句読点
句読点とは、文字言語において文章の区切りや文意の区切りを示すために付けられる符号である。「句点」と「読点」の総称。句点と読点のみを指す場合もあるが、疑問符、感嘆符、いわゆる約物の類を幅広く含む場合もある。
句読点は句点と読点の総称である。句点は「。」の符号であり、文の最後の終わりを示す。読点は「、」の符号を指し、文章の意味上・構造上あるいはリズム的な区切りを示す。句読点の配置いかんによって、同じ文章でも、読みやすさや分かりやすさに雲泥の差が生じる。
日本語の句読点に相当する符号は英語をはじめとする西欧言語でも用いられている。「句点」に相当する英語の符号はピリオド( . )、同じく「読点」に【相当する英語の符号はカンマ( , )である。ピリオドやカンマやその他の約物を総称する「句読点」を、英語では punctuation(パンクチュエーション)という。
中国語では、日本語の句読点に対応する符号を総称して「标点(biāodiǎn)」という。标点の中には日本語の句読点と形や用法が似るものもあるが、だいぶ違った使われ方をするものもある。
句読点の打ち方・使い方について、句点については「句点は文章の最後に打つ」「行頭に句点を置かない」といった基本的な規則があるが、これ以外には絶対的といえるほどの規則はない。「カギ括弧の中の文の最後には句読点を打たない」というルールは、文章技術としてはおおむね標準的なルールといえるが、絶対的にそうと決まっているとまでは言いにくい。
字数の都合で(行末で文が終わって)改行後の行頭に句点または読点が位置してしまうような状況では、あえて行長よりはみ出した位置に句読点を打つことが許される。これを「句読点のぶら下げ」という。
文章技術には「一文一義」という指針がある。これは一文あたり情報を一つだけ記すということである。言わずもがな文は句点によって示される。一文一義の実践には句読点の打ち方に対する意識の充実が欠かせない。
読点は、文を読みやすく分かりやすく整える手段として使える。たとえば、主語や長々しい場合、主語の後に読点を打つことにより、どこからどこまでが主語なのか分かりやすくなる。
句読点は読み手の息継ぎのポイントにもなる。音読した際の息継ぎする箇所を想定して読点を打つと、文章にメリハリが出て読みやすくもなる。
読点は文章の誤読(読み誤り)を防ぐためにも使われる。句読点を打つ位置が違えば、修飾語や修飾節がどの語に係るかという理解が大きく違ってくる。
私は、疲れた表情で駅で電車を待つ女性に話しかけた。
私は疲れた表情で、駅で電車を待つ女性に話しかけた。
あったかい、スープだね
あっ、たかいスープだね
句読点を上手に打つコツとしては、やはり読み手の立場で文章構造を考えるという点に尽きる。句読点は、文章を読みやすく分かりやすくするために打つ補助的な符号である。文章はどうしても書き手の独り善がりになりやすい。時間を置いて遂行すると文章を客観視しやすい。
音読をして読みやすいかどうかを確認するのも、読点の位置が適切かどうか判断するには効果的といえる。音読してリズムが整わない・気持ちの悪い文章は、たいていの場合、文字で読んでも気持ちが悪い。
読点は打ちすぎないように心がける必要がある。「私は、疲れた表情で、駅で、云々」というふうに、むやみやたらと読点を打つと、かえって読みにくく分かりにくくなる。
読点は一文の全体の中で配置を考える必要がある。勢いに任せて文章を記すと、語の係り方が不本意な解釈をされやすい格好になる場合がままある。「私は中国人で、中華料理店のオーナーの人と先日知り合いになった」とか。
句読点
句読点とは
句読点とは、文の最後につける句点と、文の途中につける読点を合わせた語である。句点は「。」「.」などを用いる。読点は「、」「,」を用いる。句点をつけるルールは、文の最後である。文の途中で句点をつけると、そこで文が区切られてしまって文が成立しないことがある。読点は、文の意味が正確に伝わるような場所につける必要がある。
(1)彼は大声で、走り回っている子どもを呼んだ。
(2)彼は、大声で走り回っている子どもを呼んだ。
これらの文は、読点の位置が異なるため意味も異なる例である。(1)は、大声を出したのは彼である。一方(2)は、大声を出したのは子どもである。
文章を声に出して読む時は、句読点の所で少し間を置くことで内容を正確に伝えることができる。
くとう‐てん【句読点】
句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/24 03:04 UTC 版)
句読点(くとうてん、英: punctuation)とは、句点(。や.)と読点(、や,)の様な文中や文末、あるいは文頭において、意味上の区切りや可読性を高めるために、一般に単独、あるいは一組で用いる約物の総称である。最も狭義には、各表記体系におけるピリオド(.、フルストップ)とカンマ(,、コンマ)に相当するもののみを指すが、より広く疑問符(?、インテロゲーション)や感嘆符(!、エクスクラメーション)、省略符を含む場合、さらに広義には括弧やカギ括弧などの文章に使う様々な約物全般を含む場合がある。
