ディードーとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 外国人名の読み方 > ディードーの意味・解説 

ディードー

名前 Dedeaux

ディードー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/21 08:37 UTC 版)

オーギュスタン・カイヨ(fr)作『ディードーの死』(1711年) ルーブル美術館所蔵

ディードー古希: Διδώ, Dīdō, ラテン語: Dido)は、フェニキア都市国家カルタゴを建国したと伝えられている伝説上の女王である。ギリシア神話ローマ神話に登場する。長母音を省略してディドディドーとも表記される。

2006年よりチュニジアで発行されている10ディナール紙幣に肖像が使用されている。

カルタゴの建国神話に基づく伝記

フェニキアの都市国家テュロス国王の娘で幼名はエリッサElissa)といった。父の弟でメルカルトの神官をしていたシュカイオスと結ばれて同じく巫女として仕えていた。父の死去の際、彼女と兄のピュグマリオーンが共同で国を治める様に遺言された。ところが、兄は王位の独占と叔父の財産目当てに遺言に違えてシュカイオスを暗殺し、ディードーの命をも狙った。そこで彼女は全てを捨てて心ある家臣たちとともに航海に出たのである。

ディードーの一行は途中キプロス島で豊饒の女神アスタルテーに仕える神官と神殿に献上される予定であった乙女達を受け入れながら旅を続け、現在の北アフリカチュニジアの地に辿り着いた。そこで彼女はこの地の王であるイアルバースに土地の分与を申し入れた。イアルバースは1頭の牝牛の皮が覆えるだけの土地であれば分与しても良いと応えた。そこで彼女は牝牛1頭分の皮を細かく引き裂いてビュルサの丘の土地を取り囲み、を築くだけの土地を得た[1]。この地が後のカルタゴとなった。

古代ギリシア歴史家ティーマイオスによれば、これを見たイアルバースは彼女の才能に惚れて求婚した。だが、亡き夫の死の際に決して再婚しないと誓っていた彼女はこれを拒んで火葬の中に飛び込んで自らの命を絶ったという。

『アエネーイス』に基づく伝記

古代ローマの詩人ウェルギリウス作の叙事詩アエネーイス』には、これとは違う物語が書かれている。

英雄アイネイアースは祖国トロイア滅亡後に仲間とともに流浪の末にカルタゴに漂着する。そこで彼は女王として国を治めているディードーに歓待を受ける。アイネイアースの母ウェヌスアプロディーテー)は彼の身に危険が及ぶことを恐れ、クピードーエロース)に命じてディードーに彼に対する愛を吹き込まさせる。そして、2人は愛し合うようになり契りを結ぶ。ところが、アイネイアースにイタリア半島に向かうように神託を下していたユーピテル(大神ゼウス)は、改めてメルクリウスヘルメース)に命じて神託の実行を促した。そこで彼はイタリア行きを決意して出発してしまう。アイネイアースに裏切られたディードーは悲嘆の余り、火葬の炎に身を焼かれて命を絶ったという(『アエネーイス』第4巻)。

派生作品

脚注

  1. ^ 谷村省吾「等質空間における等ホロノミー問題の解 (力学系と微分幾何学)」『数理解析研究所講究録』第1408巻、京都大学数理解析研究所、2004年12月、151-158頁、CRID 1050001201935784832hdl:2433/26146ISSN 1880-2818 

参考文献

関連項目


ディードー(Dīdō)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 07:15 UTC 版)

アエネーイス」の記事における「ディードー(Dīdō)」の解説

カルタゴ女王流れ者であるアエネーアースとの情熱的な恋に落ちるが、アエネーアースカルタゴを去ると、別れ嘆き、その身をの火に投じて壮絶な自死遂げる。その際、後のポエニ戦争ローマカルタゴ軍により苦しめられることを示唆する恨み言遺す

※この「ディードー(Dīdō)」の解説は、「アエネーイス」の解説の一部です。
「ディードー(Dīdō)」を含む「アエネーイス」の記事については、「アエネーイス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ディードー」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ディードー」の関連用語

ディードーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ディードーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのディードー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのアエネーイス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS