ローマのサテュロス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 09:48 UTC 版)
ローマではサテュロスは森の精ファウヌスにまつわる広く知られた詩的な想像と混淆した。また、粗野な精であるパーンとも関連づけられ、パーンの眷属(Panes)と見なされた。ギリシアでは優美なサテュロスが描かれるようになったが、ローマでは再び臀部から蹄までが山羊に似た姿にイメージされた。ローマのサテュロスはしばしば大きな角をもって描かれる。小羊の角の場合もある。キリスト教は、一部の異教的な自然の精霊を悪魔として仕立て上げた。サテュロスも悪魔に関連づけられた。確かに彼等はユダヤの山羊男である魔物アザゼルに似てはいて、その魔物は生贄の山羊(スケープゴート)を要求した(→サタン)。 ローマの諷刺(satire)は文学形式の一つで、詩のような随筆であり、辛辣で破壊的な公的ないし私的な批評活動である。ローマの諷刺は時として無思慮にギリシアのサテュロス劇と関連づけられるが、関連性といっても諷刺とそれとの関連はどちらも破壊的であり、都市化や文明に対して反抗的であったことに尽きる。 なお、サテュロスはパーンやファウヌスと混淆して芸術の題材になった。パーン (ギリシア神話)#関連項目参照。
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