キュクロープスとは? わかりやすく解説

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キュクロープス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/25 06:50 UTC 版)

エラスムス・フランキスキ(Erasmus Francisci)の著書に見られるキュクロープスの挿絵

キュクロープス古希: Κύκλωψ古代ギリシア語ラテン翻字: Kúklōps)は、ギリシア神話に登場する卓越した鍛冶技術を持つ単眼の巨人であり、下級の一族である。あるいは、これを下敷き及びベースとして後世に誕生した伝説の生物をも指す。

長母音を省略してキュクロプスとも表記される。英語読みのサイクロプス (Cyclopsでも知られる。

呼称

古代ギリシア語の「Κύκλωψ」の原義は「κύκλοςkýklos、 円、丸)」と「ὤψṓps)」から求められる「丸い眼」にあり、額の中央に丸い眼が1つだけ付いていることに由来する。

ラテン語Cyclops(キュクロープス)。英語名は Cyclopsサイクロプス)であり、この英語名の発音も仮名転写され、日本語では一般的となっている。フランス語では cyclope (スィクロプ)、ドイツ語では Kyklop (キュクロープ)。中国語では「独眼巨人」、もしくは、音訳で「基克洛普斯」と記す。

なお、その名に因んだ事象、および、ここから派生した二次創作物については「サイクロプス」を参照

神としてのキュクロープス

天空神ウーラノスと大地母神ガイアの息子たちで、アルゲース(落雷[1])、ステロペース(電光[1])、ブロンテース(雷鳴[1])の3兄弟から構成される。これらの名前が示す通りキュクロープスたちは嵐の精であったと考えられる[1]

彼らは父神に嫌われ、兄弟族のヘカトンケイル族とともに奈落タルタロスへ落とされた。兄弟族のティーターン神の1人クロノスが政権を握ったあとに一時解放されたが、その後再びタルタロスに拘禁された[2]。しかし、ティーターノマキアーの時、ゼウスらによって解放される。キュクロープス達はその礼として、ゼウスには雷霆を、ポセイドーンには三叉の銛を、ハーデースには隠れを造った。

以後はヘーパイストスのもとで鍛冶業を続けたといわれる。その一方で、息子アスクレーピオスをゼウスの稲妻で失ったアポローンの八つ当たりを食らい、虐殺されたという悲劇的な異伝もある。

怪物としてのキュクロープス

『オデュッセイア』に登場する単眼巨人ポリュペーモス。

ホメーロス叙事詩オデュッセイア』の第9歌に登場するキュクロープス族は、上述の高次元的存在としてのキュクロープスとは大きく異なり、旅人を食らうただ粗暴なだけの怪物である。ポセイドーン神を父に持つポリュペーモスも含めて、そうであった。

キュクロープスの巨石建造物

イオーニア人アカイア人ドーリア人という第3派ギリシア人より前の時代のペロポネーソス半島ではミュケーナイ(ミケーネ)、ティーリュンスアルゴスなどに代表されるミュケーナイ文明が栄えたが、それらは巨石によって城砦その他を築き上げるものであった。

遅れてこの地に入り定着した第3派ギリシア人は、先人が残した大掛かりな巨石建造物の数々を見るにつけ、これらを巨人キュクロープスの手になるものと考え、「キュクロープスの石造物英語版」と呼び倣わすようになったらしい。

芸術作品の中のキュクロープス

単眼の意味

英国はロンドン自然史博物館の地質博物館内、地球ギャラリーに展示されているキュクロープスの模型。

天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)と天津麻羅(アマツマラ)はともに日本神話に登場する製鉄と鍛冶の神であり、キュクロープスと同じく、1つ眼である。同様に、たたら製鉄に関連して神に近い巨人であるダイダラボッチ隻眼とされる場合がある。また、妖怪一本だたらは先の天目一箇神が凋落した姿とも考えられている。これら、製鉄(全世界的にはさらに古きを含めて「製錬」と言うべき)と隻眼(単眼)の関連性については「隻眼#神話・伝説の中の隻眼」を参照。

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d フェリックス・ギラン『ギリシア神話』23頁。
  2. ^ 呉茂一『ギリシア神話』新潮社、1994年、35,36頁。

参考文献

関連項目

外部リンク


キュクロープス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 10:59 UTC 版)

機動戦士クロスボーン・ガンダム」の記事における「キュクロープス」の解説

アーノルド・ジルベスター 連邦軍新興勢力「キュクロープス」のメンバー合理主義者自称しているが、「効率良い」という判断自身利益のために他者利用し切り捨てる作戦遂行する。だが本人組織内出世し新しい世界」を作る権力手に入れ過程として必要なもの考えている。フォントとは目的一致する点での協力関係にあるが、フォントにとって自身三極ひとつとして連邦纏める人物の候補”でしかないことに不満と屈辱感じている。フォントからは犠牲覚悟してでも事を成そうとする実行力評価されている。しかし、のちに本人独白した様子から目標大きく過ぎた際に雪だるま式に高まるリスク恐れているという一面もあったことも明かされている。 「讃美歌の国」が暴れ始めてからは初戦上役多く戦死したが、そのお陰でキュクロープスのトップに近い位置にまで昇進現在の地球圏ではキュクロープスだけが組織的な対応が可能ということで、急速に人気高まっている。 その人気や人望活かしフォン・ブラウンにて対首切り王の演説行い讃美の民の殲滅掲げるものの、その実首切り王こと兄のエバンス協力してコロニー人口減らし企んでおり、彼の真意知ったフォントからの忠告意に介さず宇宙世紀正しい姿に戻す(調整する)ことを目指すサイド1を巡る首切り王との決戦ではコロニー・レーザー使った兄の戦術見抜けず、茫然自失状態に陥るが、フォントから叱咤激励されて戦闘中には正気取り戻し味方残存部隊の指揮執り首切り王が撤退した後は無意味な掃討戦禁じ威厳見せつけ、戦闘中離脱したネオ・1バンチを追う指示出したその後は「DUST計画阻止のため表向きにはフォントの案を受け入れるが、裏ではプランDと称してコロニー破壊用の核爆弾持ち出す。しかし、本懐遂げ前にフォント説得されコロニー降下作業に手を貸すこととなった計画成功後例え何年掛かってあるべき正し連邦の姿を取り戻すと決意述べフォントに対して解雇言い渡し、君は参謀など向いていないと忠告した。 ノエル・レイス隊 ファントム量産機である「黒い幽霊」のパイロットとして選抜されエースたち。作中時代としては正しく優秀な人材で、フォント指示信じてDUST計画」の最終段階には協力したネオ・1バンチ側のフライング・レイス隊の1機がマシントラブルを起こした際には率先して救助し降下成功後には民衆からも賞賛されていた。

※この「キュクロープス」の解説は、「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の解説の一部です。
「キュクロープス」を含む「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の記事については、「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の概要を参照ください。

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