芸術性
芸術性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 06:45 UTC 版)
居合においては、その芸術性に関する考察がなされることがある。 まず日本刀を扱う武術という点である。古来は神器・魔除けとされ、近世になると「武士の魂」となり、また近年では「世界で最も美しい武器」とも評されるようになった日本刀を、実際に稽古道具として使用する武術は居合のほか存在せず、その心理効果・視覚効果は芸術性に大きく寄与すると考えられている。 次に静から動への著しい転換がある。居合は急な変に応ずる武術であるゆえ、座した状態や歩いている状態などから基本的に素早く抜刀することが求められる。この構えのない日常的な状況から瞬時に攻撃・守備に展開する、静から動への爆発的な転換の様子は、技の切れ味を助長させる効果がある。 それに加えて、残心の作法がある。これは、日本武術では武芸の種類に関わらず一貫して見られる作法であり、技を繰り出した後の余韻のことであるが、居合においては、特に顕著なものとなっている。それは、血振るいから納刀という一連の動作が含まれていることから、残心に対して時間配分が長く取られる傾向にあるためである。この残心の長さが、技終わりの動から静へと復す様子を如実に視覚化させ、前述の静から動への転換と併せて、「静→動→静」という形全体の対比を向上させる構成となっている。
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