コローナイのダエース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 02:19 UTC 版)
コローナイ出身の人物として文献上唯一知られているのが歴史家コローナイのダエース(Δάης ὁ Κολωναεύς)であるが、彼自身の人物像もはっきりしていない。地元史家だった彼は紀元前5世紀後半以降の人物と考えられており、またコローナイ市民であることからこの都市がアレクサンドリア・トローアスに併合される紀元前310年ごろ以前の人物であると考えられる。それゆえ、彼は紀元前4世紀に活躍した人物であると推定されている。彼の存在は、彼のコローナイ史に関する著作のごく一部をストラボンが「コローナイのダエースによれば、アポローン・キライオスの神殿はギリシアから海を渡ってきたアイオリス人によってコローナイに初めて建設された。」と引用したことで後世に伝えられている。アポローン・キライオス信仰はトローアス南部とレスボス島のもので、ホメーロスの『イーリアス』でも言及されている 。アイオリス人によるコローナイ建設という記述から、紀元前4世紀のコローナイ住民がアイオリス人の子孫であるという自己認識を持っており、ダエースがコローニアのポリスのかなり早い時期の歴史を記録していたことが推測できる。アイオリス人の系統をひいていることは、コローナイで発行された硬貨の銘がギリシア語アイオリス方言(英語版)で書かれていたことからも裏付けられている。
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