パウサニアス_(地理学者)とは? わかりやすく解説

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パウサニアス (地理学者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/05 02:33 UTC 版)

パウサニアスギリシャ語: Παυσανίας, ラテン文字転写: Pausanias, パウサニアース、115年頃 - 180年頃)は、2世紀ギリシアの旅行家で地理学者。『ギリシア案内記』の著者として知られる。この著作は当時のギリシアの地誌や歴史、神話伝承、モニュメントなどについて知る手がかりとされている。

生涯

パウサニアスの生没年や出身地については、『ギリシア案内記』における記述からおおまかに推測されるのみで、はっきりしたことはわかっていない。しかし、小アジアリディア地方について詳細に述べている部分があることから、この地方の出身であるとする説が有力である[1]。当時のリディア地方はローマ帝国アシア属州に属していた。

パウサニアスはその生涯でギリシア以外にもマケドニアパレスチナエジプトイタリアなどを訪れている。

『ギリシア案内記』

ギリシア案内記』(Ἑλλάδος Περιήγησις)はパウサニアスがギリシア各地で直接見聞してまとめた旅行記で、全10巻からなる。『ギリシア記』『ギリシア誌』『ヘラスのペリエゲーシス』などとも呼ばれる。成立年代は160年から176年頃と推定されている[2]

オリュンピアデルポイの神域に関する記述では、古代オリンピックピューティア大祭などの競技会の施設や優勝者を記念する彫像などについて、逸話も交えて描写している。

同時代からの評価はきわめて限られたものであったと考えられている[3]。 これに対し、近代以降は考古学美術史の分野で注目されるようになった。特にハインリヒ・シュリーマンは、ホメロスとパウサニアスの記述を参照しながらミケーネの発掘に臨んだことで知られる。古典学者にして『金枝篇』の著者でもあるジェームズ・フレイザーは、文化人類学的関心のもと訳注を刊行している[4]

各巻題名と内容

  1. アッティカアテナイメガラ
  2. コリンティアカ(コリントスアルゴスアイギナ
  3. ラコニカ(スパルタ
  4. メッセニアカ(メッセニア地方)
  5. エリアカ(オリュンピアエリス地方1)
  6. エリアカ(エリス地方2)
  7. アカイカ(アカイア地方)
  8. アルカディアカ(アルカディア地方)
  9. ボイオティカ(ボイオティア地方)
  10. ポキカ(ポキス地方とロクリス地方、デルポイ

日本語訳

脚注

  1. ^ 飯尾都人『ギリシア記』附巻解説、龍溪書舎、1991年、pp.3-4.
  2. ^ 『ギリシア記』附巻解説、p.2.
  3. ^ 『ギリシア記』附巻解説、p.14.
  4. ^ ロバート・アッカーマン著、小松和彦監修、玉井暲監訳『評伝J・G・フレイザー その生涯と業績』法蔵館、2009年。ISBN 9784831872166 113f頁。

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