スフィンクスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > スフィンクスの意味・解説 

スフィンクス【Sphinx】

読み方:すふぃんくす

【一】

[一]ギリシャ神話で、胸から上は女、下はライオンで、翼をもった怪物テーベ近く現れ通行人に「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足で歩く生き物は何か」という謎をかけ、答えられない者を殺していたが、オイディプスが「それは人間だ」と解いたとき、谷に身を投げて死んだという。

[二]古代エジプトアッシリアで、神殿王宮墳墓守り神として作られた、顔が人間でからだがライオン石像

【二】家猫一品種。カナダ原産全身被毛とひげがないのが特徴体つき細めで、耳が大きい。

スフィンクスの画像

スフィンクス 【Sphinx】

古代エジプトアッシリアなどで、支配者象徴として神殿王宮墳墓などの入口設けた人面獅身の石像巨大なものもある。②ギリシア神話で、女面獅身の怪物テーベ付近岩上で、通る人に「朝は四脚、昼は二脚、夕は三脚のものは何か」となぞをかけ、解き得ない者を殺していたが、オイディプスに「それは人間である」と答えられて、海に身を投げて死んだという。

スフィンクス

作者堀田善衛

収載図書堀田善衛全集 6 スフィンクス・19日本横丁
出版社筑摩書房
刊行年月1993.10


スフィンクス

作者E.A.ポー

収載図書世界文学セレクション36 12 ホーソン・ポー 〔新装版
出版社中央公論社
刊行年月1994.3

収載図書新・ちくま文学 2 奇想天外
出版社筑摩書房
刊行年月1994.10

収載図書ポー名作
出版社中央公論新社
刊行年月2001.12
シリーズ名Chuko on demand books


スフィンクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/11 01:59 UTC 版)

ギザの大スフィンクス

スフィンクスSphinx)は、エジプト神話ギリシア神話メソポタミア神話などに登場する、ライオンの身体と人間の顔を持った神聖な存在あるいは怪物古典ギリシア語ではスピンクスΣφίγξ古典ギリシア語ラテン翻字: Sphínx)といい、スフィンクスとはこれの英語読み(または現代ギリシア語読み)である。

概要

古代エジプトにおける本来の名は不明だが、ギリシア語名は古代エジプト語シェセプ・アンクszp 3nh, シェセプ=姿・形 アンク=再生・復活の神 「アンク神の像」の意)に由来するのではないかとする説がある。ただしこの語は神あるいは王の像に対してのみ使われており、合成獣に使われた証拠はない。

スピンクスは女性名詞であり、中国語では「獅身人面像」または「獅身女面像」と訳される。夏目漱石は『虞美人草』の中で「獅身女」という漢字に「スフーヒンクス」という熟字訓を当てた[1][注釈 1]永井荷風は『あめりか物語』の中では「怪像」に、『ふらんす物語』の中では「怪神」に熟字訓をあてている。一方、ヘロドトスはエジプトの合成獣を描写する際にこの名詞を「Androsphinges」と男性化したが、これが男性スピンクスの唯一の例である。また村井知至『社会主義』p14には「スヰンクス」という表現があり、明治・大正期には様々な表現が散見される。

本来はエジプト神話の生物であるが、非常に古くからギリシア神話にも取り入れられていた。エジプトのスフィンクスは王家のシンボルで、ギザピラミッドにある、いわゆるギザの大スフィンクスは王の偉大さを現す神聖な存在である。対してメソポタミアギリシャのスフィンクスは怪物として扱われていた。

各文化のスフィンクス

古代エジプト

雄羊の頭のスフィンクス(カルナック神殿)

エジプトにおけるスフィンクスは、ネメスと呼ばれる頭巾を付けたファラオ(王)の顔とライオンの体を持つ、神聖な存在である。王者の象徴である顎鬚をつけ、敵を打破する力、あるいはまたはを守護するシンボルとされている。古王国時代には既に存在し、神格化したファラオと百獣の王であるライオンを重ね合わせたものと考えられている。

スフィンクスの種類には複数あり、男性も女性もいる。動物や鳥の頭部を持つものも見受けられる。

最も有名で大きなスフィンクス像は、古王国時代のギザの大スフィンクスである。中王国以降は、最高神アモンの聖獣である雄の頭部を持つスフィンクスが、神殿の守護者として神殿前面に置かれた。

メソポタミア

メソポタミア神話(バビロニア神話)におけるスフィンクスは、エジプトとは異なり、ライオンの身体、人間の女性の顔、を持つ怪物とされた。また、死を見守る存在とする考え方もメソポタミアにて生まれたとされる。

古代ギリシア

ギリシア神話のスピンクス(ジノ・スフィンクス)

ギリシア神話におけるスピンクスは、ライオンの身体、美しい人間の女性の顔と乳房のある胸、鷲の翼を持つ怪物(一部の絵画では尻尾がになっている姿で表される事も)。テューポーンあるいはオルトロスエキドナとの娘。一説によればテーバイラーイオスの娘であり(アレクサンドレイアのリューシマコス)、これによればオイディプースとは兄弟となる。また、ウーカレゴーンの娘とする説もある(エウリーピデース『フェニキアの女たち』26への古註)。当初は子供をさらう怪物であり、また戦いにおいての死を見守る存在であった。高い知性を持っており、謎解きを好む。

オイディプース神話によれば、スピンクスはヘーラーによってピーキオン山に座し、テーバイの住人を苦しめていた。旅人を捕らえて「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か」というを出し、解けない者を殺して食べていた。この謎はムーサに教わったとされている。しかし、オイディプースに「それは人間だ。人間は赤ん坊の時には四足で這い回り、成長すると二足で歩き、老年になると杖をつくから三足になる」と答えられると、面目を失ったスピンクスは岩の台座から飛び降り、谷底へ身を投げて死んだという(アポロドーロス、ヒュギーヌスなど)。またはオイディプースに退治されたともいわれる(ソポクレースオイディプース王』、エウリーピデース『フェニキアの女たち』)。

スフィンクスをモチーフにした芸術作品

絵画

オイディプスとスフィンクス

彫像

脚注

注釈

  1. ^ 漢字検定1級の問題集に「獅子女」という表記が見えるが典拠不明。

出典

  1. ^ 佐藤喜代治他編著、『漢字百科大事典』p1241、明治書院、1996年

関連項目


スフィンクス(Sphinx)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 19:42 UTC 版)

博物誌」の記事における「スフィンクス(Sphinx)」の解説

毛が褐色で胸に一対乳房がある。(第8巻3021)章第72節)

※この「スフィンクス(Sphinx)」の解説は、「博物誌」の解説の一部です。
「スフィンクス(Sphinx)」を含む「博物誌」の記事については、「博物誌」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「スフィンクス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「スフィンクス」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「スフィンクス」の関連用語

スフィンクスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



スフィンクスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
中経出版中経出版
Copyright (C) 2025 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのスフィンクス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの博物誌 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS