天火明命とは? わかりやすく解説

あまのほあかり‐の‐みこと【天火明命】

読み方:あまのほあかりのみこと

日本神話で、天忍穂耳尊(あまのおしほみみのみこと)の子尾張連(おわりのむらじ)の祖神


天火明命

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/02 18:12 UTC 版)

天火明命

全名 天火明命(あめのほあかりのみこと)
別称 天照国照彦天火明尊、天照国照彦天火明尊、天火明命、彦火明命
神格 太陽神、農業神
天忍穂耳尊記紀
栲幡千千姫命(記紀)
兄弟姉妹 瓊瓊杵尊
配偶者 天道日媛命、御炊屋姫弥彦神社
天香山命、熟穂屋姫命(弥彦神社
神社 籠神社真清田神社住吉大社尾張戸神社
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天火明命(あめのほあかりのみこと)は、日本神話に登場する。『新撰姓氏録』による分類では「神別」の「天孫[1]

呼び名

天火明命の別名は次の通り。

系譜

古事記』および『日本書紀』の第六・第八の一書によれば、天火明命は天忍穂耳命高木神の娘の万幡豊秋津師比売命との間に生まれた子とし、天火明命が兄で、邇邇芸命は弟とされる。一方、『日本書紀』の本文および第二・第三・第五・第七の一書では、天火明命は邇邇芸命の子とする。

先代旧事本紀』は、天火明命は穂積臣物部連の祖の饒速日命の別名であり、饒速日命と同一神と記す。このことについて、世代関係や活動地域から疑問が大きいとする説もある[2]

一方、『播磨国風土記』では大汝命と弩都比売との子とする。

後裔氏族

新撰姓氏録』では、天津彦根命天穂日命天道根命などの子孫と合わせて、天火明命の子孫を「天孫」と称している。天孫系は高天原から尾張国丹波国にも移り、尾張氏津守氏海部氏丹波氏など多くの氏族の祖神とされ、『海部氏系図』(あまべしけいず)にも始祖としてその名が記されている。

穂積氏物部氏の祖である饒速日命と同一ともいわれる[3]。ただし、饒速日命と天火明命の同一を否定し、また、饒速日命を邇邇芸命の兄とするのは両者を連結するための創作・強弁であるとする研究もある[4]。また『姓氏録』では天火明命の子孫は「天孫」とする一方、饒速日命の子孫は「天神」と区別している。

襷多治比氏

新撰姓氏録』によれば、火明命の11世孫の殿諸足尼命の末裔の兄男庶は女のような心の持ち主であったため、襷を賜り御膳部に任命され、襷多治比氏の祖となり、その弟の弟男庶は勇健な心の持ち主で、その力は一騎当千であったため、靱を賜い、四十千健彦を名乗り、靱負を姓としたという[5]

字義

名前の「天照国照」「火明」からわかるように太陽光や熱の神格化である。また、『古事記伝』では「ホアカリ」は「穂赤熟」で、稲穂が熟して赤らむ意味としており、天皇に繋る他の神と同様、稲に関係のある名前でもあり、太陽神・農業神として信仰されている。このようなことから天穂日命の系譜、つまり天津神系の出雲神を源流としていることが窺える。

「天照」の名があるが「天照大神」とは別の神である。元伊勢籠神社では、主祭神を「天照国照彦火明命」とし、相殿神に「天照大神」としてそれぞれ別の神としている[6]

主な神社

脚注

  1. ^ 新撰姓氏録
  2. ^ 宝賀寿男初期物部氏の系譜 (1)」『古樹紀之房間』、2007年。
  3. ^ 先代旧事本紀
  4. ^ 戸矢学「ニギハヤヒ 『先代旧事本紀』から探る物部氏の祖神」河出書房新社、2011年12月30日、ISBN 978-4-309-22556-2
  5. ^ 『新撰姓氏録』襷多治比宿禰、火明命十一世孫殿諸足尼命之後也。長兄男庶。其心如女。故賜襷為御膳部。次弟男庶。其心勇健。其力足制十千軍衆。故賜靱号四十千健彦。因負姓靱負。
  6. ^ 籠神社HP・ご祭神より。

関連項目




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