カリュドーンの猪
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カリュドーンの猪(カリュドーンのいのしし、古代ギリシア語:Καλυδώνιος κάπρος、kalydṓnios kápros [注釈 1])はギリシア神話に登場する巨大な猪である。長母音を省略してカリュドンの猪とも表記する。アイトーリアのカリュドーン王オイネウスが、アルテミス女神に対する初穂のまつりを忘れたため、怒った女神によって、神界よりこの獰猛な猪が差し向けられた。猪による被害のあまりな凄まじさに、王がギリシア全土から勇士を募って、猪を退治した神話のできごとである[2]。このことがオイネウスの息子メレアグロスの死につながった[3][4]。
- 1 カリュドーンの猪とは
- 2 カリュドーンの猪の概要
カリュドーンの猪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/07 07:12 UTC 版)
あるとき、父のオイネウスがアルテミスへの生贄を忘れたことで、アルテミスはその罰として巨大な猪をカリュドーンに放った。猪はオイネウスの家畜や使用人を殺し、作物に大損害を与えた。オイネウスが猪狩りの仲間を募ると、ギリシア全土から続々と勇士たちが集まった。狩の参加者は次のような顔ぶれである。スパルタからカストールとポリュデウケースの双子、メッセネからイーダースとリュンケウス、アテーナイからテーセウス、ラリッサからペイリトオス、イオールコスからイアーソーン、ペライからアドメートス、ピュロスから若きネストール、プティアからペーレウスとエウリュティオーン、テーバイからイーピクレース、アルゴスからアムピアラーオス、サラミースからテラモーン、マグネシアからカイネウス、アルカディアからアンカイオスとケーペウス、そして「紅一点」のアタランテー。 アンカイオスとケーペウスは狩に女を加えることに異議を唱えた。しかし、メレアグロスはアタランテーに恋心を抱いていたので、彼女の参加を認めた。アルタイアーの兄弟たちは、甥のメレアグロスが妻を持つ身にもかかわらず、このような振る舞いをすることを不吉と見て、アタランテーを警戒した。 狩が始まると、一隊から距離を置いて進んでいたアタランテーを犯そうと、ケンタウロスのヒューライオスとロイコスが襲いかかったが、二人ともアタランテーに射殺された。猪はネストールを襲い、ネストールは木の上に逃れた。そこをイアーソーンとイーピクレースが狙って槍を投げたが、イーピクレースの槍が猪の肩をかすめただけだった。テラモーンとペーレウスが進み出たが、テラモーンは木の根につまずいてしまい、ペーレウスがテラモーンを抱き起こそうとするところに猪が突進してきた。アタランテーが矢を放つと、矢は猪の耳のうしろに刺さった。猪は一旦逃げたものの、まもなく再び突進してきた。アンカイオスがその前に立ちはだかって斧を振り下ろしたが間に合わず、猪に腹を突かれて死んだ。動転したペーレウスが槍を投げつけたところ、手元が狂ってエウリュティオーンを殺してしまった。そのときアムピアラーオスの矢が猪の眼を射抜き、テーセウスとメレアグロスが槍を投げた。テーセウスの槍は外れたが、メレアグロスの槍は猪の脇腹を貫き、痛手と刺さった槍のために猪がぐるぐる回るところをメレアグロスが手槍でとどめを刺し、ようやく猪は退治された。
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