気息記号
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気息記号(きそくきごう、古代ギリシア語: πνεῦμα、ラテン語: spiritus)とは、古代ギリシア語の表記に用いられるダイアクリティカルマーク。母音、およびρの上に置かれて、その前に/h/音が存在するかどうかを示すのに用いられる。主に語頭の母音に加えられる。気息記号には以下の2つがある。
ギリシアで紀元前5世紀ごろ標準となったイオニア式アルファベットに/h/音を表す文字がなかったために必要になった。/h/音自体は紀元後4世紀以前に消滅したが、その後も使われ続けた[1]。
気息記号を含むギリシア文字のダイアクリティカルマークは最初は区別が必要な場合にのみ書かれたが、ビザンチン時代の800年以降には常に書かれるようになった。現代ではもはや/h/音が消滅して2000年近く経っていたにもかかわらず、1970年代までは時代錯誤的に気息記号が書かれていたが、トノス以外を書かない書き方(ギリシア語: μονοτονικό σύστημα モノトニコ・システィマ)が1976年から普及し、1982年には公式に認められた[2]。
脚注
- ^ Allen (1987) p.53
- ^ Threatte (1996) p.277
参考文献
- W. Sidney Allen (1987) [1968]. Vox Graeca (3rd ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521335558
- Leslie Threatte (1996). “The Greek Alphabet”. In Peter T. Daniels; William Bright. The World's Writing Systems. Oxford University Press. pp. 271-280. ISBN 0195079930
気息記号
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「古代ギリシア語の文法」の記事における「気息記号」の解説
気息記号には有気記号と無気記号の二種類がある。 有気記号( ῾ ; rough breathing):語頭の母音の上に付けて /h/ の子音を表す。υ と ρ (r)が語頭に来るときは必ず付ける。ギリシア語で δασὺ πνεῦμα
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