たたら製鉄とは? わかりやすく解説

たたら製鉄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 09:57 UTC 版)

たたら製鉄(たたらせいてつ、:Tatara)とは、日本において古代から近世にかけて発展した製鉄法で、炉に空気を送り込むのに使われる(ふいご)が「たたら」と呼ばれていたために付けられた名称である。砂鉄鉄鉱石粘土製の炉で木炭を用いて比較的低温で還元し、純度の高いを生産できることを特徴とする[1][2]近代の初期まで日本の国内鉄生産のほぼすべてを担った[3]


  1. ^ 古事記」には神武天皇の后として「比売多多良伊須気余理比売(ひめたたらいすけよりひめ)」の名が記述されている[5]。また、「日本書紀」では「媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)」となっている[6]
  2. ^ 20世紀前半期の冶金学者である俵国一は「古来穏健なる発達を遂げて一種独特の点がある」と評している[8]
  3. ^ 江戸後期に公儀御用人を務めた山田浅右衛門吉睦の著書『古今鍛冶備考』(1819年頃)の記述による。一方、同じ江戸後期に活動した刀工、水心子正秀が著した『剣工秘伝誌』(1821年)では、ケラ押しの発生時期を千種鋼の登場より100年以上前の応永年間(1394 - 1427年)としている。[32]
  4. ^ 明治期以降にはその形から「包丁鉄(ほうちょうてつ)」とも呼ばれる[34]
  5. ^ 金偏に胴。
  6. ^ ただし玉鋼のみ。
  7. ^ a b ただしケラに含まれる分のみ。
  8. ^ ただしケラ塊。
  9. ^ ただし、日本刀のうち慶長年間より前に作られたもの、すなわち「古刀」にまで遡ると、その材料や製法は伝承されておらず、使われた鋼がたたら製鉄によるものなのか否かは判断できない[69]
  1. ^ 鈴木 2005, p. 97.
  2. ^ 俵 1953, p. 64.
  3. ^ a b c d e 清永 1994, p. 1453.
  4. ^ a b エンカルタ総合大百科』2003年版、マイクロソフト、見出し語「たたら」。
  5. ^ 次田真幸訳注 『古事記 全訳注』中巻、講談社〈講談社学術文庫〉、1980年、44頁。
  6. ^ 宇治谷孟訳 『全現代語訳 日本書紀』上巻、講談社〈講談社学術文庫〉、1988年、108頁。
  7. ^ a b 小塚 1966, p. 38.
  8. ^ a b 俵 1910, p. 103.
  9. ^ 俵 1933, 著書名副題.
  10. ^ 永田 1998, p. 27.
  11. ^ たたらの話”. 日立金属. 2016年12月5日閲覧。
  12. ^ 大槻文彦大言海』第3巻、冨山房、1934年、238頁。
  13. ^ 齋藤・坂本・高塚 2012, p. 180.
  14. ^ 飯田 1980, p. 128.
  15. ^ 永田 1998, p. 32.
  16. ^ 久保善博, 佐藤豊, 村川義行, 久保田邦親「たたら製鉄の生産性と製品品質に及ぼす装荷比(砂鉄/木炭)の影響」『鉄と鋼』第91巻第1号、日本鉄鋼協会、2005年、 83頁、 doi:10.2355/tetsutohagane1955.91.1_83ISSN 00211575
  17. ^ 河瀬 1997, p. 219.
  18. ^ a b 舘 2005, p. 7.
  19. ^ 小塚 1966, p. 40.
  20. ^ 小塚 1966, pp. 38–40.
  21. ^ 永田・羽二生・鈴木 2001, p. 46.
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  23. ^ 舘 2005, p. 2.
  24. ^ a b c d e f 舘 2005, p. 3.
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  35. ^ a b c 永田 2005, p. 13.
  36. ^ a b 片山・北村・高橋 2005, p. 125.
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  38. ^ a b c 舘 2005, p. 9.
  39. ^ 鈴木・永田 1999b, p. 54.
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  42. ^ 俵 1953, p. 45.
  43. ^ 鈴木 1990, p. 23.
  44. ^ a b 片山・北村・高橋 2005, p. 123.
