ひょうじゅん‐ご〔ヘウジユン‐〕【標準語】
標準語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/22 22:51 UTC 版)
標準語(ひょうじゅんご、英: standard language、独: Standardssprache)とは、公共の言説において人々の集団(民族、共同体、国家、組織など)によって用いられる言語変種である[1]。あるいは、言語変種は文法や辞書における記述のために整理され、こういった参考文献において記号化される際に起こる標準化の過程を経ることによって標準となる[1]。典型的には、商業や政治の中心で話されている方言が標準化される言語変種となる。標準語は複数中心地言語(例えばアラビア語、英語、標準ドイツ語、ペルシア語、セルボ・クロアチア語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語圏[2])にも単一中心地言語(例えばアイスランド語、イタリア語[3]、日本語[4]、ロシア語[4])のいずれもが選ばれる事例である[5]。標準書記言語は「シュリフトシュプラーヘ」(Schriftsprache、ドイツ語で文章語の意)と呼ばれることがある。
- ^ a b c Finegan, Edward (2007). Language: Its Structure and Use (5th ed.). Boston, MA, USA: Thomson Wadsworth. p. 14. ISBN 978-1-4130-3055-6
- ^ Kordić, Snježana (2014) (Spanish). Lengua y Nacionalismo [Language and Nationalism]. Madrid: Euphonía Ediciones. pp. 79–151. ISBN 978-84-936668-8-0. OL 16814702W
- ^ Italian language. language-capitals.com
- ^ a b Clyne 1992, p. 3.
- ^ Daneš, František (1988). “Herausbildung und Reform von Standardsprachen [Development and Reform of Standard Languages]”. In Ammon, Ulrich; Dittmar, Norbert; Mattheier, Klaus J. Sociolinguistics: An International Handbook of the Science of Language and Society II. Handbücher zur Sprach- und Kommunikationswissenschaft 3.2. Berlin & New York: Mouton de Gruyter. p. 1507. ISBN 3-11-011645-6. OCLC 639109991
- ^ a b c Vahid, Ranjbar (2008). The standard language of Kurdish. Iran: Naqd-hall
- ^ 金水敏 (2000年5月18日). “役割語の探求” (PDF). 大阪大学. pp. pp. 1,3. 2009年9月29日閲覧。
- ^ 宝力朝魯「明治後期以降における国語教育への上田万年の影響」(PDF)『東北大学大学院教育学研究科研究年報』第53巻第2号、東北大学、2005年3月、pp. 32-33、ISSN 1346-5740、2009年9月29日閲覧。
- ^ 「標準語の設定は各個人がその設定者であるべく、少なくとも責任者であるべし」石黒魯平(昭和25年)『標準語』、「関西弁を基盤とした標準語の存在を認めよ」梅掉忠夫(昭和29年)『第二標準語論』(真田信治(1987年)『標準語の成立事情』PHP研究所より)
- ^ 昭和24年国立国語研究所が福島県白河市を調査した際、東北方言と標準語の中間のような言葉を話す人々がいることが分かり、この言葉なら全国共通に理解しあえるとのことから、国立国語研究所がこれを「全国共通語」略して「共通語」と名付けた梅中伸介 (2005年10月6日). “そもそも日本語の「共通語」ってどうやってできたの?”. R25. リクルート. 2009年9月29日閲覧。真田信治(1987年)『標準語の成立事情』PHP研究所
- ^ 松村文衛「若者言葉を“科学”する」『at home Time』、アットホーム、2002年10月、2009年9月29日閲覧。
- ^ 阪口篤義編 (1990)『日本語講座第六巻 日本語の歴史』(大修館書店)の徳川宗賢「東西のことば争い」
- ^ 金水敏『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(2003年)
- ^ Smith 1996
- ^ Blake 1996
- ^ Baugh and Cable, 2002
- ^ Smith, 1996
- ^ “BBC Englishの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書”. ejje.weblio.jp. 2020年9月7日閲覧。
- ^ 教師の父の友人で名付け親がジョナサン・スウィフト、息子は劇作家リチャード・ブリンズリー・シェリダン(メルヴィン・ブラッグ『英語の冒険』アーティストハウス)
標準語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 21:42 UTC 版)
朝鮮語を公用語と定めている韓国と北朝鮮は、それぞれ別々の標準変種を規定している。韓国における標準変種は「標準語」(표준어)であり、「ソウルの教養ある人々が使用する言語」と規定される。また、北朝鮮における標準変種は「文化語」(문화어)であり、「平壌の労働者階級が使用する言語」と規定される。ただし、北朝鮮の標準語も実際には伝来のソウル方言を基礎としており、元来の南北の方言差に由来する標準語の差異は、皆無ではないもののかなり限定的である。また、中国領内の延辺朝鮮語は、基本的に北朝鮮の標準語を規範としている。 日本統治前は、朝鮮半島南部と北部出身者が会話した場合に地域間の訛音差から話が通じないことがあった。学校教育推進のために一定の指針となる標準語を求めた朝鮮総督府は、普通学校における標準語の規範を永く首都とされてきた京城府(現ソウル特別市)の中流階級が使用する言語とした。これにより南北双方の言語とも20世紀前半のソウル方言が基礎となったが、韓国と北朝鮮がそれぞれ独自の言語政策に基づいて標準語を発展させていった結果、語彙・正書法・辞典における文字配列の順序などで、韓国における「한국어」「한국말」と北朝鮮における「조선말」「조선어」の間に相異が出ている。たとえば韓国と北朝鮮では、独立後に漢字表記の廃止と日本語語彙の置き換えが着手されたが、それぞれが個別に行った結果、韓国における「韓国語」と北朝鮮における「朝鮮語」の相違を拡大することになった。 韓国と北朝鮮の言葉の違いに関しては朝鮮語の南北差を参照。
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標準語
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詳細は「標準中国語」を参照 中国では文章語は古代より統一されていたが、口語は各地方ごとに異なり、同じく漢字の発音も各方言ごとに異なっていた。この状況の解消を目指し、20世紀初頭から中盤にかけて北方語の発音・語彙と近代口語小説の文法を基に「普通話」(pǔtōnghuà)が作られた。日本では「標準語」に当てはまる。人民の意思疎通を容易にするため、中国では中央政府の標準語政策により積極的に普通話の使用が推進され、教育や放送で取り入れられ、標準語・共通語とされている。一般的に、全人口の8割程度が普通話を理解するといわれ、方言話者の若い世代は普通話とのバイリンガルとなっていることが多い。2017年には、中国国民のおよそ80%が普通話を使用することができ、2000年の53%から大幅に増加したことが報じられた。 台湾においても、日本の敗戦後に施政権を握った中華民国政府が「国語」(guóyǔ)(「普通話」とほぼ同一で相互理解は可能だが音声と語彙に差異がある)による義務教育を行っている。 シンガポールやマレーシアなどの東南アジアの地域では、普通話や中華民国国語に似ている標準中国語が一般的に「華語」(huáyǔ)と呼ぶ。
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