テューポーン
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テューポーン(古代ギリシア語:Τυφών〈ラテン翻字:Tȳphōn, ラテン語:Typhon〉※以下同様)、テューポース(Τυφώς〈Tȳphōs, Typhos〉)、あるいはテュポーエウス(Τυφωεύς〈Typhōeus, Typhoeus〉)は、ギリシア神話に登場する、神とも怪物ともいわれる巨人。同神話体系における最大最強の怪物で、神々の王ゼウスに比肩するほどの実力をもち、そのゼウスを破った唯一の存在でもある。
注釈
- ^ コーリュキオン洞窟(古希: Κωρύκιον ἄντρον〈Kōrykion antron;コーリュキオン・アントロン〉、en:Corycian Cave)
出典
- ^ ヘーシオドス、820行-822行。
- ^ a b c d e f アポロドーロス・高津 (1953), 第1巻 6・3.
- ^ 『イーリアス』2巻への古註(沓掛訳注『ホメーロスの諸神讃歌』p. 186)。
- ^ ステーシコロス断片(『大語源書』による引用。沓掛訳注『ホメーロスの諸神讃歌』 p, 186)
- ^ 『ホメーロス風讃歌』「アポローン讃歌」306行-352行。
- ^ 『ホメーロス風讃歌』「アポローン讃歌」304行-305行。
- ^ 『ホメーロス風讃歌』「アポローン讃歌」353行-355行。
- ^ ヘーシオドス、823行-834行。
- ^ ヘーシオドス、825行。
- ^ ヘーシオドス、827行-828行。
- ^ ヘーシオドス、829行-835行。
- ^ アポロドーロス・高津 (1953), 第2巻 5・1.
- ^ a b アポロドーロス・高津 (1953), 第2巻 5・11.
- ^ アポロドーロス・高津 (1953), 第3巻 5・8.
- ^ アポロドーロス・高津 (1953), 摘要 (E) 1・2.
- ^ ヒュギーヌス・松田ら (2005), 第151話.
- ^ ヘーシオドス、869行。
- ^ ヘーシオドス、840行-868行。
- ^ a b アントーニーヌス・安村 (2006), 第28話.
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- ^ ドゥヴルー・加藤 (1994), pp. 131–132.
- ^ ヴィカンデル・前田 (1997), 「ウラノスの後裔たちの歴史」.
- ^ グレーヴス・高杉 (1962), 36・4.
- 1 テューポーンとは
- 2 テューポーンの概要
- 3 語源学
- 4 解釈
- 5 系図
- 6 脚注
テューポーン
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詳細は「テューポーン」を参照 ギリシア神話に登場する太古の巨人神テューポーンは、この神話体系における最大最強の怪物である。直接の語源は「旋風」を意味する "τύφων (typhon)" であるが、語源学的・比較言語学的に遡れば逆成のインド・ヨーロッパ祖語で「埃(ほこり)…」「靄(もや)…」「煙…」などを意する接頭辞 "dʰewh₂-" に行き着く。間接的ではあっても英語 "typhoon(タイフーン)" の語源の一つとされてもいる。 不死の怪女エキドナを妻とし、ケルベロスを始めとする数多くの怪物の父親になったが、荒々しい風の数々も生み出したという。天の星々に頭が擦れるほど巨大で、肩から百の蛇の頭が生えており、眼は火のように輝き、天も海も煮え滾るほどの火炎を吐く怪物テューポーンは、有翼の姿で描かれることもある。このように形容されるとおり、テューポーンは暴風ばかりでなく不死なる蛇や火を噴く山を神格として取り込んでいる。 オリュンポスの最高神ゼウスに対する地母神ガイアの怒りから生まれた怪物テューポーンは、オリュンポスの神々に戦いを挑み、迎え撃つゼウスと一対一の死闘を繰り広げる。地下深くの冥府やタルタロスまで揺るがす闘いの激しさに神々も恐れおののいたという。最終的にテューポーンは敗れたが、ヘーシオドスによれば、ゼウスの雷霆の一撃で仕留められた。一方でアポロドーロスは、一旦はゼウスの体を破壊して完全な勝利を収めながら女神たちの企てにはまって無力化されたところを神々に救出されて回復したゼウスに討たれたといい、最期の地となったエトナ火山が頻繁に噴火を繰り返すのはここから逃れようとしてテューポーンが今ももがいているからであるとする。
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