  45. ^ 舘 2005, pp. 6–7.
  46. ^ 永田 2004, p. 38.
  47. ^ 小塚 1966, p. 46.
  48. ^ 鈴木・永田 1999a, p. 43.
  49. ^ 鉄をはぐくむーー出雲國たたら風土記(上)日本刀支える極上「玉鋼」日本古来の伝統・技術を継承『産経新聞』朝刊2017年7月9日
  50. ^ 永田・鈴木 2000, p. 71.
  51. ^ 出雲國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~”. 文化庁「日本遺産」説明資料. 2017年7月15日閲覧。
  52. ^ 日本遺産認定・出雲國たたら風土記”. しまね観光ナビ. 2017年7月15日閲覧。
  53. ^ a b 小塚 1966, p. 37.
  54. ^ 小塚 1966, pp. 40–45.
  55. ^ 鈴木・永田 1999a, p. 46.
  56. ^ 鈴木・永田 1999b, p. 51.
  57. ^ a b 鈴木 2001, p. 158.
  58. ^ 鈴木 2001, pp. 162–164.
  59. ^ 鈴木 2001, pp. 155, 161.
  60. ^ 鈴木 2001, pp. 165–168.
  61. ^ a b 鈴本禎一「たたら製鉄と和鋼記念館(<特集>化学と文化財)」『化学教育』第27巻第1号、日本化学会、1979年、 27頁、 doi:10.20665/kagakukyouiku.27.1_24ISSN 03862151NAID 110001822554
  62. ^ 鈴木 2001, p. 156.
  63. ^ 鉄と生活研究会編 『鉄の本』 2008年2月25日初版1刷発行、ISBN 9784526060120
  64. ^ a b 清永 1994, p. 1456.
  65. ^ a b 小松芳成, 後藤正治, 麻生節夫「たたら製鉄に関する実験的検討 : 創造工房実習より得られた二三の知見」『秋田大学工学資源学部研究報告』第22巻、秋田大学工学資源学部、2001年10月、 54頁、 ISSN 1345-7241
  66. ^ 丸本浩「「たたら製鉄法」の基礎研究と定量実験としての教材化<第2部 教科研究>」『中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校』第49巻、広島大学附属福山中・高等学校、2009年3月、 259-264頁、 doi:10.15027/32973ISSN 0916-7919NAID 120004161195
  67. ^ 清永 1994, p. 1456–1457.
  68. ^ 永田 1998, p. 31.
  69. ^ 天田 2004, p. 12.
  70. ^ 『刀剣美術』 2017年7月号(726号)、日本美術刀剣保存協会、31–32頁。
  71. ^ 天田 2004, p. 182.
  72. ^ 渡邊玄 「『NPO ものづくり教育たたら』の活動事例」『まてりあ』第54巻第4号、日本金属学会、2015年、152–154頁。
  73. ^ 東田たたらプロジェクト2017”. 北九州イノベーションギャラリー. 2017年12月19日閲覧。
  74. ^ 備中国新見庄「たたら」”. 新見庄たたら学習実行委員会. 2017年12月19日閲覧。
  75. ^ 家畜取引の商いと近江牛 (PDF)”. 滋賀県配合飼料価格安定基金協会. 2017年8月9日閲覧。
  76. ^ 学長ブログ第4回「ブランドを産み出す力」”. 県立広島大学 (2014年2月14日). 2017年8月9日閲覧。
  77. ^ 奥出雲の和鉄 - たたらの歴史 -”. 鉄の道文化圏推進協議会. 2020年10月6日閲覧。
  78. ^ 有岡利幸 『里山Ⅰ』 法政大学出版局、2004年、231–261頁。
  79. ^ 北村・片山・高橋 1997, p. 295.
  80. ^ たたら侍”. 2017年6月6日閲覧。



たたら製鉄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/09 08:46 UTC 版)

たたら製鉄にも銑鉄製造しい直製鋼法ケラ押し法)と銑鉄製造する間接製鋼法ズク押し法)がある。しかし、一般的な間接製鉄法はいった炭素濃度4 %の銑鉄を得るのに対し、たたら製鉄で得られる玉鋼炭素濃度がより低い。そのため、たたら製鉄は直接製鉄法にも間接製鉄法いずれにも当てはまらない別の種類分けられることもある。

※この「たたら製鉄」の解説は、「製鋼」の解説の一部です。» 「製鋼」の概要を見る

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