広母音とは? わかりやすく解説

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広母音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/04 07:12 UTC 版)

母音
前舌 前舌め 中舌 後舌め 後舌
i • y
ɨ • ʉ
ɯ • u
ɪ • ʏ
ɪ̈ • ʊ̈
ɯ̽ • ʊ
e • ø
ɘ • ɵ
ɤ • o
 • ø̞
ə • ɵ̞
ɤ̞ • 
ɛ • œ
ɜ • ɞ
ʌ • ɔ
æ • 
ɐ • ɞ̞
a • ɶ
ä
ɑ • ɒ
広めの狭
半狭
中央
半広
狭めの広
記号が二つ並んでいるものは、左が非円唇、右が円唇
国際音声記号 - 母音

広母音 ひろぼいん: open vowel)は舌と上あごが最も離れて調音される母音である。舌の位置から 低母音 ひくぼいん: low vowel)、また口の開きから開母音(かいぼいん)とも呼ぶ。

現代日本語標準語において広母音は音素 /a/)として認識される。広母音の範囲での差異は全て異音として扱われる(例:「みあげる [æ̞̃]」「あおい [ɑ̝]」)[1]

分類

広母音は様々な観点から分類できる。以下はその一例である:

国際音声字母

国際音声記号における広母音は円唇性舌の前後に基づいて以下のように分類できる:

表. 広母音の分類
舌の前後
前舌 中舌 後舌
円唇性 非円唇 [a] - 非円唇前舌広母音 [ä] - 非円唇中舌広母音 [ɑ] - 非円唇後舌広母音
円唇 [ɶ] - 円唇前舌広母音 [ɶ̈] - 円唇中舌広母音英語版 [ɒ] - 円唇後舌広母音

なお、国際音声記号は中舌広母音に単体の記号を割り振っていない。そのため中舌広母音には中舌化補助記号トレマ [◌̈] を用いて表現するのが一般的である。

狭めの広母音

広母音ほど舌の位置が低くないものを狭めの広母音(せまめのひろぼいん)と呼ぶ。

脚注

出典

  1. ^ 日本語の「みあげる」の「あ」は前後の音の影響により [æ̞̃] のように書ける一方,「あおい」の「あ」は [ɑ̝] と書くことができる(木村 2010, p. 182)

参考文献

関連項目


広母音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 14:19 UTC 版)

フランス語の音韻」の記事における「広母音」の解説

前舌の/a/と後舌の/ɑ/の音素対立標準フランス語では部分的にしか維持されておらず、研究者中にはこれらを別の音素であると見做さない者もある。しかしながら、これらの区別ケベックなど他の諸方言では依然としてはっきりと維持されている。 この領域ではフランス話者の間に大きな差異があるが、それでもいくつかの全体的な傾向観察される。まず、この区別語末強勢のある音節で最も良く保たれている。例え次のような最小対―― tache /taʃ/ → [ˈtaʃ](「汚れ」)とtâche /tɑʃ/ → [ˈtɑːʃ] (「仕事」) rat /ʁa/ → [ˈʁa](「鼠」)とras/ʁɑ/ → [ˈʁɑː](「短く刈った」) 一方の広母音がもう一方よりも好まれるいくつかの環境がある。例えば、/ɑ/は/ʁw/の後と/z/の前で好まれる―― trois [ˈtʁwɑː](「3」) gaz [ɡɑːz](「ガス」) この音色音質)の差異はしばし長さ差異によって補強される(ただし、この差異語末閉音節では対立をなす)。2つ母音正確な分布話者によって大きく異なる。 強勢のない音節では後舌の/ɑ/はかなり稀となるが、それでもいくつかのありふれた単語見出される場合がある――: château [ʃɑːto](「城」) 強勢のある/ɑ/を含む語から派生した形態学上の複合語は、この母音維持する場合そうでない場合もある―― âgé /ɑ.ʒe/ → [ɑːˈʒe](「老いた」。âge /ɑʒ(ə)/ [ˈɑːʒ]から派生) rarissime /ʁa.ʁi.sim(ə)/ → [ʁaʁiˈsim](「極めて稀な」。rare /ʁɑʁ/ [ʁɑːʁ]から派生最終音節であっても拡張され音韻的環境においてその語が強勢失った場合には後舌の/ɑ/は[a]となる場合がある―― J'ai été au bois /ʒe ete o bwɑ/ → [ʒeeteoˈbwɑ](「私は行った」) J'ai été au bois de Vincennes /ʒe ete o bwɑ d‿vɛ̃.sɛn/ → [ʒeeteobwadvɛ̃ˈsɛn](「私はヴァンセンヌの森行った」)

※この「広母音」の解説は、「フランス語の音韻」の解説の一部です。
「広母音」を含む「フランス語の音韻」の記事については、「フランス語の音韻」の概要を参照ください。

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