ダクテュロスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ダクテュロスの意味・解説 

ダクテュロス

(長短短格 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 02:22 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ダクテュロス(指)は1つの長い音節と2つの短い音節から構成される

ダクテュロス古代ギリシア語: δάκτυλος / daktylos)は、古代ギリシア語ラテン語の古典詩の韻脚のひとつ。長い音節の後に2つの短い音節が続き、長短短格とも呼ばれる。近代西洋詩では、音節の長短をアクセントの強弱に置き換えて、強いアクセントの音節の後に2つの弱いアクセントの音節が続く脚構成に用いられるようになった(強弱弱格と呼ばれる)。英語ではダクティル(dactyl、形容詞形はdactylic)と呼ばれる。

ダクテュロスと前後が逆になる韻脚をアナパイストス(短短長格・弱弱強格)という。

この長・短・短のパターンを思い出す有効な記憶術は、人間の指の3つの骨の総体的な長さを思い描くことである。指の付け根の関節からはじめると、最初が長く、続く2つは短いからである。「ダクテュロス」という言葉自体、ギリシア語で「」を意味する。「poetry(詩)」という言葉自体がダクテュロスである、と指摘したのは2006年5月31日のニューヨーク・タイムズのクロスワード・パズルである(Will Shortz編)。

西洋古典詩では、ダクテュロス・ヘクサメトロス(長短短六歩格)は、ホメーロス以来叙事詩に用いられ、「英雄詩形」とも呼ばれた(詳細はヘクサメトロスを参照)。また、エレゲイアでは、ダクテュロス・ヘクサメトロスの後にダクテュロス・ペンタメトロスが続く詩形が取られた。(詳細はエレジー#古典詩のエレジーを参照)

次のダクテュロス韻律の例は、ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローの『エヴァンジェリン』(en:Evangeline)の最初の行で、dactylic hexameter(強弱弱六歩格)でできている。

This is the / forest prim- / eval. The / murmuring / pines and the / hemlocks,

最初の5つはダクテュロスだが、最後だけはトロカイオスになっている。

最近の例では、ビートルズの『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ』がある。

Picture your self in a boat on a river with
tangerine tree-ees and marmalade skii-ii-es.

dactylic tetrameter(強弱弱四歩格)で書かれた歌曲の詞は、ワルツのリズムを持っている。「skies」という語はまるまる3つの拍子を取っている。




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ダクテュロスのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ダクテュロス」の関連用語

ダクテュロスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ダクテュロスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのダクテュロス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS