ぞっ‐かく〔ゾク‐〕【属格】
属格
属格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:43 UTC 版)
「古代ギリシア語の格変化」の記事における「属格」の解説
属格の基本的な意味は「所有」だが、古代ギリシア語から消滅した奪格(ablative)の機能も併せもっている。 名詞とともに:血縁:Σωκράτης ὁ Σωφρονίσκου、「ソクラテス。ソフロニスコスの息子」。 所有:ἡ οἰκία τοῦ πατρός、「父の家」。 物質・材質:τεῖχος λίθου、「石の壁」。 内容・中身:δέπας οἴνου、「ぶどう酒の盃」。 値段:δοῦλος πέντε μνῶν、「5ムナー(古代ギリシアの通貨)の値段の付いた奴隷」。 著者:Δημοσθένους λόγος、「デモステネスの議論」。 原因:γραφὴ κλοπῆς、「窃盗による告発」。 性質:πολίτου ἀρετή、「市民の美徳」。 名称:᾿Ιλίου πτολίεθρον、「イリオン(トロイ)の町」。 部分:πότερος τῶν ἀδελφῶν;、「兄弟のうちの誰が?」。 主語的表現:ὁ φόβος τῶν πολεμίων、「敵が抱く恐怖心」。 目的語的表現:ὁ φόβος τῶν πολεμίων、「敵に対する恐怖心」。 形容詞とともに:所属・帰属:νεὼς τοῦ ᾿Απόλλωνος ἱερός、「アポロンに捧げられた神殿」。 参加:μέτοχος τοῦ πόνου、「仕事に参加して」。 能力:ἐγκρατὴς ἑαυτοῦ、「自分自身への制御力」。 充足:πλέος εὐφροσύνης、「喜びに満ちて」。 知識・記憶:ἔμπειρος τῶν ὁδῶν、「道をよく知っている(道の識者である)」。 価値・値段:πλείστου ἄξιος、「多大な価値のある」。 副詞とともに:πέραν τοῦ ποταμοῦ、「川の対岸に」。πῶς ἔχεις δόξης;、「君はどんな意見を持っているか?」。 動詞とともに:参加:μετεῖχον τῆς ἑορτῆς、「彼らは祭りに参加していた」。πίνειν τοῦ οἴνου、「ぶどう酒を飲む」。 利益:ἀπολαύειν τοῦ βίου、「生を享受する」。 記憶・配慮:ἐπιλανθάνεσθαι τῶν φίλων、「友人たちのことを忘れる」。κήδεται ἑαυτοῦ、「自分自身に気を付ける」。 接触・開始:λαμβάνειν τῆς χειρός、「手でつかむ」。ἄρχεσθαι τῆς παιδείας、「教育を始める」。 願望・意図:ἐραν τῶν ἀδυνάτων、「不可能なことを要求する」。τυγχάνειν τοῦ σκοποῦ、「目標に達する」。 支配・権力:ἐβασίλευε τῶν Περσῶν、「彼はペルシャ人たちを支配していた」。 豊富:εὐπορεῖν χρημάτων、「多額のお金を所持する」。 判断・告発:ἀσεβείας κρίνειν、「不信心から判断する」。 売買:πρίασθαι 'ταλάντου、「1タラント単位で買う」(タラントは古代ギリシアの重量単位)。 知覚:ἀκούω τῶν λόγων、「私は言葉を聞いている」。 κατά-の複合動詞:καταγελᾶν τίνος、「人をあざ笑う」。 その他の前置詞との複合動詞:ὑπεραλγῶ τῆς πατρίδος、「祖国に苦痛を感じる」。 分離:παύεσθαι μάχης、「戦闘を停止する」。 欠如・欠落:πόλις κενὴ ἀνδρῶν、「人がいない町」。 比較:νεώτερος σοῦ、「君よりも若い」。 原因:θαυμάζω σε τῆς σωφροσύνης、「私は君の節制を称賛する(私は節制により君を称賛する)」。 感嘆:φεῦ τοῦ ἀνδρός、「ああ、男よ!」。 時間:ἑκάστου ἔτους、「毎年」。 空間: θέουσαι πεδίοιο、「平原を走って」。 行為者: πρὸς πάντων ἐπονομαζόμενος、「世界中に呼ばれている」。 絶対的属格: οὐδενὸς κωλύοντος、「誰もそれを妨げることなく」。
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属格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:24 UTC 版)
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属格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:27 UTC 版)
