残存部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/10 04:14 UTC 版)
ヒジャーズ鉄道では、かつての線路のうち二区画が、レールは繋がっているが運行主体がばらばらの状態で運行されている。 ヨルダンのアンマンからシリアのダマスカスに向かう、「ヒジャーズ・ヨルダン鉄道」 ヨルダンのアンマンから南部への鉄道、特にマアーン近郊のリン酸塩の鉱山からアカバ湾に向かって走る、「アカバ鉄道」 各鉄道では、建設当初に製造されたドイツ製蒸気機関車を保存・改修している。このうちシリアには9両の、ヨルダンには7両の蒸気機関車があり、それぞれダマスカス-アンマン間やアンマン-アカバへの団体観光客などのために利用されている。ヨルダンのアブドゥッラー2世就任以来、ヨルダンとシリアの関係は改善し、両国を結ぶ鉄道に対する興味がよみがえりつつある。ダマスカス側の始発駅はもはやヒジャーズ駅ではないが、郊外のカダム駅から列車は出発している。2004年、ヒジャーズ駅駅舎は再開発のために閉鎖されたが、再開発計画は中断されたままになっている。 サウジアラビア側では、もはや運行していない軌道敷、廃駅、鉄道車両の残骸などがいまだにそのままになっており、観光の対象となっている。ロレンスが破壊した列車は、今でも転落地点に転がっているのが見える。 2005年、サウジは3,000kmの鉄道を建設するランドブリッジ・プロジェクトを発表した。サウジ各地の鉱山、街、港を結び、隣接国の鉄道への接続も必要とされている。現在の計画では国境を越えて隣接国へ向かう新線は設定されていないが、いくつかの計画路線は国境近くに達する予定であり、その先は需要の多そうな各国都市に向けられている。これがヒジャーズ鉄道のサウジ部分の再建にもつながるのではないかという見方もある。
※この「残存部」の解説は、「ヒジャーズ鉄道」の解説の一部です。
「残存部」を含む「ヒジャーズ鉄道」の記事については、「ヒジャーズ鉄道」の概要を参照ください。
- 残存部のページへのリンク