レール【rail】
レール
レールは列車の荷重を直接受けるので、頭部を肉厚にして摩耗に耐えるよう造られています。普通のレールの成分は大半が鉄で、残りは微量のマンガン、けい素、燐、硫黄、銅、錫、ニッケル、クロームです。
レールの大きさは通常その長さ1m当たりの重量で表し、30 kg、37kg、40kg、50kg、60kgなどがあります。列車回数が多い路線を中心に、より重いレールに交換する傾向が目立ってきました。スピードアップ、乗り心地の向上、騒音・振動の減少に役立つからです。
1本のレールの長さは、30kg レールが20m、それ以外が25 mに造られるのが標準です。これを「定尺」(ていしゃく)と呼びます。これより短いものは短尺(たんしゃく)といいます。
また200m以上に溶接したものをロングレールといいます。25mを超え200mに達しないものは長尺と呼ばれます。
ロングレールは継ぎ目が少ないので、それだけ振動や騒音が減り、乗り心地もよくなるほか、保線作業が軽減されます。このため、ロングレール化も着々と進められ、中には1,000m以上のものもあります。ただし、駅構内の分岐器の付近や急カーブの箇所などは導入しにくくなっています。
レールは、暑いときには伸び、寒いときには縮みます。レールの温度が10度のとき25mだったのが40度になると、9mm近く伸びる計算になります。しかし、レールはまくらぎに固定されているから、その計算値より実際はずっと少ない数字です。ロングレールの場合、その端に伸縮を調整する「緩衝レール」を取り付けることもあります。
このほか、軌間内に設けて車輪が本線レールから外れないように誘導するための脱線防止レールもあります。
レール同士を接続するための添え板は継目板といいます。前後のレールを両端から挟み、ボルトで締め付ける形で使われます。継目は形状から、短ざく形、角形(山型、ム型、アングル型)などに分類される。継目はレールの温度変化による伸縮を考えた間隔となっています。
レール
rails |
鉄道その他の軌道などに用いられる鋼材。一般用と特殊用に分けられ、更に一般用は普通レールと軽レールに分けられる。特殊用は、車両以外のクレーン、エレベーターなどの軌道として用いられる。 地下鉄道などで架線の代わりに用いるレールを第3レールという。 通常、1m当たりの質量で表示及び呼称を行う。 |
レール
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レール
レール
軌条
(レール から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 17:06 UTC 版)
軌条(きじょう)とは、鉄道の線路(軌道)を構成する要素のひとつで、車両を直接支持し、車輪の転動のガイドとなる役割をもつ[1]。一般的にはレールと呼ばれる場合が多い。鉄鋼分野では、条鋼の一種に分類されている[2]。
注釈
- ^ ロングレールを積載した貨車は半径300 m程度のカーブを苦もなく通過するが、このことと安定した軌道を構成できることは全く別の問題である。
- ^ 引っ張り試験、荷重試験、破断面試験、曲げ試験、硬度試験、磨耗試験、腐食試験、顕微鏡試験を行う。
- ^ 日本の普通レールはJIS E 1101 により、レール腹面に鋼塊又は鋳片の頭部方向、レールの種類の記号、製鋼炉の記号、製造業者名又はその略号、製造年月又はその略号 について浮き出し表示を求めている。また逆の腹面には、鋼塊又は鋳片の順位番号、鋼塊注入順位記号、製鋼番号、作業組の記号、炭素含有量、マンガン含有量(60N、70S、80Sに限る)、鋼の種類(種類 AR は無表示)を刻印することを求めている。
- ^ 成分は、C 0.60-0.75%、Si 0.10-0.30% Mn 0.7-1.1% P≦0.035% S≦0.040% 引っ張り強さ≧80Kgf/mm2 伸び≧8%である。
- ^ 日本においても茅沼炭鉱軌道、木道社、藤枝焼津間軌道で木道が使用された。
出典
- ^ 西亀ら 1980, p. 121.
- ^ 高橋 2006, p. 519.
- ^ a b 天野ら 1984, p. 16.
- ^ 片岡 2007, p. 24.
- ^ 片岡 2007, p. 25.
- ^ JIS E 1101:2001 普通レール及び分岐器類用特殊レール. 日本規格協会. (2001/6/30)
- ^ “レール | 鉄道用語辞典 | 日本民営鉄道協会”. www.mintetsu.or.jp. 2020年1月10日閲覧。
- ^ 稲田 隆『鐵道工学 上巻』誠文堂〈総合工学全集2・土木工学科、13巻の7〉、1937年10月18日、299頁。
- ^ 天野ら 1984, p. 22.
- ^ “世界最長となる鉄道用 150mレールの製造・出荷体制を整備” (プレスリリース), 新日鐵住金, (2014年4月16日)
- ^ 西亀ら 1980, p. 147.
- ^ 西亀ら 1980, p. 147,149.
- ^ “接着絶縁レールの継目構造とその製造方法” (pdf). RRR (鉄道総合技術研究所): 38-39. (8 2011) 2017年11月6日閲覧。.
- ^ a b 天野ら 1984, p. 19.
- ^ 片岡 2007, p. 27.
- ^ 名村ら 2007, p. 6.
- ^ 名村ら 2007, pp. 6-7.
- ^ 高屋 2015.
- ^ a b 名村ら 2007, p. 7.
- ^ a b c 天野ら 1984, p. 20.
- ^ 小代ら 2012, p. 986.
- ^ クリスティアン・ウォルマー著 安原和見・須川綾子訳『世界鉄道史』河出書房新社、2012年、p.28-29
- ^ a b c 片岡 2012, p. 28.
- ^ 佐伯ら 2013, p. 19-20.
- ^ 佐伯ら 2013, p. 20.
- ^ 西野ら 1982, p. 30.
レールと同じ種類の言葉
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