接頭辞とは? わかりやすく解説

556の専門辞書や国語辞典百科事典から一度に検索! Weblio 辞書 ヘルプ
Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 文法 > 接頭辞 > 接頭辞の意味・解説 

せっとう‐じ【接頭辞】

読み方:せっとうじ

接頭語


接頭辞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/24 23:31 UTC 版)

接頭辞(せっとうじ)、プレフィックス: prefix)とは、接辞のうち、語基よりも前に付くもの。接頭語(せっとうご)とも言う。対義語は接尾辞または接尾語。

接頭辞の分類

  • 言語における接頭辞
以下では特に、#日本語の接頭辞#英語の接頭辞を取り上げる。
  • 数を表す接頭辞
SI接頭語もこの一種である。倍数接頭辞も参照。
  • 化学接頭辞
化学接頭辞・接尾辞一覧を参照。

日本語の接頭辞

日本語の接頭辞をいくつか挙げる。

否定の接頭辞

英語の接頭辞

英語の接頭辞をいくつか挙げる。

un-
dis-
in-/im-
否定を表し反意語をつくる。
  • 例1: un- + fortunately(幸いにも)= unfortunately(不運にも)
  • 例2: dis- + connect(接続する)= disconnect(切断する)
  • 例3: im- + perfect(完全な)= imperfect(不完全な)
in-
「〜の中へ」を意味する。
  • 例: in- + claudere(ラテン語で「閉じる」)= inclaudere → include(中に閉じこめる → 含める)
re-
「繰り返し〜する」「再び〜する」を意味する。
  • 例: re- + try(試す)= retry(もう一度する)
ex-
「外へ」を意味する。
  • 例: ex- + planare(ラテン語で「明瞭にする」)= explanere → explain(外に対して明瞭にする → 説明する)
extra-
「〜の外」「〜以外」を意味する。
  • 例: extra- + ordinary(普通の)= extraordinary(普通以外 → 並外れた)
con-/com-
「共に〜する」を意味する。
  • 例: con- + battuere(ラテン語で「叩く」)= combattuere → combat(共に叩き合う → 戦う)
pre-
ante-
「〜の前に」を意味する。
  • 例1: pre- + dicere(ラテン語で「話す」)= predicere → predict(前もって話す → 予測する)
  • 例2: ante- + bellum(戦い)= antebellum(戦前、特に南北戦争前のこと)
post-
「後に」を意味する。
  • 例: post- + ponere(ラテン語で「置く」)= postponere → postpone((時系列の)後ろに置く → 延期する)
super-
「〜の上」「超〜」を意味する。
  • 例: super- + sensitive(敏感な)= supersensitive(過敏な)
infra-
sub-
「〜の下」「〜未満」を意味する。
  • 例1: infra- + structure(構造)= infrastructure(インフラ、基盤)
  • 例2: sub- + scribere(ラテン語で「書く」)= subscribere → subscribe((書類の)下に(名前を)書く → 署名する)
neo-
「新しい〜」を意味する。
  • 例: neo- + natal(出生の)= neonatal(新生児)
paleo-
「旧い〜」を意味する。
tele-
「遠くの〜」を意味する
  • 例: tele- + -gramma(ギリシア語で「書く」「手紙」)= telegramma → telegram(遠くへの手紙 → 電報)
anti-
「〜に反する」「〜と逆」を意味する。
  • 例: anti- + páthos(古代ギリシア語で「感情」)= antipathy(嫌悪

数を表す接頭辞

ここでは、ラテン語由来とギリシャ語由来の1から10までと100、1,000、10,000の数を表す主な接頭辞を挙げる[注釈 1]。以下の接頭辞は英語の単語(一部形が変化)や様々な表現としても使われており、例えば倍数詞(「」を参照)や命数法元素の系統名の上での名(9月12月)などに使用されている。

