Direct access storage device
(直接アクセス記憶装置 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 06:28 UTC 版)
Direct access storage device(DASD、ダスド、直接アクセス記憶装置)とは、メインフレームやミニコンピュータなどのコンピュータにおける、大容量ながら比較的低速で、直接アクセスの補助記憶装置を指す。
歴史
IBMは歴史的には、以下のような機器をDASDと呼んだ。
しかし、磁気ドラムとデータセルは比較的すぐに使われなくなり、もっぱらディスク装置を指す語となった。現在でもDASDという用語は、IBM系の一部の技術文書などで使用されている[1][2]。
アクセス
「直接アクセス」(direct access)とは、しばしばランダムアクセスと混同され、またRAMへのアクセスの用語として使われることもあるが、本来は磁気テープ装置などの順次アクセス(sequential access)への対義語である(sequential accessへの対義語であることは「ランダムアクセス」という語も全く同様である)。順次アクセスでは記憶メディアの中の目的のデータにアクセスするのに相対的に長い時間を必要とするが、直接アクセスではより短時間である(ランダムアクセスでも、順次アクセスで必要な相対的な長い時間よりも、より短時間である)。
一般にメインフレームでは、CPUがIOを直接扱うことによる不利を避けるため、I/O装置へのアクセスは専用のプロセッサであるチャネル・コントローラを経由して行う構成とするのが基本である。チャネル・コントローラはチャネルプログラムによって、チャネルを制御する。
脚注
参照項目
外部リンク
直接アクセス記憶装置 (DASD)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 09:47 UTC 版)
「System/360」の記事における「直接アクセス記憶装置 (DASD)」の解説
「Direct access storage device」および「IBMのディスク記憶装置」も参照 360用の最初のディスクドライブは IBM 2302:60-65 と IBM 2311 である。2302 は 1302 を改良したものである。 2311はリムーバブルなディスクパック 1316 を使用する装置であり、IBM 1311 の後継である。理論上は7.2MBの容量があるが、実際の容量はレコード設計に依存する:31。例えば、モデル20で1316パックを使う場合、固定長セクタでフォーマットされ、最大容量は5.4MBとなっていた。 1966年、2314 が出荷された。内蔵制御ユニットにより最大で8台のディスクドライブを使用できる。実際は9台のドライブがあるが、1台は予備として予約されている。各ドライブに2316ディスクパックを装着すると、それぞれの容量は23MB弱となる。2311と2314のディスクパックは現代から見れば巨大であり、例えば1316は直径が36cmで、6枚のプラッタがある。プラッタ群の一番上の面と一番下の面にはデータを記録せず、それら以外の中間のプラッタは両面に記録するので、全部で10面あることになる。10個の読み書き用ヘッダは同期して動作する。シークをなるべく短縮するため、プラッタ群を同心円状に貫く仮想的シリンダにデータをなるべくまとめて記録する。一般に可変レコード長であり、現代のハードディスクのように固定長セクタでフォーマットされているわけではない。 初期のSystem/360では、トラック毎にヘッドがある磁気ドラムを高速記憶装置として使っていた。容量4MBで3,500RPMの2301は7320の後継として、System/360発表時にその一部として発表された。303.8kB/sの IBM 2303:74-76 は1966年1月31日に発表されたもので、容量は3.913MBである。磁気ドラムはこれらだけであり、後継としては固定ヘッドディスクがリリースされた。 1970年に登場した6,000RPMの固定ヘッドディスク装置2305は、モジュール毎に5Mb (2305-1) と 11Mb (2305-2) の容量である。容量は小さいものの、データ転送速度と転送レートが高速であり、高性能を求める用途で使われた。例えば、オーバレイリンケージで同じメモリ領域の内容を高速に切り換えるなどの用途で使われた。固定ヘッドディスクや磁気ドラムは、初期の仮想記憶システムでのページング用デバイスとして重宝された。2305は固定ヘッドディスク装置だが、ドラムと呼ばれることも多かった。 あまり見られない記憶装置として IBM 2321 Data Cell(英語版) がある。複雑な機構を内蔵した装置で、多数の磁気テープ片にデータを記録し、指定された磁気テープ片を取り出して読み書きし、元の場所に戻すということを繰り返し、ランダムアクセスが可能である。2311が7.2MBの容量だった時代に400MBという大容量を実現している。コスト/容量/速度の各面で磁気テープとハードディスクのギャップを埋めようとした装置といえる。しかし電気機械式だったため信頼性が低かった。 モデル44は、標準でディスクドライブを1台備えていた。2315ディスクカートリッジを装着し、1,171,200バイトの容量である:11。
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