ギリシア語のヘクサメトロス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:00 UTC 版)
「ヘクサメトロス」の記事における「ギリシア語のヘクサメトロス」の解説
厳格なヘクサメトロスでは、韻脚のおのおのは長短短格(ダクテュロス)でなければならない。しかし古代の韻律はほとんどの場所で、長短短格の代わりに長長格(スポンデイオス)を用いることを許していた。具体的には、最初の4韻脚は長短短格でも長長格でも構わない。ただし5つめの韻脚は長短短格で(ホメロスの時代には約95%がそうだった)、最後の韻脚は決まって長長格だが、短でも長でもよい、つまりアンケプスでもよい。「-」を長、「u」を短、「U」を長または短短とすると、次のように表される(「|」は韻脚の区切り)。 - U | - U | - U | - U | - u u | - - ホメロスの『イリアス』の冒頭、「μῆνιν ἄειδε, θεά, Πηληϊάδεω Ἀχιλῆος(歌え、女神よ、ペレウスの子アキレウスの怒りを)」を例にあげると、 μῆνιν ἄ | ειδε, θε | ά, Πη | ληϊά | δεω Ἀχι | λῆος であり、 長短短・長短短・長長・長短短・長短短・長長、になる。なお、ホメロスはヘクサメトロスに合うように語を方言(イオニア方言)に変えていた。後のヘクサメトロスによる詩作はホメロスに基づいている。
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