ユーピテル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/01 10:25 UTC 版)
ユーピテル | |
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天空神 雷霆神 | |
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ユーピテル・トナンス像 プラド美術館所蔵 |
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シンボル | 雷, 鷲, 樫 |
配偶神 | ユーノー |
親 | サートゥルヌス, オプス |
兄弟 | ネプトゥーヌス, プルートー, ケレース, ユーノー, ウェスタ |
子供 | マールス, ウゥルカーヌス, ベローナ, ユウェンタース |
ギリシア神話 | ゼウス |
ローマ神話 |
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主な原典 |
アエネーイス - 変身物語 |
ディー・コンセンテス (オリュンポス十二神相当) |
ユーピテル - ユーノー ミネルウァ - アポロー ウェヌス - マールス ディアーナ - ケレース ウゥルカーヌス - メルクリウス ネプトゥーヌス - ウェスタ (バックス) |
その他の神々 |
ユースティティア - クピードー ウラヌス - サートゥルヌス アウローラ - プルートー ヤーヌス - フォルトゥーナ |
主な神殿・史跡 |
パンテオン ウェヌスとローマ神殿 ウェスタ神殿 サートゥルヌス神殿 メゾン・カレ |
ユーピテルもしくはユッピテル(ラテン語: Jūpiter, Juppiter, 古典綴 IV́PITER, IVPPITER)は、ローマ神話の主神である[1]。また最高位の女神であるユーノーの夫である[1]。
日本語では長母音を省略してユピテルとも呼ばれ、英語読みのジュピターでも呼ばれている[1]。
概要
ラテン語のユーピテルは、古ラテン語の呼格 Jou と pater(父)の合成語として生じた呼称とされる。比較言語学の研究により、Jou-pater はインド・ヨーロッパ祖語の Dyēus-pətēr の呼格 Dyēu-pəter (ディェーウ=パテル、父なるディェーウス〔天空神〕よ)からの派生と推定される、と主張されている。ラテン名の属格は Jovis(ヨウィス)となり[2]、斜格の語幹 Jov- に基づく英語の別名 Jove は詩語などに使用される。本来は天空の神、転じて気象現象(特に雷)を司る神とされた[1]。
後にギリシア神話のゼウスと同一視される[1]。実際、ともに古いインド・ヨーロッパ語系神話の天空神に起源を有する。『リグ・ヴェーダ』のディヤウスや北欧神話のテュールとも起源を同じくするとされている。
ローマ神話においては主神として扱われ、古代ローマではローマ市の中心にユーピテル神殿が建立されて永くローマの守護神として崇められた[1]。戦争においては、特にユーピテル・フェレトリウスという呼称で一騎討ちを守護する神として崇敬され、一騎討ちで敵の将軍を破ったローマの将軍は、スポリア・オピーマという敵の将軍の鎧を樫の木に縛った勲章をユーピテルに奉献した。ディオクレティアヌスは国への帰属心が薄れつつあることを危惧し、皇帝権力の強化と愛国心の定着を図るため、自らをユーピテルの子であると宣言、皇帝礼拝と合わせ民衆にローマの神々を礼拝することも義務づけた。
死を汚れとみなす考え方があったため、ユーピテルの祭司長は死体を見ることを禁止されていた[3]。
出典
参考文献
- グラント, マイケル、ジョン・ヘイゼル『ギリシア・ローマ神話事典』大修館書店、1988年。ISBN 978-4469012217。
- グリーン, ミランダ・J 著、井村君江 大出健 訳『図説 ドルイド』東京書籍、2000年。 ISBN 4-487-79412-9。
- 田中秀央『羅和辞典』研究社。
関連項目
ユーピテル(Jūpiter)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 07:15 UTC 版)
「アエネーイス」の記事における「ユーピテル(Jūpiter)」の解説
神々の王。ウェヌスにアエネーアースが苦難を乗り越えローマの礎を築く運命にあることを伝える。
※この「ユーピテル(Jūpiter)」の解説は、「アエネーイス」の解説の一部です。
「ユーピテル(Jūpiter)」を含む「アエネーイス」の記事については、「アエネーイス」の概要を参照ください。
ユーピテル
出典:『Wiktionary』 (2021/05/09 14:05 UTC 版)
語源
固有名詞
翻訳
- アイスランド語: Júpíter (is) 男性
- アイルランド語: Iúpatar (ga) 男性
- アストゥリアス語: Xúpiter (ast) 男性
- アラビア語: يُوبِيتَر (ar) (yubītar) 男性
- アルメニア語: Յուպիտեր (hy)
- イタリア語: Giove (it) 男性
- イディッシュ語: יופּיטער (yi) 男性
- インドネシア語: Yupiter (id)
- ウェールズ語: Iau (cy) 男性
- ウルドゥー語: مشتری (ur) (muštarī) 男性, برہسپت (ur) (brihaspati) 男性
- ウンブリア語: Δὶς πατήρ (xum)
- 英語: Jupiter (en)
- エストニア語: Jupiter (et)
- オック語: Jupitèr (oc) 男性
- オランダ語: Jupiter (nl)
- カタルーニャ語: Júpiter (ca) 男性
- ガリシア語: Xúpiter (gl) 男性
- ギリシア語: Ζευς (el) 男性, Δίας (el) 男性
- クメール語: ព្រហស្បតិ៍ (km)
- グルジア語: იუპიტერი (ka)
- コーンウォール語: Jubyter (kw) 男性, Yow (kw) 男性
- スウェーデン語: Jupiter (sv) 通性
- ズールー語: uJupitheri (zu)
- スコットランド・ゲール語: Iupatar (gd) 男性
- スペイン語: Júpiter (es) 男性
- スロヴァキア語: Jupiter (sk) 男性
- スロヴェニア語: Júpiter (sl) 男性
- スワヒリ語: Jupita (sw)
- セルビア・クロアチア語:
- チェコ語: Jupiter (cs) 男性
- チェロキー語: ᏧᏈᏓ (chr)
- 中国語: 朱庇特 (cmn) (Zhūbìté)
- 朝鮮語: 주피터 (ko)
- デンマーク語: Jupiter (da)
- ドイツ語: Jupiter (de) 男性
- トルコ語: Jüpiter (tr)
- バスク語: Jupiter (eu)
- ハンガリー語: Jupiter (hu)
- ヒンディー語: बृहस्पति (hi) 男性
- フィンランド語: Juppiter (fi)
- フェロー語: Jupiter (fo) 男性
- フランス語: Jupiter (fr) 男性
- ベトナム語: thần Giu-bi-tê (vi)
- ペルシア語: ژوپیتر (fa) (župiter)
- ポーランド語: Jowisz (pl), Jupiter (pl)
- ポルトガル語: Júpiter (pt) 男性
- マオリ語: Hūpita (mi)
- マケドニア語: Јупитер (mk) 男性
- マラーティー語: जुपिटर (mr) 男性
- マルタ語: Ġovè (mt)
- ラテン語: Iuppiter (la) 男性
- ラトヴィア語: Jupiters (lv) 男性
- リトアニア語: Jupiteris (lt) 男性
- ルーマニア語: Jupiter (ro) 男性
- ロシア語: Юпи́тер (ru) 男性
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