古典詩のエレジーとは? わかりやすく解説

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古典詩のエレジー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 15:40 UTC 版)

エレジー」の記事における「古典詩のエレジー」の解説

古代ギリシア語エレゲイアエレゴス(ἔλεγος)という歌と関係し古代ギリシア人はこの歌の起源死者対す哀悼歌であると考えていた。しかしながら現存するエレゲイア主題にはさまざまなものがあるにもかかわらず哀悼内容とするものは存在しない哀悼歌としてはトレーノス(θρῆνος)などの別のジャンルがあり、ピンダロスシモーニデース作品知られる古典詩のエレゲイア詩形、つまりエレゲイオン(elegeion, Elegiac couplet)は2つの行から成る連句である。最初の行はダクテュロス・ヘクサメトロス(長短六歩格)で、それにダクテュロス・ペンタメトロスの行が続く。ダクテュロス・ペンタメトロスとは、2つダクテュロス長短短格)-長音節-2つダクテュロス-長音節という韻律である。ダクテュロスヘクサメトロスダクテュロスの中で、場所によってスポンデイオス長長格)に置き換えることもでき(逆に置き換えなければならないこともある)、「-」長音節、「u」を短音節、「U」を長音節か2つ短音とすれば次のうになる。 - U | - U | - U | - U | - u u | - - - U | - U | - || - u u | - u u | - ヘクサメトロス叙事詩使われる韻律で、使用する言語叙事詩共通していた。エレゲイア叙事詩より下の詩形と見なされていたので、エレゲイア詩人叙事詩を書くつもりでエレゲイア書き、それを叙事詩と関係づけた。 エレゲイア詩の初期の例は、アルキロコスシモーニデースで、叙事詩同じくらい古い(アルキロコス紀元前7世紀の人)。しかし、特筆すべきエレゲイア詩人ヘレニズム期カリマコスで、ローマ詩人たち(エレギアelegia詩人かどうか問わず)に多大なる影響与えたカリマコスは、叙事詩より短く簡潔なエレゲイアならより美しく、より評価に値するものが書けるという考え広めたローマ時代代表的なエレギア詩人は、カトゥルスプロペルティウス、ティブッルス、そしてオウィディウスで、世代上のカトゥルスが他の3人を先導した。4人とも(とくにプロペルティウスカリマコス影響強く受け、お互いの詩を詠み合ったカトゥルスオウィディウスエレゲイア以外の詩形で詩を書くこともあったが、プロペルティウスとティブッルスはそれはしなかった。 ローマで叙事詩公的戦争的で固いものと考えられていたのに対しエレギア私的平和的柔らかいものと考えられた。とくにアウグストゥス時代初期には一人称による恋愛の(しばしば官能的な)詩がエレギア形式書かれた。

※この「古典詩のエレジー」の解説は、「エレジー」の解説の一部です。
「古典詩のエレジー」を含む「エレジー」の記事については、「エレジー」の概要を参照ください。

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