たたら製鉄の炉内反応とは? わかりやすく解説

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たたら製鉄の炉内反応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 09:34 UTC 版)

たたら製鉄」の記事における「たたら製鉄の炉内反応」の解説

たたら製鉄における炉内の反応について諸説あるが、さまざまな化学反応複雑にからみ合っていることは確かである。 まず、フイゴによって炉の中に空気吹き込まれ木炭燃焼すると、空気中の酸素(O2)と木炭炭素(C)とが反応して二酸化炭素(CO2)を生成し、それがさらに炭素反応して一酸化炭素CO)が生じる。 C + O 2 ⟶ CO 2 {\displaystyle {\ce {C + O2 -> CO2}}} CO 2 + C ⟶ 2 CO {\displaystyle {\ce {CO2 + C -> 2CO}}} 雨上がり湿度が高い時など、条件によって炭素空気中の水分(H2Oとも反応見せる。 C + H 2 OCO + H 2 {\displaystyle {\ce {C + H2O -> CO + H2}}} CO + H 2 OCO 2 + H 2 {\displaystyle {\ce {CO + H2O -> CO2 + H2}}} こうして出来た一酸化炭素は炉内を還元性雰囲気へと導き砂鉄還元主役を担う。砂鉄主成分四酸化三鉄(Fe3O4)だが、赤目砂鉄など、種類によっては酸化第二鉄(Fe2O3)も多少含まれる砂鉄は炉の中を降下してゆく過程一酸化炭素反応して容易に酸化第一鉄(FeO)となり、より高温領域ではその酸化第一鉄がさらに一酸化炭素反応して(Fe)が取り出される。 3 Fe 2 O 3 + CO ⟶ 2 Fe 3 O 4 + CO 2 {\displaystyle {\ce {3Fe2O3 + CO -> 2Fe3O4 + CO2}}} Fe 3 O 4 + CO ⟶ 3 FeO + CO 2 {\displaystyle {\ce {Fe3O4 + CO -> 3FeO + CO2}}} FeO + COFe + CO 2 {\displaystyle {\ce {FeO + CO -> Fe + CO2}}} また、炉の下部高温域においては砂鉄木炭との間で直に還元反応がおこる。これを直接還元と呼ぶ。 FeO + C ⟶ Fe + CO {\displaystyle {\ce {FeO + C -> Fe + CO}}} これら還元されの粒は、木炭直接触れて炭素吸収することで融点が下がり、溶融した銑鉄となって炉外へと流し出される他、ケラ押しでは炉底部において焼結して半溶融状のケラ形成する一方で酸化第一鉄粘土製の炉壁主成分であるケイ酸(SiO2)とも反応してファイヤライトFe2SiO4)となり、比較早期ノロ形成する。炉底に溜まったノロ砂鉄中の二酸化チタンTiO2)などの不純物溶融させることで砂鉄製錬する他、生成したケラ包みこむ形で再び酸化するのを防ぐ役割も果たす。 他にも、たたら製鉄には近現代製鉄にくらべ炉内の酸素濃度が高いという特徴がある。すなわち、砂鉄のみが還元されケイ酸などの不純物還元されないほどの、適度な酸素濃度を保つことで品質高めているわけである。また、砂鉄は粒が細かいため木炭との接触時間長くなり、高い酸素濃度中でも十分に炭素吸収できるのも大きな長所と言える

※この「たたら製鉄の炉内反応」の解説は、「たたら製鉄」の解説の一部です。
「たたら製鉄の炉内反応」を含む「たたら製鉄」の記事については、「たたら製鉄」の概要を参照ください。

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