- ^ The Chicago Manual of Style (15th ed.). University of Chicago. (2003) (§6.8-6.10)
- ^ “标点符号用法” (pdf). 中華人民共和国教育部. 2015年5月15日閲覧。 (中国語)
- ^ “《重訂標點符號手冊》修訂版 ”. 教育部. 2015年5月15日閲覧。 (中国語)
- ^ 文部省の仮名遣改定案について 芥川龍之介
- ^ 『句読法案・分別書キ方案』文部大臣官房図書課、1906年 。(国立国会図書館)
- ^ 日本産業標準調査会『JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)』2019年、附属書H(規定)文章の書き方並びに用字,用語,記述符号及び数字(H.4.2.1 一般)頁 。2021年11月23日閲覧。"区切り符号には,句点“。”,読点としてのコンマ“,”,中点“・”及びコロン“:”を用いる。"。
- ^ a b “公文書の「,」なぜ? 半世紀以上、見直し検討”. 産経ニュース 2021年3月28日閲覧。
- ^ “公文書の読点「,」から「、」に 半世紀以上前の通知変更へ”. 共同通信 2021年3月28日閲覧。
- ^ “「公用文作成の考え方」の周知について”. 文化庁 2023年2月18日閲覧。
- ^ “公用文作成の考え方(建議)”. 文化審議会 2023年2月18日閲覧。
- ^ “온점? 이젠 ‘마침표’로 불러요!”. 銅雀図書館. 2015年5月15日閲覧。 (朝鮮語)
句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 09:42 UTC 版)
句点「。」、読点「、」。並列点(・)。 語句の関係を明瞭にするために用いるもの。(例)學而時習之、不亦説乎。 詩賦・駢文は、固有の体裁に従って句点のみを施す。
※この「句読点」の解説は、「漢文訓読」の解説の一部です。
「句読点」を含む「漢文訓読」の記事については、「漢文訓読」の概要を参照ください。
句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 08:56 UTC 版)
フランス語では引用符(英語では「" "」)として「« »」(ギユメ guillemets)を用いる。フランス語の句読点の内、コンマ(,)、ピリオド(.)、括弧(( )、[ ])以外の疑問符(?)、感嘆符(!)、コロン(:)、セミコロン(;)の前にはスペースを入れ、引用符の後と前にもやはりスペースを入れる。
※この「句読点」の解説は、「フランス語」の解説の一部です。
「句読点」を含む「フランス語」の記事については、「フランス語」の概要を参照ください。
句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/06 07:23 UTC 版)
伝統的に、単語の後ろにはコロンに似た記号を加える。現代ではこの記号はスペースに置きかえられつつある。コロンに1本の横棒を加えたものはコンマに、2本の横棒を加えたものはセミコロンに、コロンを2つ重ねたものはピリオドに相当する。7つの点で段落の終わりを示す。 単語の区切り コンマ セミコロン ピリオド 段落 ፡ ፣ ፥ ፤ ። ፨
※この「句読点」の解説は、「ゲエズ文字」の解説の一部です。
「句読点」を含む「ゲエズ文字」の記事については、「ゲエズ文字」の概要を参照ください。
句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/24 09:09 UTC 版)
। 句点。平叙文の文末に添える。 ? 疑問符。使用法は欧米の文章と同じで、疑問文の文末に添える。 , 読点。使用法は欧米の文章におけるコンマに同じ。 そのほか、前述のvisargaが省略符号として、欧米文のドット(.)のように利用されることがある。 また、Unicodeには"Ek Onkar" (ੴ) という特殊な記号が用意されている。これには「唯一の神」という意味がある。
※この「句読点」の解説は、「グルムキー文字」の解説の一部です。
「句読点」を含む「グルムキー文字」の記事については、「グルムキー文字」の概要を参照ください。
句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 02:25 UTC 版)
