接頭語・接尾語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 05:10 UTC 版)
強調 接頭語には「ど/どん」「どか」、接頭語には「くさい」「たれ(め)」「らしい/たらしい」などがあり、また接頭・接尾兼用に「くそ」がある。罵倒や卑しめ、不満を表すのに男性がよく用いて聞く者に荒い印象を与えるが、語自体は江州弁特有といえるような珍しいものではない。 (例)ど阿呆、どえらい/どいらい、どじらしい(=ずるい)、どすこい(=こすい)、どんじり、どんびゃくしょう(=百姓)、阿呆くさい、遅くさい、邪魔くさい、くそ忙しい、ぼろくそ、げんくそ(=縁起)、ごくたれ、貧乏たれ、知ったらしい(=知った風な)、馬鹿たらしい 敬称 「さん」を多用する。「さん」は親しみを込めて「はん」「つぁん」「やん」「ちゃん」とくだけることがある。愛称やあだ名には「ぼん(「坊」の転)」や「べい」なども用いた。(例)姉さん→ねえやん、兄(あに)さん→あんやん/あんにゃん、幸夫→さちぼん、けい子→けいべい くろしい 「苦しい」の転。特定の形容詞の語尾に付けて、嫌悪や不満の気持ちを強める。暑くろしい(暑苦しい)、よぞくろしい(とても気持ちが悪い)など。 べら/べた 「……側」を表す接尾語。「ほっぺた」の「ぺた」と同源と思われる。あっちべら(あちら側)、こっちべら(こちら側)、向こうべら(向こう側)、みなべら(南側)など め 一般には「ばかめ」や「わたくしめ」のように罵倒や卑下に用いる接尾語だが、湖北などでは特定の動物名につけて親愛の接尾語とする(福井弁と共通)。あいめ(鮎)、がにめ(蟹)、へるめ(蛭)、とりめ(鶏)、うしめ(牛)など。 ら 一般には「ここら」「こちら」のように場所をぼやかす表現に用いる接尾語だが、湖北と湖東の一部では「方角+ら」で「方角+隣(の家)」という意味を表す。また湖北には「北ら」の転とされる「きとろ」という名詞がある(「北の方」または「近所」の意)。(例)東らは今留守にしてはるわ(東側のお隣さんは今留守にされているよ)
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