021/06/20 12:34 UTC 版)

語源

ラテン語 Mercurius

固有名詞

メルクリウス

  1. ローマ神話男神商業神。英語音マーキュリーギリシア神話におけるヘルメスに相当。

翻訳


「メルクリウス」の例文・使い方・用例・文例

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