標準設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/06 12:06 UTC 版)
設計施工の合理化、能率化ならびに経費の低減を目的として設計目的物を対象に作成し、出版している標準設計に記載されている設計仕様を指す。飛行機や鉄道などの乗物、オシロスコープ、など、さまざまな分野で定められている。 A-trainは、日立製作所で開発した標準設計型通勤電車である。 国土交通省が発行しているものでは、土木構造物の詳細設計段階の図面としての活用はもちろんのこと、概略設計時の資料作成や概算予算の算定のための計画段階で用いられることが目的で、施設別に作成されている。 ほかにも各事業者、企業内部で定める標準設計もある。 団地では吉武泰水らが1951年に「公営住宅標準設計」を示したものが有名である。 昭和30年の日本住宅公団発足当時、団地の標準設計を謳った「団地計画設計標準」が公団本所主導でまとめられた。これは団地設計者に対し守るべき最低限のルールを述べたもので、設計ツールとしての効用はなかったが公団には団地設計に対するマニュアルは存在せず、それまでは建設省による配置計画の技法が唯一のテキストであった。なお、団地設計要領はその後、第7次案が昭和36年に提言されたものの、(案)から正式に設計要領となったのは昭和51年10月のことであった。 不特定多数の需要者に大量に住宅を供給する必要がある場合に、設計を標準化してプロジェクトごとの設計作業を最小化するために採用されたのも標準設計である。一般には、nDKといった略称で理解されている住宅タイプである。 公営住宅や公団住宅に共通する標準設計は1970年に中高層プレハブ住宅統一要項としてまとめられ、SPH (Standard of Public Housing)と呼ばれている。 その後、需要の変化に伴って抜本的な改善がなされ、各団地の個別的条件に応じて、適正な計画と合理的な生産を導き出すための標準化された空間構成手法、すなわち、設計ルールへと発展されていった。 IBM 3340直接アクセス記憶装置で有名なウィンチェスター方式は、ディスク製造業界の標準設計となった。
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