アイオリス方言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/30 15:01 UTC 版)

アイオリス方言(英: Aeolic)は、古代ギリシア語の方言。アイオリス人が使った[1]。
「レスボス方言」「テッサリア方言」「ボイオーティア方言」の総称にあたる[2]。レスボス方言がイオーニアー方言に近いのに対し、テッサリア方言やボイオーティア方言はドーリス方言に近い[3]。
ギリシア文学では、サッポーとアルカイオスの抒情詩にアイオリス方言(レスボス方言)が使われている[4]。ホメーロスの叙事詩はイオーニアー方言とアイオリス方言を基調とする[1](ホメーロス言語)。
特徴として、a音の多さが挙げられる[5]。例えばアプロディーテー(アフロディーテー)は「アプロディーター[6]」(アフロディーター、Ἀφρόδιτα)となる。サッポー(サッフォー)は「プサッポー」(プサッフォー[5]、Ψάπφω)または「プサッパ[6]」(プサッファ[5]、Ψάπφα)となる。
脚注
- ^ a b 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年。ISBN 9784876989256。3頁。
- ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『アイオリス方言』 - コトバンク
- ^ 松本克己『歴史言語学の方法 ギリシア語史とその周辺』三省堂、2014年。 ISBN 9784385362786。151頁。
- ^ 逸身喜一郎『ギリシャ・ラテン文学 韻文の系譜をたどる15章』研究社、2018年。 ISBN 9784327510015。221頁。
- ^ a b c 沓掛良彦『サッフォー 詩と生涯』水声社、2006年。ISBN 9784891766047。238;386-389頁。
- ^ a b 高津春繁『ギリシアの詩』岩波書店〈岩波新書〉、1956年。NDLJP:1694145。115-118頁。
関連項目
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