シルウァヌス
シルウァーヌス
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/06 20:57 UTC 版)
シルウァーヌス(ラテン語: Silvanus)は、イタリア(古代ローマ)の森の神[1]。その名は「森の」の意[1][2]。本来、開墾されていない荒地や森林の精だったが、後に牧場や畜群の保護者と考えられ、パーンやファウヌス、また、農業の神としてマールスと同一視された[1]。日本語では長母音を省略してシルウァヌスとも表記する[2]。
全ての森にその主であるシルウァーヌスが住むと考えられ、供物として葡萄、麦の穂、豚、乳などが捧げられた[1]。半月鎌を持った気のよい老人の姿で表され、民衆の間で広く崇敬された[1]。
タルクィニウス・スペルブスがローマから追放された後にエトルーリア軍を率いてローマと戦った時、近くの森からシルウァーヌスが声を発してローマ軍の勝利を伝えたといわれる[1]。
大カトーの『農業論』の中では、家畜の安全を護ってくれるようマールス・シルウァーヌス (Mars Silvanus) に供物を捧げることが記されている。
脚注
- ^ a b c d e f 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、647,648頁。ISBN 9784876989256。
- ^ a b マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル『ギリシア・ローマ神話事典』大修館書店、1988年、270頁。
関連項目
外部リンク
- 大カトー『農業論』: Mars Silvanusへの献納(英語とラテン語のe-text)
- シルウァヌスのページへのリンク