ファウヌスとは? わかりやすく解説

ファウヌス【Faunus】

読み方:ふぁうぬす

ローマ神話の神。予言の力を持ち家畜農作物保護する。のちにはギリシャ神話牧神パン同一視された。


ファウヌス 【Faunus】

古代ローマ牧人家畜の神。牧神。名は〈恩恵を施す者〉の意。ギリシア牧神パン同一視される。像は山羊の角と脚を有する

ファウヌス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/06 19:48 UTC 版)

ファウヌスの銅像

ファウヌス (Faunus) は、古代ローマの田園神にして森林の[1]。農民や牧人の保護神として、また予言の力を持つ神として崇拝された[1]

その名は「favēre(恵みを与える)」と同語源と考えられる[2]。また、森の中で不思議な音のするのはこの神の仕業であるともいう[2]

ギリシア神話パーンサテュロスと同一視され、上半身は人で下半身は山羊で、角と蹄を持つ姿で表された[1]からを守る神・ルペルクスとも同一視される[1]。また、インクボー(インクブス)とも同一視され、埋もれた宝の神ともされた[3]

ファウヌスの女性形がファウナ (Fauna) である[1]。女神ボナ・デア(Bona Dea, 善き女神)は本来ファウヌスの娘のファウナだったともいわれた[1]

ファウヌスはユーピテルキルケーまたは自然神ピークスカネーンスの子とされ、ピークスの跡を継いでラティウムの王となったとされる[1]

ローマエトルーリアの戦争の際にはローマ人たちへローマ側が有利である事を伝え、勝利に導いたとされる[4]

ファウヌスはローマの古くからある祭式ルペルカーリア (Lupercalia) と結びついている[1]。この行事は2月15日に行われ、腰にヤギの皮で腰を覆っただけの裸体のルペルクス神官団(Luperci, ルペルキー)の2人の若者が、パラーティーヌス丘を巡る浄めのコースを駆け回り、走りながらヤギの皮の鞭で女性を鞭打つというものだった[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、1013,1173,1358頁。ISBN 9784876989256 
  2. ^ a b ファウヌスとは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年5月27日閲覧。
  3. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店、1960年、214頁。 ISBN 9784000800136 
  4. ^ マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル『ギリシア・ローマ神話事典』大修館書店、1988年、433頁。 

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