一般には、感嘆文や注意すべき点に関する命令など、読む相手の注意を集める目的で使用され、普段よりも重要な文章、大きな声で発音されることが好ましい文の最後に終止符(ピリオド)に換えて置かれる。このため感嘆符は、終止符の役割を代替して文の終わりも示すことがある。ただし文の途中であっても強調を表したい単語の直後に置かれることもある。 俗に強調の度合いを増して表したい場合は、「!!」、「!!!」と重ねて書くことがある。また「.mw-parser-output .jis2004font{font-family:"源ノ角ゴシック JP Normal","源ノ角ゴシック JP","Source Han Sans Normal","Source Han Sans","NotoSansJP-DemiLight","Noto Sans CJK JP DemiLight","ヒラギノ角ゴ ProN W3","ヒラギノ角ゴ ProN","Hiragino Kaku Gothic ProN","メイリオ",Meiryo,"新ゴ Pr6N R","A-OTF 新ゴ Pr6N R","小塚ゴシック Pr6N M","IPAexゴシック","Takaoゴシック","XANO明朝U32","XANO明朝","和田研中丸ゴシック2004絵文字","和田研中丸ゴシック2004ARIB","和田研中丸ゴシック2004P4","和田研細丸ゴシック2004絵文字","和田研細丸ゴシック2004ARIB","和田研細丸ゴシック2004P4","和田研細丸ゴシックProN",YOzFont04,"IPA Pゴシック","Yu Gothic UI","Meiryo UI","MS Pゴシック";font-feature-settings:"jp04"1}⁉ (!?)」 のように疑問符を右に書いた感嘆符疑問符(Exclamation question mark)や、「⁈ (?!) 」のように感嘆符を右につけた疑問符感嘆符(Question exclamation mark)もある。なお、この用途には、?と!を重ねた ‽という記号もある。
※この「句読点」の解説は、「感嘆符」の解説の一部です。
「句読点」を含む「感嘆符」の記事については、「感嘆符」の概要を参照ください。
句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 06:19 UTC 版)
句読点のピリオドに相当する記号は「=」、カンマに相当する記号は「-.」と表す。
※この「句読点」の解説は、「フレイザー文字」の解説の一部です。
「句読点」を含む「フレイザー文字」の記事については、「フレイザー文字」の概要を参照ください。
句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 18:53 UTC 版)
「グジャラーティー文字」の記事における「句読点」の解説
। 句点。平叙文の文末に添える。 ? 疑問符。使用法は欧米の文章と同じで、疑問文の文末に添える。 , 読点。使用法は欧米の文章におけるコンマに同じ。
※この「句読点」の解説は、「グジャラーティー文字」の解説の一部です。
「句読点」を含む「グジャラーティー文字」の記事については、「グジャラーティー文字」の概要を参照ください。
句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/04/16 06:14 UTC 版)
英語では、丸括弧は「round brackets(curved brackets)」だが、挿入語句と同じ綴りの「parentheses(パーレン)」とも呼ばれる。挿入語句は必ずしも括弧によって囲まれる必要はないが、主に修辞学での丸括弧の使用は、ほとんどの文脈の中で丸括弧に「parentheses」という用語を当てるようにさせた。
※この「句読点」の解説は、「挿入語句」の解説の一部です。
「句読点」を含む「挿入語句」の記事については、「挿入語句」の概要を参照ください。
句読点
「句読点」の例文・使い方・用例・文例
- 文の句読点
- 句読点
- 不注意な校正に起因する句読点エラー
- 句読点を挿入する
- 文字、数字、句読点を含む文字セット
- 彼の返事は単に句読点だった
- 句読点(&)接続(and)を示すのに使用される
- 原文を囲むために使われる2つの句読点({または})のいずれか
- テキスト素材を囲むために使われる2つの句読点([または])のいずれか
- コンピュータプログラミングにおいて使われて、時々、原文の材料を囲むのに用いられる2つの句読点(<または>)のどちらでも
- 連続するもの、例または説明(またはビジネスレターの挨拶文の後で)を紹介する語の後で使われる句読点(:)
- 文の文法的構造内での要素の分離を示すために使われる句読点(、)
- 感嘆の後に使われる句読点(!)
- 単語がテキストの行末で分割されるときに複合語の部分の間または単語の音節の間で使われる句読点(-)
- テキスト形式囲む(あるいは)2つの句読点のどちらか
- 完全な終わりを示すために平叙文の末尾に、または省略の後に置かれる句読点(.)
- 質問を示すために文末に置かれる句読点(?)
- 囲まれたテキストが誰か他の人のものであることを示すために使われる句読点
- 句読点(
- 情報の関連する項目を分離するために使われる句読点(/)
- 句読点のページへのリンク