天津麻羅とは? わかりやすく解説

天津麻羅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/03 09:39 UTC 版)

天津麻羅

神祇 天津神
全名 天津麻羅
神格 製鉄鍛冶
神社 立岩神社等
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天津麻羅 あまつまらは、日本神話に登場する鍛冶である。『古事記』にのみ登場する。『古事記』では「神」「命」などの神号はつけられていない。

概要

『古事記』では岩戸隠れの段に登場する。「 鍛人 かぬち天津麻羅を きて」とあるだけで、何をしたのかは書かれていない。その前に「天の金山の はがねを取りて」とあることから、 伊斯許理度売命 いしこりどめ八咫鏡を作るための製鉄を行ったとも考えられる。また、『日本書紀』の正伝には、 天鈿女命 あめのうずめが茅纏の矛を手にしたという記述があり、それを作った者の記述がないことから、天津麻羅は矛を作ったとも考えられる(第一の一書では 石凝姥命 いしこりどめが日矛を作ったとある)。

先代旧事本紀』天神本紀では、「物部造等の祖、 天津麻良 あまつまら」「阿刀造等の祖、 天麻良 あまつまら」「 倭鍛師 やまとのかぬち等の祖、 天津真浦 あまつまうら」「笠縫等の祖、 天津麻占 あまつまうら」とあり、これらは天津麻羅と同神と考えられる。また、神号がついていないことなどから、天津麻羅は一神の名ではなく鍛冶集団(またはその祖神)の総称ではないかとする説もある。

解説

アマツマラという神名のうち、アマツは天津神を示すものであるが、「マラ」については下記のように諸説ある。

  • 「マラ」は「 目占 まうら」の約で、鍛冶職が年中火の色を観察するのを「目で占う」と表現したもの。[1]
  • 「マラ」は蒙古語の鉄の意であるとする説
  • 鍛冶に必要なを男根にみたて、男根の別称「マラ」を神名としたとする説(ただし、 摩羅 まらという言葉は仏教と共に日本に入ってきたものであり、男根の別称とされたのはさらに時代が下るものであるので、この説は後世の附会である)

脚注

  1. ^ 西宮一民「神名の釈義」『新潮日本古典集成 古事記』新潮社出版、2014年。

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