よ‐かく【与格】
読み方:よかく
《dative case》ヨーロッパ諸語などの文法で、主に間接目的語を示す格。
与格
与格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:43 UTC 版)
「古代ギリシア語の格変化」の記事における「与格」の解説
与格は間接目的語や、空間・時間の表現に用いられる。古代ギリシア語から消滅した奪格と地格(locative)の機能も併せもっている。 間接目的語:δώσω σοι τὰς πόλεις、「私は君に町を与えるだろう」。 動詞とともに:接近・近接:πλησιάζειν αὐτῷ、「彼に近づく」。 怒り・いらだち・敵対心:πολεμεῖν τοῖς ᾿Αθηναίοις、「アテネ人たちと戦う」。 同伴・追随:ἀκολουθεῖν τῷ βασιλεῖ、「王に追随する」。 助力・手助け:βοηθεῖν τοῖς φίλοις、「友人たちを助ける」。 統合・混合・関係:ὁμιλεῖν μοι、「私と交際する」。 非人称表現:πρέπει μοι οὐκ εἴκειν、「降伏しないのが私には好都合だ」。 形容詞とともに:対等:τὰ αὐτὰ Κύρῳ ὅπλα、「キュロス王と同等の軍勢」。 親切・敵対:ἐναντίος τῇ γνώμῃ、「その意見に反対して」。 関連・共通:πράξεις κοιναὶ πᾶσιν、「全ての人々に共通とされた」。 副詞とともに:ὁμοίως ἐκείνῳ、「あれと同じ」。 前置詞表現:ἐπιβουλεύειν τῷ δήμῳ、「民衆に対して陰謀をたくらむ」。 名詞とともに:ἡ τοῖς φίλοις βοήθεια、「友人たちへの助力」。 利害関係:πᾶς ἀνὴρ αὑτῷ πονεῖ、「全ての人は自分自身のために働く」。 所有表現:πολλοί μοι φίλοι εἰσίν、「私にはたくさんの友人がいる」。 倫理:βέβηκεν ἡμῖν ὁ ξένος、「もしその客が私たちの元へ行ったのならば」。 行為者:πάνθ' ἡμῖν πεποίηται、「全てが私たちの手によって作られている」。 関係性:τέθνηχ' ἡμῖν πάλαι、「私たちにとっては、彼の死後、長い年月が経った」。 道具・手段:ὁρῶμεν τοῖς ὀφθαλμοῖς、「彼らは両目で見ていた」。 原因:τελευτᾶν νόσῳ、「病気で死ぬ」。 動機:ἁμαρτάνομεν ἀγνοίᾳ、「私たちは無知から思い違いをしていた」。 様態:σιγῇ、「静かに」。 視点・観点:ὕστερος τῇ τάξει、「位置取りが最後の者(最後尾の者)」。 程度:πολλῷ ὕστερον、「かなり後になって」。 場所(静止):Μαραθῶνι、「マラトンで」。 場所(方角):πεδίῳ ἔπεσε、「彼は地面に倒れた」。 時間:τῇδε τῇ νυχτί、「今夜」。
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与格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:24 UTC 版)
与格は他動詞の間接目的語、「~へ」「~のために」(英to, for)などを表す。 rēgī nūntiātum est 「それは王に知らされた」 pāruit rēgī 「彼は王に従順だった」「彼は王に従った」 pecūniam rēgī crēdidit 「彼は金銭を王に委ねた」
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与格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:27 UTC 版)
与格は間接目的語を表す。 Pater puerō librum dōnat 「父は子に本を与える」。 その他の用法は次の通り。 与格支配の動詞・形容詞の目的語(verbal regime dative): 与格を要求する「服従する」「似合う」「似ている」などの動詞・形容詞の目的語となる。 Quam similis sōli est, Naevia, noster amor! 「おお、ナエヴィアよ、私たちの愛は何と太陽に似ていることか!」 所有の与格(possessive dative): 名詞の与格で所有・帰属を表す場合がある。 Caesarī multī inimīcī erant. 「カエサルには多くの敵がいた」。 目的の与格(purpose dative): 行為の目的を表す。 Non omnes mīlitēs glōriae pugnant. 「全ての兵士が栄光のために戦うわけではない」。 重複の与格(double dative): 一つの与格形で所有の与格と目的の与格が同時に表される。 Ipsum bellum est mihi cūrae 「この戦争は私にとっては重大な関心事だ」。 起点の与格(origin dative): 起点や視点を表す。 Vir bonus regī vidētur. 「この男は王からは善人に見える」。 行為者の与格: ゲルンディウム(動詞の受動未来分詞、-ndus, -nda, -ndum形)とともに用いて動作の行為者を表す。 Haec nōbīs agenda sunt 「これらのことは私たちがしなければならない」(文字通りには「これらのことは私たちによってなされなければならない」)。 利益の与格(beneficial dative): 動作が誰のために行われるかを表す。 Graecīs terrās colimus 「私たちは土地をギリシャ人たちのために耕作する」。 心性の与格(ethical dative): 行為に関わる人物を強調する。感情的な意味合いが強い。 Quid mihi Celsus agit? 「ケルススは私のために何をしてくれるのか?」(「私」はケルススの行動に対して特別な感情を抱いている)
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与格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 06:54 UTC 版)
「アイルランド語の格変化」の記事における「与格」の解説
gan および go dtí を除くほとんどの前置詞に続く名詞は与格をとる。 標準語においては与格は主格と同型であるが、一部の方言では第二、および第五変化名詞に固有の与格を持つ。標準語においても Éire "Ireland" は固有の与格 Éirinn を持つ。 ag an athair "at the father" as an teach "out of the house" ar an arán "on the bread" in oráiste "in an orange" go hifreann "to hell" leis an airgead "with the money" ó Éirinn "from Ireland"
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与格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/30 09:49 UTC 版)
与格は名詞が受け手である場合(「…に」)または受益者である場合(「…のために」)に用いられる。オロモ語では動詞の不定形が名詞のように振る舞うが、その与格形は目的を表す。与格は以下の形を取る。
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与格
出典:『Wiktionary』 (2021/07/14 13:03 UTC 版)
名詞
関連語
翻訳
- アイスランド語: þógfall (is)
- イタリア語: dativo (it), caso dativo (it)
- 英語: dative (en), dative case (en)
- エスペラント: dativo (eo)
- スペイン語: dativo (es), caso dativo (es)
- ドイツ語: Dativ (de) 男性, Wemfall (de) 男性
- フランス語: datif (fr) 男性, cas datif (fr) 男性
- ポーランド語: celownik (pl) 男性
- ポルトガル語: dativo (pt), caso dativo (pt)
- ラテン語: casus dativus (la)
- ラトヴィア語: datīvs (lv) 男性
- リトアニア語: naudiniñkas (lt) 男性
- ロシア語: дательный падеж (ru)
「与格」の例文・使い方・用例・文例
- 与格.
- 与格という,文法の格
- >> 「与格」を含む用語の索引
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