トクセウスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > トクセウスの意味・解説 

トクセウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/25 16:16 UTC 版)

トクセウス古希: Τοξεύς, Toxeus)は、ギリシア神話の人物である。

主に、

の3人が知られている。以下に説明する。

オイネウスの子

このトクセウスは、アイトーリア地方のカリュドーンの王オイネウスとアルタイアーの子で、メレアグロス[1]、テュレウス、クリュメノスゴルゲーデーイアネイラと兄弟[2]アポロドーロスによると、トクセウスは溝を飛び越えたという理由で父オイネウスに殺された[2]。このエピソードの意味ははっきりしないが、ローマ神話において、ローマの始祖ロームルスレムスの兄弟についても同様の話が残っており、トクセウス殺害には何らかの宗教的理由があると考えられている[3]

テスティオスの子

このトクセウスは、アイトーリア地方のプレウローン英語版の王テスティオスと[4][5]エウリュテミス[4](あるいはレウキッペー[6])との子で、アルタイアーレーダーヒュペルムネーストラー、エウヒッポス、プレークシッポス、エウリュピュロス[4]、イーダイオス、リュンケウスと兄弟[7]

オウィディウス変身物語』によると、トクセウスは兄弟のプレークシッポスとともにカリュドーンの猪狩りに参加したが、2人は討ち取った毛皮を誰が所有するかについて、甥のメレアグロスと対立し、アタランテーに与えられた毛皮を奪い取った。このためプレークシッポスはメレアグロスに殺された。さらにトクセウスも兄弟の仇を討つべきか躊躇しているうちに殺された[5]ヒュギーヌスによれば、猪狩りに参加し、メレアグロスと対立して殺されたのは、プレークシッポス、イーダイオス、リュンケウスの3人である[7]

エウリュトスの子

このトクセウスは、オイカリアー王エウリュトスの子で、デーイオーン、クリュティオス、イーピトス、イオレー[8]、あるいはモリオーン、クリュティオス、イオレーと兄弟。彼らは姉妹イオレーに対するヘーラクレースの求婚を拒んだため、後にヘーラクレースの報復を受けて殺され、イオレーは奪われた[9]。殺されたときトクセウスはまだ青年になる前だったという[10]

脚注

  1. ^ アポロドーロス、1巻8・2。
  2. ^ a b アポロドーロス、1巻8・1。
  3. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.173b。
  4. ^ a b c アポロドーロス、1巻7・10。
  5. ^ a b 『変身物語』8巻。
  6. ^ ヒュギーヌス、14話。
  7. ^ a b ヒュギーヌス、173話。
  8. ^ ヘーシオドス断片23(オクシュリュンコス・パピュルス
  9. ^ シケリアのディオドロス、4巻37・5。
  10. ^ セネカ『オエタ山上のヘルクレース』212行-214行。

参考文献

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トクセウス」の関連用語

トクセウスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トクセウスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトクセウス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS