アガメムノーン -人名の書き方・読み方わかりやすく解説 Weblio辞書

アガメムノーン

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アガメムノーンの黄金の仮面。実際にはアガメムノーンの時代より3世紀も昔のものだった

アガメムノーン（古代ギリシア語: Ἀγαμέμνων、古代ギリシア語ラテン翻字: Agamémnōn）は、ギリシア神話のミュケーナイ王であり、トロイア戦争におけるギリシア軍の総大将である^[1]。長母音を省略してアガメムノン^[2]とも表記される。

父はアトレウス。弟にメネラーオス。妻にクリュタイムネーストラー。息子にオレステース。娘にイーピゲネイアおよびエーレクトラー。

人物

父の死後にミュケーナイ王となり、全ギリシアをまとめあげた。アガメムノーンはギリシア方の王たちを率いて戦ったためローマの時代には「王の中の王」と呼ばれ、皇帝の比喩とみなされていた。しかしその偉業以上に傲慢で非情、所有欲の強い男であったといわれる。絶世の美女とされるヘレネーの双子の異父姉であるクリュタイムネーストラーを、夫でありいとこのタンタロスを殺して奪った。彼女との間に3人の子供をもうけた。

弟メネラーオス（スパルタ王）の妻ヘレネーが、小アジアに位置するトロイアの王子パリスに連れ去られたことへの怒り、及び掟を破り他者の妻を奪ったパリスへの報復のため、全ギリシアから志願者を募ってトロイアに戦争を仕掛けることになる。出征時に逆風が吹いたため船出ができなくなると、娘イーピゲネイアを女神アルテミスに生贄として捧げれば解決するとの予言をうけ、苦悩の果てに娘を殺害してトロイアへ向かった。この非情の決断はクリュタイムネーストラーの憎悪を買ったのみならず、イーピゲネイアを呼び寄せる口実にアキレウスとの見合いを使ったことから彼との関係も悪化してしまった。

『イーリアス』第一歌ではアキレウスと衝突し、陣営に危機を作る。

戦勝後、トロイア王女カッサンドラーを己の愛妾として帰還するが、イーピゲネイアの死を遺恨に思う妻クリュタイムネーストラーとその情夫アイギストスに暗殺される。この神話は悲劇作家アイスキュロスのオレステイア三部作の一つ『アガメムノーン』の題材になっている。

備考

小惑星アガメムノンはアガメムノーンにちなんで名付けられた。

系図

欠名

ペロピア

タピオス

アナクシビエー

ストロピオス

アキレウス

ヒュロス

プテレラーオス

アレーテース

エーリゴネー

ピュラデース

ストロピオス

脚注

[脚注の使い方]

^ 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、43頁。
^ 小川正広、小学館、日本大百科全書（ニッポニカ）『アガメムノン』 - コトバンク

関連項目

ハインリヒ・シュリーマン - ミケーネで黄金のマスクを発掘。息子にアガメムノンと名付けた。

イーリアスの登場人物

ギリシア軍

総司令官	アガメムノーン
武将	アイアース（オイレウスの子）アイアース（テラモーンの子）アウトメドーンアガペーノールアキレウスアスカラポスアムピマコスアルキメドーンアルキモスアルケシラーオスアンティポスアンティロコスイアルメノスイードメネウスエウケーノールエウドーロスエウネーオスエウメーロスエウリュアロスエウリュバテースエウリュピュロスエピストロポスエペイオスエペイゲウスエレペーノールオディオスオデュッセウスオルティロコスカルカースグーネウスクレートーンクロニオススケディオススティキオスステネロスステントールタルテュビオスタルピオスディオメーデースディオーレーステウクロステルシーテーストアーストオーテースドラキオストラシュメーデーストレーポレモスニーレウスネストールパトロクロスプロトエーノールプロトオスペイサンドロスペイダスペイディッポスペーネレオースポイニクスポダルケースポダレイリオスポリュポイテースマカーオーンメゲースメドーンメネスティオスメネステウスメネラーオスメーリオネースレーイトスレオンテウス
捕虜	イーピスクリューセーイスディオメーデーブリーセーイスヘカメーデー

トロイア軍

トロイア王	プリアモス
武将	アイセーポスアイネイアースアガストロポスアガトーンアカマースアクシュロスアゲーノールアシオスアスカニオスアステロパイオスアダマースアテュムニオスアピサーオーンアムピマコスアルカトオスアルケプトレモスアルケロコスアレートスアンティポスアンティポノスイーソスイーダイオスイーピダマースイムブリオスイーリオネウスエウペーモスエウポルボスエケムモーンエンノモスオディオスオトリュオネウスカレシオスカレートールカロプスグラウコスクロミオスケブリオネースコオーンゴルギュティオーンサルペードーンシモエイシオススカマンドリオスソーコスディーオスデーイコオーンデーイポボスデーモコオーンデーモレオーンドリュクロスドロプスドローンナステースパイノプスパムモーンパリスハルパリオーンパンダロスヒッポトオスヒッポロコスヒュペレーノールピュライオスピューライクメースピュライメネースペイサンドロスペイロオスヘクトールペーゲウスペーダイオスペーダソスペレクロスヘレノスポリーテースポリュダーマス（英語版）ポリュドーロスポリュボスミュドーンメラニッポスメンテースラーオドコスリュカーオーンレーソス
長老	アンテーノールウーカレゴーンクリュティオステューモイテースパントオスヒケターオーンラムポス
女性ほか	アイトラーアステュアナクスアンドロマケークリューセーステアーノーヘカベーヘレネー

カテゴリ

表話編歴オデュッセイアの登場人物
オデュッセウス家	ペーネロペー（妻）テーレマコス（息子）クティメネー（妹）アンティクレイア（母）ラーエルテース（父）アウトリュコス（祖父）エウリュクレイア（女中頭）エウリュノメー（女中頭）ドリオス（老僕）メントール（顧問）メドーン（近習）ペーミオス（音楽家）エウマイオス（豚飼い）ピロイティオス（牛飼い）メランティオス（山羊飼い）メラントー（女中）アルゴス（飼い犬）
君主と貴族	アルキノオスアーレーテーネストールメネラーオスヘレネーナウシカアー
神々	アイオロス（風神）アテーナーカリュプソーキルケーゼウスパエトゥーサプローテウスヘーリオスペルセポネーヘルメースポセイドーンラムペティエーレウコテアー
その他	アガメムノーンアキレウス大アイアースアンティクロスアンティポスアレートスイードメネウスイーロスエウペイテースエウリュアロスエウリュロコスエケトス（英語版）エケネーオスエケプローンエルペーノールキコーン人（英語版）クリュトネーオスストラティオステイレシアースデウカリオーンテオクリュメノスデーモドコストラシュメーデースノエーモンハリオスハリテルセースペイシストラトスペイライオスペリメーデースヘーラクレースペルセウスポリーテースポリュカステーポリュダムナマローンメガペンテースメサウリオスメンテースラーオダマースロートパゴス族テューローアンティオペーアルクメーネーエピカステーイーピメデイアクローリスレーダーアリアドネーミーノースオーリーオーンティテュオスタンタロスシーシュポス
怪物	アンティパテースカリュブディスキュクロープススキュラセイレーンポリュペーモスライストリューゴーン族
求婚者（英語版）	アゲラーオスアムピノモスアムピメドーンアンティノオスクテーシッポスエウリュマコスデーモプトレモスレーオーデースペイサンドロスポリュボス
カテゴリ

典拠管理データベース
全般	VIAF 2 FAST WorldCat
国立図書館	ドイツアメリカフランス BnF data オーストラリアギリシャイスラエルカタルーニャ
芸術家	FID
人物	DDB
その他	IdRef Yale LUX

「アガメムノーン」の例文・使い方・用例・文例

ミケーネの王およびアガメムノーンとメネラウスの父
アガメムノーンとクリュタイムネーストラーの息子

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