イタリック体活字とは? わかりやすく解説

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イタリック体活字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 03:08 UTC 版)

フランチェスコ・グリフォ」の記事における「イタリック体活字」の解説

イタリック体#歴史」も参照 アルド印刷所ローマン体活字ギリシア語活字製作してから数年後、グリフォは最初のイタリック体活字を彫った歴史上初めイタリック体金属活字として鋳造したのが、グリフォとアルド印刷所であるとされる。この活字は、「チャンサリー・カーシブ」(イタリア語: cancelleresca corsiva、英語: chancery cursiveまたはchancery hand。チャンサリー・イタリック、チャンサリー・バスタルダとも)をモデルにしている。チャンサリー・カーシブとは、ローマ教皇庁勤め書記官様式化したルネサンス期書法(「チャンサリー」は教皇庁教会とをむすぶ通信機関である「教皇庁尚書院」のこと)である。文字が非常に細く右に傾いているので、ヒューマニスト書体速く書くのに適しており、当時人文主義者らの間でも人気があった。1455年ごろからルネサンス期活躍したパドヴァスクライブのバルトロメオ・サンヴィート(英語版)(1433-1511)がマヌティウスに、チャンサリー・カーシブの手書き文字モデル小型サイズ古典シリーズアイデア提供した可能性が高い。マヌティウス1514年ピエトロ・ベンボ献呈したウェルギリウス序文において、ベルナルド・ベンボの蔵書から着想得て当該小型本を作成した旨が示唆されているが、ベルナルド・ベンボがマヌティウス貸し出し本の中には1485年および1497年サンヴィート書き写したホラティウス著作集キケロの『義務について』が含まれていたと考えられるためである。 グリフォが製作したこのイタリック体では「チャンサリー・カーシブ」の最大特徴である「筆記による傾斜」が小文字にのみ採用され大文字直立したローマン体のままであったアルド印刷所でこのイタリック体本格的に用いられたのは、1501年出版ウェルギリウス作品集』においてである。マヌティウス前述のように、同年出版されウェルギリウス『牧歌』序文においてグリフォの仕事公に認め賞賛したが、一方でそのアイデア自体自分のものだと主張した。そして同年マヌティウスがグリフォの彫ったイタリック体10年間の独占使用権得たことが原因となって、グリフォはアルド印刷所を去ることになったファーノソンチーノの元で、グリフォは2番目のイタリック体活字を製作する。この新しイタリック体1503年ペトラルカの『Opere volgari』の印刷初め使用された。また、1512年にBernardino Stagninoが出版した『Opere del divino poeta Danthe』では、本文用の約12ポイントイタリック体と、注釈用のより小さなイタリック体2種類使用されており、前者はグリフォが1503年製作した2番目のイタリック体同一のものである。Stagninoはこの書体を他の出版物でも使用した一方後者は9ポイントサイズ彫られ、この時点までのグリフォの活字の中では最も小さかった1516年ボローニャで自らの印刷所立ち上げた後にも、グリフォはイタリック体活字を製作している。1516年秋のペトラルカ歌曲集』およびそれに続く非常に小さなサイズ古典作品印刷するために、グリフォはこれまでよりもさらに小さい6ポイント新しいイタリック体活字を彫った

※この「イタリック体活字」の解説は、「フランチェスコ・グリフォ」の解説の一部です。
「イタリック体活字」を含む「フランチェスコ・グリフォ」の記事については、「フランチェスコ・グリフォ」の概要を参照ください。

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