属格は所有者を表す。 所有の属格(possessive genitive): 所有者を表す。 castra hostium or hostium castra 「敵の陣営」 その他の用法は次の通り。 主語の属格(subjective genitive): 属格で主語(動作者)、名詞で動作(動詞)を表す関係を作る。 Caesaris mors 「カエサルの死」(「カエサルが死んだ」では「主語+動詞」の関係になるが、それを「属格+名詞」で表している) 目的語の属格(objective genitive): 属格で目的語(動作の対象)、名詞で動作(動詞)を表す関係を作る。 rēctor deum 「神々の支配者」(「神々を支配する」では「目的語+動詞」の関係になるが、それを「名詞+属格」で表している) 部分の属格(partitive genitive): 属格で表された事物の一部分であることを表す。 pars Galliae 「ガリアの一部」 定義の属格(genitive of definition): 属格で名詞を定義する。 virtūs iūstitiae 「正義という美徳」 描写の属格(descriptive genitive): 事物や人物の性質を描写する。 vir magnī ingeniī 「大きな才能を持つ男性」 価値の属格(genitive of price): 事物の価値・価格を表す。 quantī ēmit? 「彼はそれをいくらで買ったのか?」 以下は、動詞・形容詞とともに用いる属格である。 記憶に関係する動詞(「忘れる」「記憶している」など) Dominus oblītus est meī. 「神は私のことを忘れてしまった」。 potior, vescor, opus estなどの動詞(「所有する」「食べる」「必要だ」) totīus Galliae sēsē potīrī posse sperant 「彼らはガリア全土を獲得できることを望んでいる」。 「満たす」の意味の動詞、「満ちている」の意味の形容詞 hic saccus plēnus est pirōrum. 「このバッグは梨でいっぱいだ」。 「恥じる」「飽きる」の意味の動詞 Taedet mē huius quotīdiānī mundī 「私はこの日常世界に飽き飽きしている」。 「告発する」など、法的な手続きの動詞 patrem accusāvit adulteriī occultī 「彼は父を姦淫の罪で告発した」。
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属格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 06:54 UTC 版)
「アイルランド語の格変化」の記事における「属格」の解説
属格は所有、および物の素材を表す。 hata an fhir "the man's hat" clann na mná "the woman's children" coinnleoirí an easpaig "the bishop's candelabra" fáinne óir "a ring of gold, a golden ring" bróga leathair "shoes of leather, leather shoes" 動名詞の目的語も属格になる。 ag caitheamh airgid "spending money" また、複合前置詞に続く名詞も属格になる。形式的にはこれらの前置詞は前置詞句である。 ar chúl an dorais "behind the door" (lit. "on the back of the door") ar feadh míosa "one month long" (lit. "for the duration of one month") ar son na hÉireann "for Ireland's sake"
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属格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/30 09:49 UTC 版)
属格は所有や所属を表すのに用いられる。通常は語末の短母音を長音化したり、語末の子音に -ii を付加したり、語末の長母音をそのままの形で用いたりして属格形となす。所有者を表す名詞は所有されるものを表す名詞の後に来る。このようにして作られる名詞句のうち特殊な技能を表すものが近年オロモ語の語彙に加えられている。
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属格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/26 14:17 UTC 版)
属格は通常、声調の変化によって示される。いくつかの女性名詞では、語根の最後の子音によって、最後に "-eed" "-aad" "-od" を取る。 ソマリ語日本語áf (ある)言語 carab アラブ人 áf carabeed アラビア語(すなわち、アラブ人の言語)
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属格
出典:『Wiktionary』 (2021/09/21 12:37 UTC 版)
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