ローマン体活字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 03:08 UTC 版)
「フランチェスコ・グリフォ」の記事における「ローマン体活字」の解説
グリフォはアルド印刷所で、5種類のローマン体活字を作成した。中でも1496年出版の『De Aetna』で初めて使われた書体は、印刷史・書体史上極めて重要なローマン体であり、いわゆる「オールド・ローマン体」の成立を決定づけるものとなった。これ以前には、フランス人のニコラ・ジャンソンがヴェネツィアでエウセビオス(1470年)の出版に初めて使用した有名なローマン体があった。しかしグリフォのローマン体には、ジャンソンのローマン体には見られなかった抽象化、すなわち個人的な書風の抑制が見られ、これがその後何世紀にも渡るローマン体のモデルとなる。フィリップ・B・メッグス(英語版)は『グラフィックデザインの歴史 A History of Graphic Design』の中で、「グリフォはカロリング朝以前のスクリプトを研究し、ジャンソンのデザインよりも芸術性は低いがより本物に近いローマン体を生み出した」と書いている。ただし、ジャンソンのローマン体がすぐに賞賛され模倣されたのとは異なり、グリフォのローマン体の革新性が十分に評価されるまでには30年以上の歳月がかかった。
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