共鳴音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/11 08:48 UTC 版)
概要
共鳴音は調音と独立した音源を調音により共鳴させて作られる音の総称である。対照的な音は調音が音源を生む阻害音である。
共鳴音はすべて聞こえ(Sonority)の度合いが有声摩擦音よりも高く現れている。IPAの用語ではないが、調音方法の性格が同様のものをまとめて言及するのによく使われる。
一部の共鳴音では生成時に声道の分岐管が現れる(例: 流音[2]、鼻音[3])。この場合、分岐管での共鳴により特有のフォルマントやアンチフォルマントが観察される[4][5]。
分類
様々な言語音が共鳴音に分類される。以下はその一例である:
脚注
注釈
出典
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共鳴音(sonorants)
(Stevens 2005, p. 528) - ^
流音 ... 声門から口唇までの気道に分岐管が存在する(分岐管は舌の端付近か裏側)。
(Stevens 2005, p. 528) - ^
鼻子音 ... 鼻咽腔結合部から口腔閉鎖までの経路が分岐管を形成する。
(Stevens 2005, p. 528) - ^
分岐管があるため ... いくぶん複雑なスペクトルになり
(Stevens 2005, p. 528) - ^
鼻音の音響的特徴=アンチフォルマント
(峯松 2017i, p. 8) - ^ 以下の「母音」項を参照。城生, 佰太郎『音声学基本事典』勉誠出版、2011年7月20日。
- ^
共鳴音の一つのクラスであるわたり音
(Stevens 2005, p. 528) - ^
共鳴音の別のクラスに,流音
(Stevens 2005, p. 528) - ^
共鳴音のクラスで更に一般的なものは鼻子音
(Stevens 2005, p. 528) - ^
共鳴音として分類される他の音に/h/もある。
(Stevens 2005, p. 528)
参考文献
- Stevens, Kenneth N (2005). Translated by 荒井, 隆行. "音響と調音のインタフェース". 日本音響学会誌. 61 (9): 524–531. doi:10.20697/jasj.61.9_524。
- 峯松, 信明 (2017i), “lecture-09”, 音響音声学(1), 東京大学人文社会系研究科
関連項目
共鳴音
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「インド・ヨーロッパ祖語の音韻」の記事における「共鳴音」の解説
PIEの音韻論において共鳴音は、他の場所だけではなく、音節核としても出現できる(つまり成節子音になる)ものを指す。 PIEの共鳴音は流音・鼻音・介音(*r, *l, *m, *n, *y (或いは*i̯), *w (或いは*u̯)で、包括記号Rでまとめられる。 全ての共鳴音に成節子音として出現するときの異音があり、一般に子音の間、子音前の語頭、子音後の語末の間で現れる。これらは *r̥, *l̥,*m̥, *n̥, *i, *u と表記され、*i と *u は音声的に確実に母音であるといっても、音韻論上は成節子音である。
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共鳴音と同じ種類の言葉
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