ギリシア語活字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 03:08 UTC 版)
「フランチェスコ・グリフォ」の記事における「ギリシア語活字」の解説
グリフォはアルド印刷所で、4種類のギリシア語活字を作成した。アルド印刷所で働き始めて間もないころ、グリフォは1465年にヴェネツィアに来ていたビザンチン学者・書家のイマヌエル・リュソタス(Immanuel Rhusotas)の手書き文字を参考にしてギリシア語の活字を彫った。文字だけでなくアクセント、句読点のために大量の父型を彫り、さらにリュソタスの文字の個性的な合字も再現したという。アルド印刷所が新しいギリシア語活字で印刷した最初の作品はコンスタンティノス・ラスカリス(文献学者)(英語版)のErotemata(英語版)であり、その際にマヌティウスはこの活字の特許を正式に申請している。その後短命に終わった2番目の活字(1496年)を経て、リュソタスの影響から離れて、アルド印刷所でギリシア語文献の編集、出版を監修していたマルコス・ムスロスの文字の要素を取り入れたと思われる3番目の活字を、グリフォは1499年に製作した。この活字は特に大きな影響力を持ち、その後ヨーロッパ中で模倣された。1501年ないし1502年には、マヌティウス自身の筆跡を参考にしつつ、イタリック体に合わせてより小さくデザインされた4番目の活字を製作した。グリフォが製作したギリシア語活字は、複雑なアクセントおよび気息記号や多様な連字、縮約文字などを含み、ギリシア語写本を正確かつ完全に印刷で再現可能にした最初の活字であるとされる。
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