気息記号とは? わかりやすく解説

気息記号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/30 15:57 UTC 版)

気息記号(きそくきごう、古代ギリシア語: πνεῦμαラテン語: spiritus)とは、古代ギリシア語の表記に用いられるダイアクリティカルマーク。母音、およびρの上に置かれて、その前に/h/音が存在するかどうかを示すのに用いられる。主に語頭の母音に加えられる。気息記号には以下の2つがある。

ギリシア紀元前5世紀ごろ標準となったイオニア式アルファベットに/h/音を表す文字がなかったために必要になった。/h/音自体は紀元後4世紀以前に消滅したが、その後も使われ続けた[1]

気息記号を含むギリシア文字のダイアクリティカルマークは最初は区別が必要な場合にのみ書かれたが、ビザンチン時代の800年以降には常に書かれるようになった。現代ではもはや/h/音が消滅して2000年近く経っていたにもかかわらず、1970年代までは時代錯誤的に気息記号が書かれていたが、トノス以外を書かない書き方(ギリシア語: μονοτονικό σύστημα モノトニコ・システィマ)が1976年から普及し、1982年には公式に認められた[2]

脚注

参考文献

  • W. Sidney Allen (1987) [1968]. Vox Graeca (3rd ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521335558 
  • Leslie Threatte (1996). “The Greek Alphabet”. In Peter T. Daniels; William Bright. The World's Writing Systems. Oxford University Press. pp. 271-280. ISBN 0195079930 

気息記号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 01:47 UTC 版)

古代ギリシア語の文法」の記事における「気息記号」の解説

気息記号には有気記号無気記号の二種類がある。 有気記号( ῾ ; rough breathing):語頭母音の上に付けて /h/ の子音を表す。υ と ρ (r)語頭に来るときは必ず付ける。ギリシア語で δασὺ πνεῦμα , δασεῖα ラテン語で spiritus asperと呼ぶ。 無気記号( ᾿ ; smooth breathing):/h/ の子音が無いことを表す。語頭に来る全ての母音に付くことができる。例:ἐγώ(eg「私」、"I")。ギリシア語で ψῑλὸν πνεῦμα , ψῑλή ラテン語spīritus lēnisと呼ぶ。 語頭二重母音場合は、2番目の母音の上に付ける。例:εὑρίσκω(heurískō、「私は見つける」、"I find")。 無気記号似ている記号コロニス ( ' , coronis)(en)がある。これは、2つ単語で、語末次の単語語頭の間で母音縮合母音融合一種、crasis)(en)が起きるときに、その縮合部(省略部)にコロニス(')を付けるものである。例:κᾱ̓γώ(kāgṓ、καὶ ἐγώ 縮合形、「私も」、"I too")。

※この「気息記号」の解説は、「古代ギリシア語の文法」の解説の一部です。
「気息記号」を含む「古代ギリシア語の文法」の記事については、「古代ギリシア語の文法」の概要を参照ください。

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