ヘーリオス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/20 06:17 UTC 版)
| ヘーリオス Ἥλιος |
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| 太陽神 | |
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太陽の戦車を御するヘーリオス
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| 位置づけ | ティーターン |
| 住処 | 天空 |
| シンボル | 太陽の戦車, 雄鶏 |
| 親 | ヒュペリーオーン, テイアー |
| 兄弟 | エーオース, セレーネー |
| 子供 | クリュメネーとの間:パエトーン, ヘーリアデス セレーネーとの間:ホーラーたち ペルセーイスとの間:アイエーテース, キルケー, パーシパエー, ペルセース ネアイラとの間:パエトゥーサ, ラムペティエー |
| ローマ神話 | ソール |
ヘーリオス(古希: Ἥλιος、古代ギリシア語ラテン翻字: Hḗlios)は、ギリシア神話の太陽神である。その名はギリシア語で「太陽」を意味する一般名詞と同一である。象徴となる聖鳥は雄鶏であり、白馬や白い羊、イノシシ、牛、蜂蜜が供物として捧げられた[1]。
太陽は天空を翔けるヘーリオス神の4頭立て馬車であると古代ギリシア人は信じていた。
紀元前4世紀頃から、ヘーリオスはアポローンと同一視(習合)されるようになった。これはアポローンに光明神としての性質があったためと考えられる。同様にヘーリオスの姉妹で月の女神であるセレーネーは、アポローンの双子の姉であるアルテミスと同一視されるようになった。
概説
ヘーシオドスの『神統記』やアポロドーロスによれば、ヒュペリーオーンとテイアーの息子である[2][3]。曙の女神エーオースや月の女神セレーネーは姉妹。また魔女のキルケーやヘーリアデス(太陽神の5人の娘たち)、パエトーンの父親でもある。
アポローンが乗る太陽の車を青空の牧場に駆る御者とも考えられた。
オリュムポスからみて、東の地の果てに宮殿を持つ。盲目になったオーリーオーンの目を治療した。また、常に空にあって地上のすべてを見ているため[4]、アプロディーテーのアレースとの浮気をヘーパイストスに密告したのも[5]、ハーデースがペルセポネーを誘拐した際にゼウスが加担したことをデーメーテールに教えたのも[6]ヘーリオスである。
レウコトエーとクリュティエー
ヘーリオスはアプロディーテー女神とアレース神の不義をいち早く見つけ、女神の夫ヘーパイストスに言いつけた。恥をかかされ、復讐心に動かされたアプロディーテーは[7]、ペルシア王オルカモスの娘である美女レウコトエーにヘーリオスの目を釘付けにさせ、破滅的な熱愛関係にいざなう。ヘーリオスの寵愛を受けていた水のニュンペー・クリュティエーはこれに嫉妬心を募らせ、厳格なオルカモスに娘レウコトエーが男と密通している旨を告げ、その手でふしだらな彼女を裁かせる。淫乱の罪により生き埋めにされたレウコトエーを救えなかったヘーリオスは、神酒ネクタルを彼女の体に降り注ぎ、彼女の姿を乳香の木に変えて天界へと連れてゆく。一方、クリュティエーはヘーリオスからもはや振り向いてはもらえず、太陽を見ながら悲しみ泣き暮らすうちに死んでしまう。そして彼女は一輪の花になり、いつも愛しい人の方を向いているのである[8]。
クリュティエーの変じた花はヘーリオトロピオン(「太陽の方を向くもの」の意)と言われている[1]。
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- ヘーシオドス『神統記』廣川洋一訳、岩波文庫(1984年)
- オウィディウス『変身物語(上・下)』中村善也訳、岩波文庫(1981年・1984年)
関連項目
「ヘーリオス」の例文・使い方・用例・文例
固有名詞の分類
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