イタリック祖語後の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 03:56 UTC 版)
「イタリック祖語」の記事における「イタリック祖語後の変化」の解説
イタリック諸語の個別の言語への展開のあいだにさらなる変化が発生した。本章ではもっとも注目すべき変化の概観をあつかう。完全な一覧に関しては、ラテン語の歴史(英語版)と個別の言語に関係した記事を参照。 *x が [h] に非口腔音化した。*ɣ が母音の間で同様に [ɦ] になったが、他の場所では残った。この変化はおそらくイタリック祖語の時代に発生した。この結果、[h] と [ɦ] とに拘らず全てのイタリック諸語で h と書かれた。 *θ(e)r, *ð(e)r > *f(e)r, *β(e)r(ウェネティア語以外)。ウェネティア語 louder-obos をラテン語 līber、ファリスク語 loifir-ta, オスク語 lúvfreisと比較。 *β, *ð, *ɣ > ラテン語 b, d, g。オスク・ウンブリア語ではこれらの三つは f(おそらく有声音)に変化。ファリスク語では *β が摩擦音のままであった。 ラテン語において *ɣʷ > gʷ これらはその後以下のように変化した。オスク・ウンブリア語においては > f。 まだ古風には保存されていた(Duenos inscription(英語版)参照)が、古典ラテン語において *dʷ > b。 オスク・ウンブリア語で *kʷ, *gʷ > p, b。これらはラテン・ファリスク語とウェネティア語で保持された。ラテン語は *gʷ > v [w] が *n の後以外で起こった。 古典ラテン語では *z > r が起こったが、古ラテン語とオスク語では起こらなかった。 オスク・ウンブリア語では語末の -ā(女性単数主格、中性複数主格・対格)> [oː] が起こったがラテン語では短い-a になった。 語末の *-ns (多くの屈折類において対格複数), *-nts (分詞の男性単数主格), and *-nt (分詞の中性単数主格・対格)は複雑な発展の道をたどった。 イタリック祖語(PItal)前オスク・ウンブリア語オスク語ウンブリア語前ラテン語ラテン語*-ns*-ns -ss -f *-ns -s *-nts*-nts -ns *-nt*-nts -ns — 古ラテン語の時代のラテン語の母音弱化によって多くの非強勢の短母音が合流した。最も劇的には、すべての短母音が語中の開音節で(通常は /i/ に)合流した。さらに、全ての *ai, *au(及びときどき *oi)をのぞいて全ての二重母音が語頭で純粋な母音に変化した。
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