1
uni〜、sim〜、sing〜、prim〜、unus〜、un〜、a〜(ラテン語系)
mono〜、haplo〜、hen〜、en〜(ギリシャ語系)
2
bi〜、bis〜、bin〜、duae〜、du〜(ラテン語系)
di〜、dis〜、dy〜(ギリシャ語系)
duo〜(ラテン語およびギリシャ語系)
3
ter〜、tern〜、tre〜、tres〜、tria〜(ラテン語系)
tri〜、tris〜(ラテン語およびギリシャ語系)
4
quadri〜、quadr〜、quart〜、quater〜、quattuor〜(ラテン語系)
tetra〜(ギリシャ語系)
5
quinque〜、quint〜、quin〜(ラテン語系)
penta〜、pent〜(ギリシャ語系)
6
sexa〜、sext〜、sex〜、sen〜(ラテン語系)
hexa〜、hex〜(ギリシャ語系)
7
septa〜、sept〜、septem〜、septen〜(ラテン語系)
hepta〜、hept〜(ギリシャ語系)
8
octo〜、oct〜、octon〜(ラテン語およびギリシャ語系)
octa〜、ogdo〜(ギリシャ語系)
9
novem〜、noven〜(ラテン語系)、ennea〜(ギリシャ語系)
nona〜、non〜(ラテン語およびギリシャ語系)
10
deci〜、dec〜、den〜、decem〜(ラテン語系)
deca〜、deka〜(ギリシャ語系)
100
centi〜、cent〜、centen〜、centum〜(ラテン語系)
hecto〜、hecato〜、hecaton〜(ギリシャ語系)
1,000
milli〜、mille〜、millen〜、millia〜(ラテン語系)
kilo〜、chilia〜、chili〜(ギリシャ語系)
10,000
myria〜(ギリシャ語系)

コンピュータ

コンピュータプログラミングの分野では、ソースコード上の変数や定数、関数(サブルーチン)、データ型などの識別子の命名において、スコープやデータ型の種別などを表すために接頭辞を使う命名規則を採用していることが多い。具体的な用法はプログラミング言語ライブラリ、個々の開発プロジェクトあるいは組織の慣習にも大きく左右されるが、例えばグローバル変数の名前はg_で始める、メンバー変数(フィールド)の名前はm_で始める、ポインタ変数の名前はpで始める、定数(コンパイル時定数)の名前はkで始める、クラスの名前はCで始める[1]インターフェイスの名前はIで始める[2]、といったものである。命名に一貫性を持たせることによって、ソースコードの読みやすさやメンテナンス性を向上させることができる。なお、接頭辞は名前空間の代わりに使われることもある。クロノス・グループが管理しているAPIのうち、例えばOpenGLOpenCLVulkanの関数はそれぞれglclvkといった接頭辞を持つ。これらのAPIは移植性や相互運用性を考慮してC言語互換の関数インターフェイスを持つ設計となっており、識別子は名前空間を持つことができない。そのため、公式のAPIによる識別子であることを分かりやすくし、他のプロジェクトと名前の衝突を避けるために接頭辞が使われている。

リテラル

多くのコンピュータ言語では、整数型の数値リテラルを記述するとき、数字の前に0x0bのような接頭辞を付けることによって、16進数や2進数の数値リテラルとすることができる[3][4][5]。例えば16進数の21160x21、2進数の101020b1010、といった具合である。これらのリテラル記法は、特にフラグビットの集合やマスクとして使う定数を定義する際に有用である。16進数のリテラル表記に関してはプログラミング言語だけでなく、SQLのようなデータベース言語でも使用可能となっている。

C/C++では、文字リテラルおよび文字列リテラルにL接頭辞を付けることで、ワイド文字およびワイド文字列にすることができる。例えばL'a'wchar_t型を持つワイド文字リテラルであり[6][7]L"abc"はCの場合wchar_t[4]型、C++の場合const wchar_t[4]型を持つワイド文字列リテラルである[8][9]。他にもUTF-16に対応したu接頭辞などがある。

