古代ギリシア語
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古代ギリシア語(こだいギリシアご、Ἑλληνική、希: Αρχαία ελληνική γλώσσα)は、ギリシア語の歴史上の一時期を指す言葉。古代ギリシアの、アルカイック期(紀元前8世紀 - 前6世紀)、古典期(前6世紀 - 前4世紀)、ヘレニズム期(前4世紀 - 後6世紀)の3つの時代に跨がっており、様々な方言が存在し、古典ギリシア語もその一つである。
注釈
出典
- ^ Roger D. Woodard, “Greek dialects,” The Ancient Languages of Europe, R. D. Woodard (ed.), Cambridge: Cambridge UP, 2008, p. 51.
- ^ 高津春繁『ギリシア語文法』による。最新版『ブリタニカ百科事典』のように、これより簡略な分類がされる場合もある。マケドニア方言の位置は、現在主流となっている最新の学説を元に配置した。
- ^ 長年、ギリシア語に近いが別のインド・ヨーロッパ語族の言語と考えられていたが、ギリシアのマケドニア地域で近年発見された碑銘やタブレットによって、北西ギリシア方言の一つと分かった。
- ^ Roisman, Worthington, 2010, "A Companion to Ancient Macedonia", Chapter 5: Johannes Engels, "Macedonians and Greeks", p. 95:"This (i.e. Pella curse tablet) has been judged to be the most important ancient testimony to substantiate that Macedonian was a north-western Greek and mainly a Doric dialect".
- 1 古代ギリシア語とは
- 2 古代ギリシア語の概要
- 3 音韻論
- 4 形態論
- 5 表記体系
- 6 脚注
古代ギリシア語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 01:02 UTC 版)
「プネウマ」および「プシュケー」を参照 プネウマ 古代ギリシア語: πνευμα(プネウマ)は、動詞「吹く」(πνεω)を語源とし、気息、風、空気、大いなるものの息、存在の原理の意。呼吸、気息、生命、命の呼吸、力、エネルギー、聖なる呼吸、聖なる権力、精神、超自然的な存在、善の天使、悪魔、悪霊、聖霊などを意味した。日本では「聖霊」、日本ハリストス正教会では「神(しん)」と訳される。 プシュケー ギリシア語: ψυχή(プシュケー)は、動詞 ψύχω(プシュコー、吹く)から形成され、呼吸、息、生命、命、生命力、生命の呼吸、生きること、Bodyに対するSoul(精神、魂、心)、spirit (精神)、ghost (霊、幽霊)、 感情や情念の座、心臓、心、性格、人格、道徳的立場、自然、知性の座、意志や欲望の座、地獄で生き残ることなどを意味した。霊魂も意味する。動詞 ψύχω(プシュコ―)は吹く、呼吸する、冷たくなる、死ぬの意。日本ハリストス正教会では「プシヒ、霊」と訳す。マルコによる福音書ではプシュケーは「命」と訳された。プラトン主義の伝統においては、プシュケーを有することを以て人間は本質的に神と同族であるという確信があった。 プネウマ (pneuma) はもともと気息、風、空気を意味したが、ギリシャ哲学では存在の原理とされた。空気中のプネウマ(精気、空気、気息)が体内に取り込まれ生体を活気づけると、アナクシメネス、ヒポクラテスらは考え、アリストテレスは植物プシュケー、動物プシュケー、理性プシュケーの3種のプシュケー(精気)を区別し、ガレノスも肝臓にある自然精気 (pneuma physicon)、心臓にある生命精気 (pneuma zoticon)、脳にある動物精気 (pneuma physicon) の3つを考えた。アリストテレスやガレノスのプネウマ(精気)をスピリトゥスとして表記する研究もある。 古代ギリシアでは、プシュケーとプネウマはいずれも元来「気息」を意味していたが、前者は早くから生命の原理とされて「魂」の概念となったのに対し、ヘレニズム思想においては後者は前者よりも物質に近い意味合いを帯びていた。ストア派ではプネウマは宇宙に充満する究極の元素とされ、万物の素材因と考えられたため、物質的な性質のものであった。プラトン主義者らにとってはプネウマは魂の下位の形態であり、非物質的な魂と物質的な身体の中間の存在とされ、人の魂が星辰の世界から地上に降りていく過程で形成される魂の衣か乗物のようなものであるとも考えられた。しかし、プネウマはギリシア語圏のキリスト教用語にもなった。プネウマがヘブライ語の「ルーアハ」の訳語とされたことは、以後のプネウマの概念に影響を与え、プネウマをプシュケー(心魂)よりも高次の純粋な「霊」とする用語法が生じた。グノーシス主義においても、プネウマにはプシュケーを超越する形而上的な性格が付与された。ウァレンティノス派(英語版)では、人間は「霊的人間」(プネウマティコイ)、「心魂的人間」(プシューキコイ)、「物質的人間」(ヒューリコイ)の3階級に分類され、プネウマティコイこそが、内に宿る神の火花たる霊によって救済されるべく定められているとされた。
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古代ギリシア語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/28 13:56 UTC 版)
古代ギリシア語では希求法は、主節で願望または可能性を表現するのに用いられた。従属節(目的、時、条件、間接話法での引用を表す)では、希求法は過去時制の主動詞に伴う形で多く用いられる。願望を表す希求法は、それ自体で、または前に小辞εἴθε(eithe)をつけて用いられる。可能性を表す希求法は、主節では常に翻訳不能の小辞ἂνを伴い、従属節ではそれだけで用いられる。 Εἴθε βάλλοις (Eithe ballois)「あなたが投げてくれるかなあ」 Χαίροιμι ἂν, εἰ πορεύοισθε(Chairoimi an, ei poreuoisthe)「あなたが旅をできたら嬉しいのだが」 コイネーでは、希求法は接続法に取って代わられ始め、新約聖書では、主として慣用句に用いられた。 希求法の語尾は、ο/ε母音を持つ動詞(thematic verb)ではοιに、ο/ε母音を持たない動詞(athematic verb)ではιになる特徴がある。
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古代ギリシア語
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高津の古代ギリシア語の成果は、『アルカディア方言の研究』と『ギリシア語文法』に集大成されている。名詞と動詞の語形変化と、単純な文章だけを羅列する語学書ではなく、各語の方言形の説明のために歴史的発展をも詳述する。また、シンタックスに挙げられた例文は、高津みずからが古典作品から選びぬいたもので、「話者の気持とも称すべきものを併せて説明しようと試みた(「はしがき」より)」ものである。
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古代ギリシア語(古代ギリシア語の方言(英語版))
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「ギリシア語」の記事における「古代ギリシア語(古代ギリシア語の方言(英語版))」の解説
古代ギリシア語に含まれる様々な方言は、古代ギリシア文明のアルカイック期 (Archaic Greece) と古典期の言語に分かれる。古代ギリシア語はローマ帝国中に広く知れ渡っていた。
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