マークアップ言語HTMLでは、数値に#接頭辞を付けることによって、カラーコードを16進数で記述することができる。例えば以下のような#RRGGBBの形式でRGBカラーを指定する。

<font color="#ff0000">赤色で表示されます。</font><br>
<font color="#008000">緑色で表示されます。</font><br>
<font color="#0000ff">青色で表示されます。</font><br>

脚注

注釈

  1. ^ ただし、独自の意味機能を持ち、結合の組み合わせを限定される場合が多い点では結合辞といったほうが正確である。

出典

参考文献

日本語

英語

  • 『英語の「語脳」をつくる接頭辞と接尾辞の完全ガイド』 酒井玲子、国際語学社、2009年、ISBN 9784877314620

関連項目

外部リンク


接頭辞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 04:00 UTC 版)

「超」の記事における「接頭辞」の解説

何らか超越した概念表しギリシャ語ラテン語由来などさまざまな接頭辞・単語訳語として多用される。 英語の above, over にあたりその物の上方に接してまたは離れて)あることを意味するsuper-(スーパー): ラテン語起源。例: 超自然 (supernatural) 、超伝導 (superconduction) 、超音速 (supersonic) など多数supra-(スープラ): super- と同語源。例: 超国家主義 (supranationalism) 。 Über(-)(ユーバー): ドイツ語。例: 超人 (Übermensch) 。 sur(-)シュール): フランス語。例: 超現実主義 (surréalisme) 。 英語の beyond にあたりその物超えた向こう側にあることを意味する日本語では超(ごくちょう)と訳されることもある。hyper-(ハイパー): ギリシャ語起源。例: 超微細構造 (hyperfine structure) 、超立方体 (hypercube) 。 ultra-(ウルトラ): ラテン語起源。例: 超軽量動力機 (ultra light plane) 。 英語の outside にあたりその物の外にあることを意味するextra-(エクストラ): ラテン語起源。例: 超感覚 (extrasensory) 、超法規的措置 (extraleagal measures) 。 英語の after にあたりその物後に続くことを意味するmeta-(メタ): ギリシャ語起源。例: 超数学 (metamathematics) 。 英語の very程度はなはだしいことを意味するveryベリー): 英語。例: 超短波 (very high frequency) 。 これらのほとんどは「超越する」(~を超え~と別のものになる)という意味合いを持つが、現代では「非常に」「はなはだ」(~の範囲程度はなはだしい)のような意味で使われることもある(ただしこの2つをはっきり区別できるとは限らない)。超現実主義シュールレアリスム、surréalisme) は、フランス語語源どおりには「現実の上」であり、しばしば「(現実超えた非現実」と解釈されるが、これは誤りであり「非常に現実的」であるとされる。 『漢語林』などによると、「超」の字には度を越す、分を過ぎるなどせいぜい普通一般に見られる程度の「何らか」をこえでてはいるものの、「何らか」の概念をまったく超越してしまっているわけではない意味で使う用法許されている(例としては「超能力」など)。

※この「接頭辞」の解説は、「超」の解説の一部です。
「接頭辞」を含む「超」の記事については、「超」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「接頭辞」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

接頭辞

出典:『Wiktionary』 (2021/07/31 13:38 UTC 版)

名詞

せっとうじ

  1. 接辞一種で、や語の一部前に付加され派生語作り、元の語の品詞変えたり、意味を付加したりする拘束形態素

類義語

対義語

上位語

関連語

翻訳


「接頭辞」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



接頭辞と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「接頭辞」の関連用語

接頭辞のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



接頭辞のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの接頭辞 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの超 (改訂履歴)、しょこたん語 (改訂履歴)、モノクローナル抗体の命名法 (改訂履歴)、静岡弁 (改訂履歴)、ハンチュ-ウィドマン命名法 (改訂履歴)、ビットレート (改訂履歴)、最長共通部分列問題 (改訂履歴)、コントラ (曖昧さ回避) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの接頭辞 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS